苦悶を食らう妖艶なる悪魔の新生。『LoL』イブリンのアップデートが発表

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』開発運営元のRiot Gamesは9月27日、チャンピオン「イブリン」のアップデート概要を発表した。

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』開発運営元のRiot Gamesは9月27日、チャンピオン「イブリン」のアップデート概要を発表した。イブリンの当初のリリースは2009年で、2012年にゲームプレイアップデートが一度施されているが、今回はビジュアル・性能・物語の全てを一新するフルリワークが行われる。

 

常時ステルスが個性なのは変わらず

今回のアップデートは、イブリンにとって2回目のリワークとなる。当初のイブリンといえば非戦闘時に常にステルス状態になれる能力が特徴的なアサシンで、とらえどころがないが頑丈でもなく、その他のスキルは微妙という立ち位置だった。一度目のリワークでは、噛み合っていなかったスキルのシナジーを高める目的で変更が行われたが、「敵を追いかけて瞬間的なダメージでキルする」アサシンではなく、どちらかといえば「敵の目の前に飛び込んで持続的なダメージでキルする」ファイター寄りの性能になってしまっていた。また、実装以来持っていたステルス能力のせいでほとんど常にマップに姿が映らないことから、相手からすれば非常に対策がしづらい能力であった。こういった状況を鑑み、「よりアサシンらしいテーマ」を追求するアップデート作業が進行中であることが、今年1月に発表された公式記事で語られていた。今年6月の公式記事では、さらに「現在の水準に引き上げるアップデート」であることも強調されている。二度目のリワークを受けるイブリン、今回の性能は一体どのようになっているのかを見てみよう。

新固有スキル「妖魔の影」は、イブリンの大きな特徴である常時ステルスを得られるスキルだ。しかしリワークによりステルスが得られるのはLv6以降となっている。また旧固有スキルではマナ回復が増加していたが、体力回復へと変更されている。Qの「ヘイトスパイク」は方向指定スキルへと変更。旧Qは対象を自動で攻撃してくれるお手軽スキルだったが、新Qは能動的に当てる必要があるため操作難易度が上昇している。再発動することで敵を貫通するトゲを3回まで放つことができ、ジャングル周回やガンク時の主な攻撃手段となりそうだ。新W「ラストダスト」は対象にイブリンの位置を一瞬知らせてしまうが、呪いをかけて一定時間後にスロウかチャームを与えるスキル。一瞬だけ位置がわかるという点がカウンタープレイの余地となっており、イブリンの位置情報をその後のプレイにどう活かすかが非常に興味深い。ビジュアル一新によってイブリンの腰から生えた2本の鞭を駆使して攻撃するのは、新Eの「ウィップラッシュ」だ。これは対象の最大体力に対する割合ダメージを与える攻撃スキルで、「妖魔の影」によってステルス状態になっていれば、鞭をつたって対象の元へダッシュすることができる上に、範囲ダメージとなる。新アルティメットスキルの「ウィドウメイカー」は、発動するとイブリンが対象指定不可の状態になりつつ、前方の広範囲にダメージを与えてから後方へとテレポートする必殺技だ。アサシンに必要な「飛び込み→攻撃→離脱」をワンセットにしたアルティメットになっているが、集団戦中に孤立した敵を追いかけるのに夢中になっていると、残敵の真っただ中にうっかりテレポートする事故も発生するため、周囲をよく見て使う必要があるだろう。

旧スキル構成と比べると、新しいスキルは飛び込んで大ダメージを出すことに特化しており、よりアサシンらしいプレイスタイルに寄せられている。またスキルのダメージは全て魔力で増加するようになっているが、新Eには通常攻撃時効果が適用されるため、リッチベインやヘクステック・ガンブレードといったアイテムが特に有用だろう。ロールは変わらずジャングラーが想定されており、ジャングル周回やレーンへの奇襲で強力な性能に仕上げられている。集団戦が増えてくる時間帯では孤立した敵を捕まえたり、ピックアップした敵を攻撃するなど、戦果を出すための工夫が少し必要になるはずだ。敵を捕まえるための移動阻害手段がスロウしかないため、味方レーンには強力なCCを備えたチャンピオンをピックしてガンクのセットアップをしてもらえば、活躍しやすくなるだろう。

 

 

セクシーなキャラクター

PBEが7.20パッチサイクルに突入した9月27日より、実装へ向けたイブリンのデータや動画等が有志の手で公開されつつある。スプラッシュアートはデフォルトを含めて全てが新しく描き直されたが、ゲーム中のグラフィックとの整合性を取る作業がしばらくは続けられるようだ。

また、話題になっているのは新セリフだ。当初話題になったのは、ほとんど裸にしか見えないビジュアルであったが、各国語ボイスもかなり「セクシーな方向に」突き抜けているようだ。英語やドイツ語ではポルノで使われるような言葉遣いも取り入れられているとのこと。YouTubeにアップされた英語音声動画スレッドは、Redditで「18歳以上閲覧注意」となっている。各国語ローカライズでさまざまな工夫が凝らされているようだが、日本語ボイスでは過激に思える表現は特にないと思われる……それでも十分にセクシーではあるが。

イブリンはキャラクターの持つ物語も一新される。詳細についてはいまだ明らかになっていないが、7月の公式記事では「イブリンによって両親の命を奪われたチャンピオンが存在する」ことが言及されている。このチャンピオンはコミュニティの推測ではヴェインではないかと言われているが、どのようなものになるのか今後の物語公開を楽しみに待ちたい。

2017シーズン終了と2018プレシーズンの変更が発表されつつある『LoL』。イブリンのフルリワークのほかにも、アジール・ルブランのアップデートや、次の新チャンピオンについてなど、新要素への言及は留まることを知らない。弊誌でも随時ニュースをお届けしていくので、お楽しみに。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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