『LoL』西太平洋の3地域対抗大会にて日本が初代王者に。初の国際大会優勝
『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の公式地域対抗大会「Rift Rivals」にて、日本地域こと「LJL」が優勝し、初代王者の座についた。Rift Rivalsは世界の13地域をいくつかに分けて現在開催中のお祭り的な国際大会。日本が参加した「GPL vs LJL vs OPL」はそれぞれ東南アジア・日本・オセアニアの各地域が力比べを行った。
Rift Rivalsは地域対抗大会ということで、普段は地域内のトップリーグで戦う上位チームが団結し、勝利を目指すフォーマットとなっている。「GPL vs LJL vs OPL」における英語圏などでの事前評は、5月に開催された国際大会「MSI」で強さを見せつけたチーム「GIGABYTE Marines(GAM)」を擁するGPL(東南アジア)がひとつ抜けており、LJL(日本)とOPL(オセアニア)の間で2位争いが起こるだろう、という予測だった。しかし予想は予想、予選ステージでは日本チームが大活躍。ここ1年ほど日本王者の座から遠ざかって2位の座を占めている「DetonatioN FocusMe」が的確なマクロプレイでGPLとOPLの2位チームを下し、国際大会出場経験はないものの試合序盤の強さに定評がある3位チーム「Unsold Stuff Gaming」も存分なプレイで他地域の3位チームから勝利をもぎ取った。昨年夏から日本王者の座をほしいままにし、国際大会での経験も豊富な選手を抱える「Rampage」は、初日こそオセアニアの1位チーム「Dire Wolves」に後れを取ったものの、最大の難関と見られていたGAMを下すことができた。こうして日本は2日目で終了した予選ステージを1位通過して4日目の決勝戦へと進出した。大会3日目に行われた準決勝ではオセアニアと東南アジアがBo5(3本先取)形式で激突。オセアニアが東南アジアの2・3位チームを下して先に2勝を獲得した背水の陣の状況にもかかわらず、東南アジア1位チームであるGAMが3連勝して底力を見せつけ、決勝への切符を手にした。
東南アジアvs日本となった決勝戦。前日には選手の一部が体調を崩しているという話も聞こえてきていたものの、第一対戦ではUSGがMineskiを相手に巧みなチームワークで勝利を獲得。第二対戦ではDFMがAscension Gamingを相手に細やかな試合運びで勝利した。この2勝で優勝に王手がかかった日本だが、第三対戦のRPG vs GAMではGAMが用いた奇抜なレーンスワップ戦術に惑わされてしまい、敗北を喫してしまう。MSIに参加していた旧ワイルドカード地域の中でもひとつ抜けていたチームを打ち負かすには、自分たちのゲームを展開することが大事だ。第三対戦と同じカードで迎えた第四対戦、RPGは序盤から有利を積み重ねて大きく育ったカミールによるスプリットプッシュ戦術を用い、みごと勝利。普段は日本のトップを争う3チームが協力しあい、初の国際大会の王冠を勝ち取ることとなった。日本語実況解説が入った今大会の試合録画は、公式YouTubeチャンネルで視聴が可能だ。
国際大会での初優勝に湧く日本コミュニティではあるが、この大会の優勝には一体どういう意味があるのだろうか。東南アジア・日本・オセアニアの3地域はプレイヤー人口が比較的小規模な地域だ。日本サーバーの人口はおそらく全世界のサーバーでは最小クラスであるが、e-Sportsに触れるプレイヤーの割合が高いことが知られている。今回の盛り上がりがプロチームやそのスポンサーに及ぼした影響はまちがいなくプラスといえるだろう。他方、Rift Rivalsでの順位は9月下旬から始まる世界大会「World Championship」には特に影響しない。MSIでの順位が世界大会に影響することを考えれば、Rift Rivalsの順位も何かしらの影響があってよいと思えるが、今年初の試みであることからそういったものは用意されていないようだ。今回の各地域での盛り上がりから、今後そういった要素が導入される可能性は十分あるだろう。
Rift Rivalsは夏スプリットの折り返し地点となり、出場しなかったチームには休暇あるいは練習期間となる。来週からは通常通りに地域リーグの試合が再開となる。国際大会で新たな経験を重ねたチームたちと、上を目指して国内で牙を研いだチームたち。世界大会へとつながる彼らのぶつかり合いも楽しみにしたい。