『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発するRiot Gamesは9月26日、2018プレシーズン特設サイトを公開した。特設サイトによれば、2018プレシーズンは11月8日より開始となる。またかねてより告知されていた「ルーンの再構築」の概要も正式に公開されている。
新ルーンシステムの要「キーストーン」
ミッドシーズン終了後の5月末の発表以来、開発中の内容が小出しに公開されてきた新ルーン。これは現在のプレイ前システムである「ルーン」「マスタリー」を統一したシステムとなっており、サモナーレベルにかかわらず全てがアカウント作成直後から利用可能だ。
特設サイトでは5種類の「パス」と、それぞれのパスごとに3種類を備えている強力な「キーストーン」にスポットライトが当てられ、「新ルーンシミュレーター」も公開されている。詳細性能は今後PBEや告知で発表されていくだろうが、自分のメインチャンピオンに合いそうなルーン構成を、ぜひシミュレーターで組み立ててみてほしい。
なおルーンの移行にともない、これまでルーンやルーンページを保有していたアカウントには、所持量や購入時期に応じて払い戻しが行われる。ルーンについては2017シーズンの購入分は全額払い戻し、それ以前のものも一部が払い戻される。ルーンページはシステム移行では削除されないが、IP購入分については一部払い戻しと、RP(ゲーム内有料通貨)購入分については4枚ごとにスキン配布が実施されることになっている。
上限が廃止されるサモナーレベルシステム
今月始めに告知されていたサモナーレベルの上限廃止だが、プレシーズンが迫るにしたがって徐々に詳細が発表されている。現在のサモナーレベル(アカウントレベル)は上限が「30」であり、それ以上はいくらプレイしても変動しない。しかし新システムではサモナーレベルは30を超えてレベルアップしていくうえに、レベルアップ時には投資すればスキンやチャンピオンとなる「かけら」等が入った開封済みカプセルを受け取ることになる。
現在サモナーレベルが30に到達済みのアカウントが下駄を履かされることはないが、新システムで受け取るはずだったカプセルなどをさかのぼって受け取ることはできないので注意だ。また30までのサモナーレベル上昇過程で解禁されていくプレイ可能ゲームモードも、特に変更されることはないようである。同様にサモナーレベル上昇とともに解禁されていくコンテンツにはサモナースペルがあるが、こちらは調整が入る見込みとなっている。
IPはブルーエッセンスへ
サモナーレベルの上限撤廃にともない、これまで試合後に獲得できていたゲーム内通貨「IP(インフルエンス・ポイント)」も廃止され、ヘクステッククラフト(ゲーム内報酬獲得システム)に使用できるリソースである「BE(ブルーエッセンス)」へと変換される。レベルアップ時に受け取るカプセルに入っている「かけら」等から実際のコンテンツを獲得するためには、ヘクステッククラフトでリソースを注ぎ込む必要があるためだ。IPの廃止をもって、プレイ時の報酬はヘクステッククラフトと完全に結びつくこととなる。
試合後のIP獲得がなくなるということは、不要なかけらを分解しなければBEを得ることはできないということになりそうだ。となると気になるのは、レベルアップに必要な試合数である。公式FAQの説明によると、アカウントを作ったばかりで低いサモナーレベルであれば速く、やりこんでいる高レベルのアカウントであれば遅くなるように、レベルアップ速度は調整されているようだ。また1日のプレイで最初の勝利時に獲得できる「First Winボーナス」は健在であり、レベルアップ速度が最も遅くなる高レベル帯であっても、毎日のボーナスを獲得しながらプレイを続ければ1週間以内に次のレベルへ上がれるようである。毎試合後のちょっとした達成感がなくなるのは少しさびしいが、より大きなご褒美を目指してプレイを続けていけばよいということになる。
ベテランプレイヤー向けコンテンツ
来年で正式稼働8年目を迎える『LoL』だが、ここに来てようやくベテランプレイヤー向けの特典コンテンツが実装される。プレイ時間に応じて配布される特殊なエモートや、長期間のプレイで溜まった大量のIPでしか購入できない限定コンテンツなどだ。中でも目を引くのは、15万BEという値段のつけられた限定スキン「URFウィック」。もともと2010年のエイプリルフールの配布でしか入手不能だったスキンが、2017バージョンとして変更が加えられたバージョンで復刻される。ベテランのみならず、レアコンテンツとしても所有欲をそそるスキンだ。こういった限定コンテンツを販売するスペシャルショップは期間限定でオープン予定だが、少なくとも年に一度は開かれる予定とのこと。
何度も繰り返して申し訳ないが、2018プレシーズンの変更は『LoL』ゲーム史上最大のものとなる。当初はコアゲーマー向けをうたっていた『LoL』だが、e-Sports展開などによるプレイ人口の拡大を経て、コア層のみならずさまざまなプレイヤーを受け入れるようになった。この変化によって、当初コアプレイヤー向けとしていた一部仕様がだんだんと歓迎されなくなっていったという歴史がある。サモナーレベルを上げなければ制限が大きいプレゲームシステム(ルーン・マスタリー)、数年単位での愛好者に報いることのない褒賞システム……プレイヤーとのコミュニケーションを重視し、自らもプレイヤーであることを誇りとするRiot Gamesの開発者たちは、こうしたシステムの不評を受けて上記の変更に至った。システムの大きな変更により、2018プレシーズンは2ヶ月と昨年にくらべて長い時間を取ることになるが、この大変化の波から新しい楽しみが生まれるだろうことはまちがいないだろう。