『LoL』11月のプレシーズンよりアカウントレベル・ゲーム内通貨システムを一新。ゲーム史上最大の変更に

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは、11月よりアカウントレベルの上限を撤廃し、ゲーム内通貨「IP」のシステムを一新することを発表した。『LoL』で毎年11月より約2か月間にわたって実施されている「プレシーズン」では、ゲームシステムの大幅な変更が行われるのが恒例となっている。

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは、11月よりアカウントレベルの上限を撤廃し、ゲーム内通貨「IP」のシステムを一新することを発表した。『LoL』で毎年11月より約2か月間にわたって実施されている「プレシーズン」では、ゲームシステムの大幅な変更が行われるのが恒例となっている。今年のプレシーズンには、5月に告知された「ルーンの再構築」と合わせて、来シーズンに向けた史上最大規模の変更が訪れる見込みだ。

 

サモナーレベルの上限を撤廃

まず、プレシーズン開始とともに、従来から設けられていたサモナーレベルの上限である「30」が撤廃される。その後はレベルアップ時に「チェスト」を獲得できるようになる。これについては『オーバーウォッチ』などと同様のシステムを想像すればよさそうである。チェストの内容はレベルによって異なり、1~30レベルの間はチャンピオンとブルーエッセンスが出る確率が高く、それより高レベルになるとエモートなど見た目のカスタマイズアイテムが出る確率が高くなっていくとのこと。今年6月に変更された名誉システムと相まって、プレイで得られる褒賞は戦利品システムへと集約されることになる。

なおRiotCalad氏によれば、サモナーレベルの上限が撤廃されてもランク戦がプレイできるようになるサモナーレベルは30以降のままであるとのことである。

 

「IP」は「ブルーエッセンス」へ統合

これまでは試合終了時に少量のIP(インフルエンス・ポイント)を得られるシステムだった。IPはゲームをプレイすることでしか獲得できないゲーム内通貨で、チャンピオンやルーンといったコンテンツの購入に充てることができる。しかし、IPで購入できるコンテンツを集めきってしまったプレイヤーにとっては、IPは全く使い道のないリソースとなってしまっていた。その上、IPコンテンツを集めきってしまうプレイヤーはそもそも『LoL』が好きで頻繁にプレイするため、IPがさらに溜まっていくことになる。このためコミュニティからも「莫大な量のIPを保持しているプレイヤーへの褒賞や特典」を求める声がしばしば上がっていた。

今年11月のプレシーズンからは、ヘクステッククラフトで用いられている「ブルーエッセンス(BE)」にIPが吸収統合される形になる。告知には、既存アカウントが保持しているBEがまず6.5倍され、そこにIPがそのまま足される形の変換と明記されている。IP購入が可能なコンテンツはブルーエッセンスを消費して購入することとなり、価格はIPから据え置きになる。

このシステム変更にともない、既存のヘクステッククラフトのバランス調整も行われる。試合のパフォーマンス評価である「マスタリーランク」S以上で獲得できるチェストから出現する「チャンピオンのかけら」「スキンのかけら」といったアイテムを分解するとブルーエッセンスが得られるのだが、この量が少なめに調整される。しかしチャンピオンの入手速度は変わらず、むしろサモナーレベルが低いうちはチャンピオンの入手速度が上がるような調整が施されるという。

合わせてチェストの内容も調整が予告されている。ひとつのチェストから2つのコンテンツが出現する可能性や、レアアイテムである「スキンのかけら」「ジェム」といったアイテムの最低出現率を保証するシステムが追加される。おそらくは、チェストからのアイテム獲得履歴を参照し、レアアイテムの出現履歴にもとづき最低限の確率を保証するようなシステムではないかと思われる。

 

ルーンの払い戻しとセール、期間限定ストア

今年5月末以降に購入されたルーンについては、消費されたIPの全額払い戻しが行われる予定だ。昨年12月7日以前のルーンの購入についても、ランク3の通常ルーン1つにつき100BE、ランク3の真髄ルーン1つにつき300BEが追加で付与される。払い戻しはIPとBEの統合後に行われる予定。

またこれにともない、日本時間9月2日よりルーンの大幅セールが開始されている。現行のランク3ルーンが大幅値下げされ、1つ10IPになっている。ただしこのセール以後に購入されたルーンおよびルーンページは払い戻しの対象にならないとのこと。

ルーンページのシステムはプレシーズンでも変更されず引き継がれ、価格も据え置きとなる。しかし、これまでルーンページを保持していたプレイヤーの不満に応える形で、IPでのルーンページ購入については1ページにつき1500BEが、RPでは4枚(カウントは切り上げ)につき所有チャンピオンのエピックスキン(1350RPで購入できるスキン)がランダムで1つ、それぞれ提供される。

こういった払い戻しなどによって大量のBEを持て余すことになる向きについては、通常はRP購入となるワードスキン・アイコン・クロマが期間限定のBEストアで販売されるため、利用を検討するとよいだろう。動画では、すでに入手機会がなくなって長い時間が経過した「アーフ・ザ・マナティー」スキンが15万BEという価格でラインナップされている様子を見ることもでき、こういった希少なアイテムも期間限定かつ高価格で用意するとのことだ。

 

ベールを脱いでゆくプレシーズンの大変更

「ルーンの再構築」をはじめとした史上最大の変更が行われる、今年11月のプレシーズン。各変更については、ブロンズからプロまで世界中でプレイテストを実施しフィードバックを収集・対応しているとのことだ。新ルーンシステムについては、9月後半にPBEに実装を予定しており、詳細が明らかになるのが待ち遠しい。

他にも、ゲーム内仕様の追加やクライアントパフォーマンスの改善といった、プレイ環境の改善にも長期的に取り組んでいくとリードプロデューサーのNew001氏は動画内で改めて表明している。すでに決定している改善点のひとつとして、クライアント内で所持スキンを一覧できるよう、「コレクション」内に「スキン」タブが今年中に実装予定だそうである。

こういった大きな変更に関する情報は、混乱を招かないよう早め早めに共有されていくとのことで、新ルーンの性能についても開発中の情報が小出しに公開されている。今月下旬から始まる世界大会をはじめ、シーズン終了時の大きな動きが待っている『LoL』。今年最後のお祭りにして来年の基礎となるプレシーズン、皆が同じスタートラインに立つこの季節も楽しんでいきたい。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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