ARプラットフォームデバイス「Magic Leap」正式発表、謎に包まれていたガジェットが今ベールを脱ぐ


アメリカのテック企業であるMagic Leap社は12月20日、MRヘッドセット製品の第一作目である「Magic Leap One」の詳細を公式サイトにて正式公開した。今回公開された製品は開発者向けとなっており、2018年早期に製品を出荷し、製品に関するSDK(ソフトウェア開発キット)を公開する予定である。

「Magic Leap」はゴーグルの形をした「Lightwear」、処理系と電力供給を行う「Lightpack」、振動機能付きモーションコントローラーである「Control」の3つのパーツから構成されている。

「Magic Leap」が備える機能のなかで、一般的なVRヘッドセットやARゴーグルとの異なる点は、独自の技術である「Lightfield photonics」によって装着者の周囲の物体を認識しつつ、3Dモデルを現実世界にミックスする形で投影できることである。公式の説明によれば、この技術を使うことで装着者にかかる脳への負担は軽減され、長時間仮想空間を体験できるようになるとのことだ。モーションコントローラーや手のジェスチャーによる操作のほか、視線トラッキングによる操作も可能である。どのような体験が得られるかのサンプルとしては、Magic Leap社が過去に公開した動画を観てもらえばわかりやすいだろう。

またオーディオ機能も搭載されており、3Dモデル投影機能と同様、装着者の周囲の環境を読み取ることで想定される距離を計算し、バーチャルな音をスピーカーからではなくあたかも「現実に聞こえる」ようにミックスし鳴らすという。過去Magic Leap社がGlixelから受けたインタビューによれば、ヘッドセットは2種類が提供され、カスタマイズ用の額パッド、ノーズピース、こめかみパッドが同梱される。現在製品価格は公開されておらず、公式サイト下部のメールフォームより注文の依頼が可能になっている。

2011年創業のMagic Leap社は、AR開発事業としてAlphabetや阿里巴巴(アリババ)、Googleといった名だたる大企業から19億ドル(約2200億円)もの資金調達を成功させていたものの、2年間その実体がこれまで明らかになったことはなかった。それが今回初めてベールを脱いだ形となる。果たしてMagic Leapが持つポテンシャルは如何ほどのものなのだろうか。