カートゥーンアクション『Cuphead』Steam版の販売本数が50万本を突破。わずか2週間での快挙

StudioMDHRが開発した2Dカートゥーンアクション『Cuphead』が、9月29日にリリースされてから売上を伸ばし続けている。初週にはSteam版の販売本数(厳密には所有者数)が20万本を超え、発売から2週間後の10月10日には早くも50万本を突破した。

StudioMDHRが開発した2Dカートゥーンアクション『Cuphead』が、9月29日にリリースされてから売上を伸ばし続けている。初週にはSteam版の販売本数(厳密には所有者数)が20万本を超え(関連記事)、発売から2週間後の10月10日には早くも50万本を突破した(SteamSpy調べ)。売上のペースは衰えることを知らず、いまでも1日3万から5万本のペースで数字が伸びている。Steamでは1万件弱のレビューが寄せられ、ステータスは「圧倒的に好評」。つくりこまれたビジュアルとゲームプレイでファンの心をつかみ、ヒットタイトルの仲間入りを果たしている。

Steamの全世界売上ランキングでは、常連の『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』と、10月10日に発売された大作『Middle-earth: Shadow of War』に続く3位をキープ。同時接続プレイヤー数は今でも1万人以上を超える。ゲーム本体だけでなく、Kristofer Maddigan氏がコンポーザーを担当したサウンドトラックも好調。Billboard Jazz Chartsでは初登場9位まで浮上することもあった。

https://twitter.com/KrisMaddigan/status/915242659618451457

現在『Cuphead』はPC/Xbox One向けのデジタル販売のみであるが、将来的にはリテール版(コレクターズエディション)の販売計画もあるということで、そちらにも期待したい(該当ツイート)。なお公式サイトでは、今後のアップデートについて言及されており、バグ修正およびバランス周りの調整に取り組むことが明らかになっている。具体的な調整対象としては、強力すぎるという理由でチャージ武器が挙げられている。

本作が盛り上がりを見せているのは、売り上げだけではない。クリア時間を競うスピードランも白熱模様を見せている。ちなみに本作のスピードラン記録は「Regular Any%」「Regular All Bosses Run」ともに30分を切っている。speedrun.comによると、「Regular Any%」の記録はTheMexicanRunner氏の27分43秒、「Regular All Bosses Run」の記録は同氏の27分47秒である。途中で死亡しないのはもちろんのこと、最短で突破できるボスの攻撃パターンという、ある程度の運も必要な領域に達している。なお『バイオハザード』『DARK SOULS』シリーズや『仁王』のスピードランナーとしてもお馴染みのDistortion2氏は2位の28分19秒。相変わらずの腕前を披露している。

鉛筆とインク、水彩絵の具を用いた1930年代風の手書きアニメーション。高難度にも関わらずリラックスさせてくれるビッグバンド/ラグタイムのサウンドトラック。ユーザのモチベーションをコントロールするレベルデザイン。アピールのしやすさと完成度の高さがクチコミを呼び、スピードラン界隈でも賑わいを見せている『Cuphead』。SNS上にて多くのファンアートが投稿されている本作は、2017年のインディーシーンを代表する作品のひとつとして、歴史に名を刻むことだろう。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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