『スプラトゥーン』そのままな中国製アプリ「Sepia GO!」、オリジナルタイトルとして再びリリースされていた

『スプラトゥーン』シリーズをコピーした、“そのまま”なモバイルゲーム「暴走涂鸦(Sepia GO!)」が中国にてリリースされていたことを2016年6月に弊誌にて報じた。その後続報が途絶えていたが、「Sepia GO!」がオリジナルタイトルとして再びリリースされていたようだ。

任天堂が手がけるシューティングゲーム『スプラトゥーン』シリーズをコピーした、“そのまま”なモバイルゲーム「暴走涂鸦(Sepia GO!)」が中国にてリリースされていたことを2016年6月に弊誌にて報じた。その後続報が途絶えていたが、「Sepia GO!」がオリジナルタイトルとして再びリリースされていたことがMyNintendoNewsなど海外メディアにて報じられている。

Image Credit: uniiicom

2016年6月のリリース当初は「Sepia GO!」は、グラフィックからゲームシステムまで『スプラトゥーン』そのままで、インスパイアやコピーというより盗用アプリとして国内でも一部注目を集めた。この悪名高きアプリの情報が任天堂のもとに届いたのか、2016年12月にはパブリッシングを担当している9gamesが同アプリを配信停止していた。これで同アプリの存続は不可能かと思われたが、開発者らは諦めていなかったようだ。

中国をメインとしたコミュニティAminoによると、配信停止の理由が著作権であると考えた開発者らは、「Sepia GO!」をオリジナルタイトルとしてリリースすることを決意。既存のアセットの使用をやめ新キャラクター・新マップを作り出すべく新たなスタートを切ったという。すべてが一新されたオリジナルタイトル「Sepia GO!」として開発を進め、昨年の後期にあらためてリリースされていたが、海外メディアUniiiComが動画を取り上げたことにより2018年になり再び注目を集めている。

紆余曲折を経て、「Sepia GO!」がオリジナリティあふれるタイトルになったのかというと残念ながらそうではない。動画を見てもらうとわかると思うが、ガワこそオリジナルであるが原型はやはりそのまま『スプラトゥーン』だ。ビジュアルやシステムは既視感が強く、BGMなども構成は変えてあるがサビの曲調は聞き慣れた“それ”。ただ同アプリは『スプラトゥーン2』をベースにしているが、マップは起伏が少なく平面の広いエリアがメインの戦場になっているようだ。異なる部分は随所にあるものの、オリジナリティはまったく感じられない印象だ。

本作はまだパブリッシャーを見つけられておらず、Google Driveにてアプリを配布している(興味のある方は各自検索してほしい)。ただし同アプリにはマルウェアが含まれているという報告もされているので、そうしたリスクを考慮しダウンロードする必要があるだろう。

中国生まれのコピーアプリは、一昔前までは完成度の低さもあり単なる迷惑なパクりと見られていた。ただ最近は『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』をコピーした『荒野行動』がモバイル向けにリリースされ、国内のAppStore/Google Playダウンロードランキングの上位に顔を出すなど猛威をふるっている。ゲームパッドもなくビジュアルなど品質も下がっており、オリジナルタイトルで得られる体験には遠く及ばない。一方で、中国スタジオの技術の向上により、ある程度の楽しさは保障されており、無料かつモバイルアプリであるということもあり誰にでもプレイすることができる。それゆえに、広く受け入れられているのが現状だ。

『荒野行動』

アセットを盗用していない独自のゲームだと主張されれば、オリジナル作品を販売するパブリッシャーも介入することができない。単なる「中国産の粗悪アプリ」では終わらない可能性もあり、人気作品を手がけるパブリッシャーはこうしたコピーアプリへの対処に悩ませられることになりそうだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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