Quiet Riverによる物理パズルシリーズの最新作『Zup! 4』が2月20日にリリースされた。対象プラットフォームはPC(Steam)。定価はこれまでのシリーズ作品と同じく98円。2月26日までのプロモーション期間中は15%オフの83円で購入できる。
前作『Zup! 3』のリリースからわずか1か月半。シリーズ1作目が昨年10月に登場してから、わずか4か月間で4作品という月次ペースで新作を世に送り出しているQuiet River。『Zup!』は驚異の実績数により注目を浴びてきたシリーズであり、前作の実績数は1708個にも及んだ。ゲームを起動してから終了するまで実績解除の通知が止まらない「実績解除ラッシュ」とでも呼ぶべき快感を与えてくれる作品なのだ。気になるシリーズ4作目では実績数555個とやや抑え気味だが、それでも『Zup! 2』(229個)の約2倍である。
パズルのルールは、ステージ上の「青玉」をゴール地点である「緑タイル」に着地させること。そのためにマウスでクリックすると爆発する「赤ブロック」と、爆風により吹き飛ばせる「黄色ブロック」をうまく利用する。またステージによっては一定のルートを移動する「緑ブロック」、マウスでクリックすると消える「白ブロック」が登場する。
本作より新しく導入されたギミックは、「青玉」が触れると徐々に消えていく「オレンジブロック」である。「青玉」が「オレンジブロック」の上で止まったら、「オレンジブロック」が消えるのを待ち、落下してきた「青玉」にタイミングよく「黄色ブロック」を当てるというのがパズルへの基本的な組み込み方である。これは新鮮なパズルを作るというよりも、「青玉」の落下タイミングを図りやすくする一つの解決法だろう。「青玉」の落下をじっくりと待つ、静かでゆったりとしたパズルが中心となっている。
それに対し、クリックひとつで大量の「赤ブロック」「黄色ブロック」が吹き飛んでいく爽快感狙いのステージは鳴りを潜めている。「緑ブロック」「白ブロック」という特殊なギミックの使用は最小限に抑えられ、また前作で登場した「青玉2つのステージ」に至っては一切登場しない。実績解除数のインフレーションやパズルの複雑化といった、シリーズ3作目で露わになりはじめた現象に歯止めをかけにきたのかもしれない。結果として「ミニマル」物理パズルという本作のキャッチフレーズに忠実なパズルゲームが出来上がっている。
実績解除の法則も4作目にして固まってきた気配がある。前作のようにステージ中の隠し文字をクリックして解除する実績はほぼなくなった。実績はステージ開始で4つ、ステージクリアで4つ。これだけで計528個。そこにメニュー画面のクリック、ステージ内の特定ブロック破壊、全ステージクリアといった実績が加わり、全部で555個と区切りのよい数字におさまっている。解除方法がわずらわしい実績は取り払っており、小気味よく実績解除通知が届き続ける。ステージ数も前作の77個から66個とボリュームを抑え、ちょうど30分ほどで全部の実績を取りきれるよう調節されている。
作品を重ねるごとにパズルが複雑になり、実績数がエスカレートしていくかのように思えた『Zup!』シリーズ。だがここにきて実績数、コンテンツ量、パズルの中身がコントロールされつつある。この軌道修正により、Quiet Riverは今後も安定した内容かつコンスタントに新作を送り出せるだろう。本作を息の長いシリーズにする上で『Zup! 4』は重要な役目を果たしたのだ。