「魂斗羅」を現代の技術でよみがえらせた3Dシューター『Contra 2028』無償公開中。8名の学生がUE4を使い8週間で完成させた作品

学生8名がUnreal Engine4を駆使し、8週間で完成させたゲーム『Contra 2028』が無償で公開されている。『Contra 2028』は、同学校の教師が選んだファミコンのゲームリストの中から、リブート作品をプロデュースしデザインするという課題から生まれたとのこと。

学生8名がUnreal Engine4を駆使し、8週間で完成させたゲーム『Contra 2028』が無償で公開されている。この学生らはカナダの学校に通っており、ゲーム制作のプログラムに参加していた。『Contra 2028』は、同学校の教師が選んだファミコンのゲームリストの中から、リブート作品をプロデュースしデザインするという課題から生まれたとのこと。選ばれたゲームはタイトルが示すとおり、コナミによるシューターの名作『魂斗羅』だ。開発チームは、『Contra 2028』を公開した理由について「私たちがつくりあげたものが、インターネット上で自由に共有するに足る出来栄えだったからだ」と語っている。

ゲームは、小型肉食恐竜のようなエイリアンの群れを倒していく、サードパーソン・シューティングゲームだ。『Killing Floor』のように、押し寄せてくる敵のウェーブを全滅させることで、次のウェーブへと進んでいく。一見すると『Gears of War』風に見えるが、カバーアクションはない。回転しながらハイパージャンプができたり、リアクターをつかって『Vanquish』風のスライディングができるなど、原作の『魂斗羅』を彷彿とさせる爽快感のあるプレイが特徴だ。ゲーム中には「1回のジャンプで2体の敵を倒せ」「動かずに敵を8体倒せ」といったチャレンジが出現する。チャレンジは失敗しても問題ないが、「ジェネレーターを守れ」というミッションに失敗すると、UIが画面から消えるというユニークなペナルティが与えられる。

ほかにも、ジャンプやスライド中にエイムすることで、いわゆるバレットタイムが使えたり、特定のキルストリークを決めることでタレットを設置できるなど、さまざまな工夫が凝らされている。最初はかなり難易度高めに感じるかもしれないが、敵が登ってこられない安全地帯があったり、ショットガンがやけに強力だったり、救済措置も揃っているほか、慣れてくればうまく立ち回ることができるだろう。
ゲームスタート直後に背後から敵に襲われたり、タレットが橋の下にいる敵を撃ち続けて無駄弾を消費したり、バレットタイムが期待したほど役に立たないなど、荒削りなところは散見されるものの、ゲーム全体の完成度は8週間でつくったとは思えないレベルに到達している印象だ。ちなみにゲームパッドでの操作が可能となっているが、ゲームパッドではスライドなど一部のアクションがうまく動作しなかった。Xbox コントローラーでの操作は可能だが、Steamコントローラーは認識してくれない。エイムアシストがなく、感度調整もできないため、操作はかなり難しいので、パッドの使用はあまりお勧めできない。

すばらしい作品であるものの、ひとつ気がかりなのは『Contra 2028』が『魂斗羅』のリブート作品であると公言している点だ。開発チームは、『魂斗羅』の権利はコナミに帰属しますとも述べているものの、海外ではファンゲームが、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)侵害により公開停止となる例が相次いでいる。今回の『Contra 2028』が同様のケースにあたるのか、現時点で判断するのは尚早だが、今後どうなっていくのか見守っていきたい。ちなみに、弊誌で報じたように、海外だけでなく日本国内の学生たちもまた同エンジンを用いてさまざまなゲームを生み出す取り組みを見せているので、気になる方はそちらもチェックしてみてほしい(関連記事)。

『Contra 2028』は現在、ウェブ上で無償公開されている。(CONTRA -2028-

Masahiro Yonehara
Masahiro Yonehara

ゲーム世界の散策とスクリーンショット撮影を趣味にしています。コア、カジュアルを問わず、ハードルが低く奥が深いゲームに惹かれます。

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