元Blizzardの業界ベテランたちが集うFrostkeep Studiosは3月13日、MMOファンタジー・サバイバル『Rend』を正式発表した。Frostkeep StudiosはJeremy Wood氏、Mat Milizia氏、Solomon Lee氏が2016年に設立したインディースタジオである。3人はBlizzardの『World of Warcraft』プロジェクトで出会い、その後Carbine StudiosにてMMO作品『WildStar』の開発を共にした。Milizia氏とLee氏は『WildStar』の開発後、Riot Gamesの『League of Legends』チームにも参加している。MMOとMOBAジャンルにおいて知見を深めた彼らが、サバイバル・ジャンルの刷新に挑戦する。
サバイバルゲームとはいっても、これまでの開発経験を活かし、『World of Warcraft』を筆頭としたMMORPGと似たアプローチで挑むという。例としてファクション制度、成長システム(スキル、パーク、タレント、ファクションの技術ツリー)、期間限定イベント、勝利条件などがリストアップされており、MMORPGとサバイバルゲームのミクスチャーを狙っていることが窺える。
また本作には通常のサバイバルゲームとは異なり、ファクション間の戦争に勝利するという明確な最終目的が存在する。さまざまなアクティビティにより拠点内にある「Divinity Stone」の力を溜め切るか、他ファクションの「Divinity Stone」を破壊することで勢力争いを制する。戦争が終われば、またフレッシュな状態から新しい戦争をはじめる。このあたりはMMORPGだけでなく、スタジオ創設者が携わった『League of Legends』からも影響を受けていそうだ。
ファクションはゲーム開始時に3つの中から選択。各プレイヤーはアサシン、ソルジャー、サバイバーといったタレントを自由に決め、自分なりの役割を見つけてエコシステムに参加・貢献していく。各タレントにはそれぞれ異なるスキルツリーが用意されるため、自分のプレイスタイルにあったキャラクターを作成できるだろう。なお戦争を前提とした遊び方を好まないプレイヤーも、プライベートサーバでゲーム設定を決めて自由にプレイできる。
ファクション間のレイド戦は、週に一度開催される「The Reckoning」というイベント中に行う。「The Reckoning」中は拠点を守る巨大シールドの効果が消えるため、PvPの総当たり戦に発展するほか、AIクリーチャーからの襲撃を受ける。イベント回数を重ねるごとにクリーチャーの勢力は強化されるため、攻めと守りの両方に備え、戦略を練る必要がある。
トレイラーではサバイバルゲームらしく肌着一枚でフィールドを駆け回る様子から、装備を整えて槍やボウガンでイノシシ・オオカミといった野生動物を狩り、さらには重装備状態で溶岩地帯・雪山にひそむ凶悪なクリーチャーと対峙するという一連の流れが描写されている。またMMORPGのように、頭上に「!」のクエストマークがついた霊体や、拠点防衛のためカタパルトを準備する様子も映っている。移動手段としては、野生動物の背中に乗ったり、ジェットパックを使って高速移動やスーパージャンプを披露する一面も。
もちろん、空腹度と喉の渇き、昼夜サイクル、リソース収集、クラフト、ベースビルディングといったサバイバルゲームの基本的なメカニックも組み込まれている。そうしたサバイバル要素を土台としながらも、RPGの成長要素とファクション戦争という明確なゴールを持ち込んだ本作は、硬直気味であるサバイバル・ジャンルの枠組みを拡張するきっかけとなるだろう。Blizzard風の低スペックPCフレンドリーなアートスタイルを採用していることも、コミュニティーの増加を後押ししそうだ。
『Rend』は2017年春にSteamでの早期アクセス販売を開始予定。6か月から12か月後の正式リリースを想定している。またプリ・アルファ版への参加応募は公式サイトの「SIGN UP FOR PRE-ALPHA!」にて受け付けている。