『LoL』クライアント内トーナメント「Clash」の実装を予告。チームでの競技体験を一般プレイヤーにも提供

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは12月12日、クライアント内公式トーナメント機能「Clash」を2018年に実装すると発表した。「Clash」は週末の3日間にクライアント内から参加可能な公式トーナメントを行うものとなる。

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは12月12日、クライアント内公式トーナメント機能「Clash」を2018年に実装すると発表した。「Clash」は週末の3日間にクライアント内から参加可能な公式トーナメントを行うもので、参加してプレイすることでゲーム内アイテムを褒賞として獲得できる。まだ詳細は発表されていないが、2015年まで存在した「ランクチーム」の進化形として、一般プレイヤーにも競技体験を提供するねらいだ。

チームプレイモードのないチームゲーム

かつて存在したランクチームは、5人のプリメイドチームのみで競い合うランク戦キューで、最上位圏はプロトーナメントへの最初の登竜門としても機能していた。2016シーズンの変更でランク戦にダイナミックキューが導入された際にこのキューはなくなったものの、チームで競い合う体験を忘れられない既存プレイヤーや、オフライン大会を目指すプレイヤーたちによる根強いファンコールは続いていた。そういった声に応えてランクチームは一時的に復活したものの、Riot Gamesが従来のランクチームを戻すだけで満足していない様子はうかがえていた。2017シーズン折り返しとなった6月に発表されたミッドシーズン特設サイトでは「以前のランクチームとは異なるやり方で、LoLに新たな競技体験を追加する」との抱負が語られ、8月末にはチーム参加競技モードのテストがベトナムサーバーで行われるとの告知も行われた。今回の発表は、ランクチームを愛するプレイヤーたちをはじめとするコミュニティからはおおむね歓迎されているようだ。

EUWサーバーで今週末にベータテスト開催

さっそくEUWサーバーでは、今週末となる12月15~17日の日程でテクニカルベータテストが開催予定]となっており、12日よりクライアント内でのチーム編成機能も開放されている。このベータテスト告知によれば、「Clash」トーナメントへの参加にはゲーム内アイテムの「チケット」が最低1枚必要となっており、これはランク戦フレックスキュー2勝のミッションをこなすほか、ゲーム内通貨での購入も可能となる予定だ。金曜のブラケットを勝ち抜くと土曜のブラケットに入り、さらに勝ち抜けば最終日である日曜のブラケットで競い合うこととなる。途中で負けた場合は「敗者戦」のブラケットに入り、褒賞のグレードアップに挑むことができる。褒賞は「戦利品/クラフト」タブで開封できるカプセルの形で配布される。トーナメント中のパフォーマンスが得られるもののグレードに、エントリーに消費したチケットの枚数がカプセルに含まれる一部アイテムの獲得数に影響するシステムとなっている。。

一部のプレイヤーにとって気になるであろう「サブアカウント参加をどうやって防ぐか?」という問題については、公開当初のベータテスト告知には「SMSを使用した携帯電話番号認証を行ったアカウントのみで参加可能」との記述があった(12月13日午後時点で削除を確認)。携帯電話番号の複数所持はやむを得ない事情がない限り行わないであろうから、もしこの仕様が実装されれば、サブアカウント参加対策としては強力なものとなるだろう。

PBEではアカウント設定に携帯電話番号認証が追加されている。

さらにもうひとつ気になる点としては、チケットによって参加料を徴収するシステムが「オンライン賭博に当たらないかどうか」という問題もある。『LoL』のコンテンツはゲーム部分は全てが無料であり、有料要素はスキンをはじめとした外見カスタマイズのみとなっている。Clashトーナメントの褒賞として得られるものも、従来から存在する「ヘクステッククラフト」システムで入手できるアイテム(スキンのかけら等)とベータテストでは発表されている。スキン等の有料コンテンツがそのまま手に入るわけではないし、有料コンテンツを割引で入手できると考えても、オフライン大会の賞金と比べれば割引額は大したものではないはずだ。週末3日間を使ったClashトーナメントの開設はあくまでチームプレイの需要に応えるものであり、競技体験の提供が主なねらいであるだろう。正式実装はまだ少し先と思われ、かつ日本でのローンチには法的判断が必要になるかもしれないが、続報を楽しみに待ちたい。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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