今月の27日で発売1周年を迎える『Stardew Valley』。同作の開発者Eric Barone氏が公式ブログにて、これまでの道のりを振り返っている。『Stardew Valley』は初期の『牧場物語』シリーズを目指した牧場経営シミュレーションゲームだ。発売直後から好調なセールスを記録し、2か月足らずで100万本を売り上げた。その後も破竹の勢いを見せ、2016年のSteamトップセラーにおいては『DOOM』や『Tom Clancy’s Rainbow Six Siege』といった名だたるタイトルとともに、プラチナに次ぐ収益額をほこる「ゴールド」に名を連ねている。
ひとりで『Stardew Valley』を開発し、メガヒットを記録したことで輝かしい道を歩んでいるという印象が強いBarone氏であるが、開発時は必ずしも順風満帆というわけではなかったようだ。Barone氏は大学ではコンピューターサイエンスを専攻しており、2011年に卒業したものの、進路をうまく決めることができないまま数社の面接に落ち、最終的にシアトルの映画館にて働き始めた。この仕事と並行して自分のコンピュータースキルを磨くため、クラフトを扱うゲームの開発を始めたことが開発の始まりだったとPC Gamerのインタビューにて語っている。のちにこのクラフトゲームを、愛する『牧場物語』シリーズと融合させ、牧場経営ゲームとして『Stardew Valley』は形作られていった。この時代には『Stardew Valley』がXbox Live Arcade向けに開発されていたことは、ファンの間でも有名な話だろう。
2012年には、すでにゲームの骨子となる部分が完成し、タイトルは「Sprout Valley」という名前であった。2013年には海外メディアのインタビューを通じてリリースが近いことを示唆していたが、Barone氏は突如メディアの前から姿を消し、更新の報告も途絶えてしまう。こうした沈黙の期間を含んだ2012年から2016年の4年間は「ゲームを洗練させる時間」だったという。NPCの挙動を変え、グラフィックを描き直し、マップを拡大し、殺風景だった土地にコミュニティセンターを建設し、そしてそれらをまた変えるなど「作っては壊す」を繰り返していたようだ。公式ブログには2012年に開発していた際のスクリーンショットが大量に掲載されているので、気になる方はチェックしてみてほしい。
試行錯誤とテストプレイを重ね、Barone氏は最終的にゲームをリリースし、現在へといたる。氏は発売から1年が経過し、状況が大きく変化したことを「奇妙ではあるが幸せだ」と語っている。『Stardew Valley』に関して、多くの失敗を経験したが、それも勉強であったと語り、周囲の人々やゲームをプレイするファン、そしてコミュニティに対して感謝の気持ちを表している。
ちなみに現在Barone氏は『Stardew Valley』のさらなるコンテンツ拡張に取り組んでおり、コンソール機への移植や協力モードの追加は、パブリッシャーであるChucklefish Gamesが担当しているとのこと。現在おこなわれているベータ版の試運転が終われば、PC版に正式に日本語が搭載され、さらにはコンソール版の発売がされるなど国内でも『Stardew Valley』の熱はまだまだ冷めそうにない。Barone氏は2017年も『Stardew Valley』を通じて世界中のプレイヤーを笑顔にするのだろう。