Edge Case Gamesは、3月2日に宇宙戦艦MOBA『Fractured Space』の大型アップデートを実施した。第3弾となる大型アップデート「Phase 3」は、プレイヤーの要望をもとにゲームルールの変更、HUDの改善をほどこすとともに、かねてから問題となっていた切断行為に対するペナルティを導入した。また、新規プレイヤーの継続率をあげるべく、報酬要素の強化、ソロゲーム限定で全戦艦を無料開放している。本稿は前バージョンの問題点を焦点に、アップデートの改善内容を紹介する。
ゲームルールの改定
宇宙戦艦は鈍重ゆえ戦線に到着するまで時間がかかり、移動だけというシーンがゲームテンポの鈍化を招いていた。新ルール「Conquest2.0」では戦闘の激化を意図した新要素を導入し、HUDも改良している。
まずアルファ、ベータセクターのフィールドを縮小された。戦艦の武器射程はそのままに、フロントステーションとマインステーションの距離が短くなり、交戦領域を相対的に拡大している。また、ホームジャンプ後の位置がホームステーション中央になり、ヘルス回復、レベルアップが即座に始まるようになった。
マインステーションのリソースも一新された。小惑星と往復するカーゴシップの撃破でリソースを奪取できる。戦線への移動中や味方艦の合流待ちでも、リソース破壊で敵への攻撃が可能となった。また、宇宙戦艦の性能評価にカーゴシップ対策という新しい概念をもたらしている。
他にもHUDへの改善がある。被弾時やヘルス低下時にインジケーターを導入し、既存のシューターと仕様を近づけた。画面左下にアーマー状況が表示され、交戦中のダメージコントロールが容易になっている。ガンマバトル中はガンマセクターへ参加する敵艦の数が表示され、みすみす各個撃破されることがなくなった。
新ルールの要点は次の3点だ。移動だけというシーンを減らし、既存のシューターとHUDをあわせ、ストラテジー部分の説明を直感的なものとした。既存プレイヤーにとって、そして新規プレイヤーにとってもポジティヴな変更である。
切断対策
戦艦選択時にプレイヤーが切断すると、マッチ不成立で再びマッチング待ちとなる。今まではチーム構成への不満表明としての切断が横行しており、試合が始まるまでの時間をいたずらに延ばしていた。今回のアップデート導入後は、切断プレイヤーにペナルティが課せられるようになる。マッチはそのまま続行しAIプレイヤーが代わりに参戦する。これにあわせAIプレイヤーのルーチンも改善した。切断プレイヤーは放棄したマッチが終わるまでゲームに参加できない。AIプレイヤーの参戦は最善の解決ではないが、切断プレイヤーへのペナルティを明確にし、切断を決行してしまう前に努力することを呼びかけている。
報酬要素の強化
前回の大型アップデートで、プレイフィールのカスタマイズとして導入された「インプラント」。これがPay to Winを助長するとフォーラムで懸念の声があがっていた。これに対し、ゲームのプレイ回数で有料要素おぎなえるよう、報酬の機会と種類を追加した。ログインボーナスは日めくり式で30種類。連続ログイン失敗のペナルティはない。22日目で重量級戦艦Leviathanが、30日目でクレジット+20%ブーストの専用スキンが入手できる。
インプラントとクルーがいわゆる「ガチャ」形式であり、無課金でフェアな競争を求めるプレイヤーから不満の声があがっていた。今回のアップデートで欲しいインプラントが直接購入できガチャ競争が緩和した。また、クルーはプレイ回数で成長し、以前ではガチャでしか入手できなかった強化版になる。日めくり式のログイン報酬と同様、目にみえる進捗をもってプレイ継続のモチベーションをつくる仕組みだ。
以上が大型アップデート「Phase 3」の要約だ。さらに詳しい情報を知りたい方はSteamフォーラムのアップデートノートを読まれたし。今回のアップデートは、プレイヤーからの要望が多い「戦艦選択のドラフト制」「ランクマッチ」導入の前に、ゲームの質を向上させるものと説明している。この目論見は、上記の問題点とその改善で紹介したとおりだ。ゲームがより激しく、なじみやすくなり、特異な移動速度とMOBA要素から感じる敷居は下がっている。新規プレイヤーのために具体的な継続報酬も設けられた。
さらに、これから始めるプレイヤーだけでなく、今は休んでいる艦長たちにもによい知らせがある。ソロゲームの全戦艦が無料で解放された。1人用なら無料でフルゲームというワケだ。AIプレイヤーのルーチンも強化されたので、実戦を通じて次の戦艦の購入を検討できるようになった。宇宙戦艦MOBA『Fractured Space』を再び手に取る機会にしてほしい。
過去記事:弊誌レビュー。前回アップデートの紹介。