世界中に1億人超の月間アクティブプレイヤーを抱えるオンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』。その開発運営元であるRiot Gamesが、新たにインドでのサービス展開を準備するべく、人材を確保しつつあることが明らかになった。
インドのテレビ局「New Delhi Television」が運営するニュースサイト「Gadgets 360」が報じたところによると、Riot GamesがインドのCountry Managerとして採用したのはAnurag Khurana氏。氏のLinkedinプロフィールにはすでに、2017年1月からの現職として「Country Manager (India) Riot Games」と記載されている。Khurana氏はインド各地で90年代よりさまざまなコンピューター通信事業の統括を行った後、99年からはさまざまなマルチプレイヤーオンラインゲーム事業を手がけている。2001年に自身が創立したゲーム会社「Paradox Studios」では20タイトル以上のオンラインゲーム開発を主導し、中でも『BattleDust: The Championship』はインド製PCゲームにおける最初期の作品として知られる。このような経歴を見ると、氏は現地のゲーム産業や市場状況に通じている人材であり、不思議な人選ではない。現時点ではこの役職任命についてRiot Gamesからの公式発表はなく、インドでのオフィス設置発表や他の人材募集も行われてはいない。
インド国内のe-Sportsとしては、以前から『CS:GO』の大会が開催され、複数のプロゲーミングチームが活動している。昨年にはNvidia Indiaが『Overwatch』の国内大会を立ち上げており、決して盛り上がりに欠けたり遅れたりしているわけではない。ただMOBAタイトルといえば『Dota2』が人気であり、『LoL』は2位とはいえど大きく水をあけられている。その要因はやはり国内にサーバーがないことであり、インドの『LoL』プレイヤーたちは北米・オセアニア・EUといった遠く離れた地域のサーバーでプレイするしかない状況だ。遠隔地にあるサーバーでのプレイはPing値が最低でも100を超えるため、快適なプレイからは程遠い。比較的近隣のサーバーとしてはGarenaが運営するシンガポールやマレーシアのサーバーが存在するが、インターネットプロバイダなどの回線状況によっては接続不能となるケースもあるようだ。インド地域への新サーバー設置計画が動き出せば、インド在住の『LoL』プレイヤーにとってはこれ以上ない福音となるだろう。
2009年に北米サーバーで『LoL』というゲームが始まってから、2016年3月に日本サーバーが設置されるまで、Riot Gamesは世界中のさまざまな地域で『LoL』のサービスを展開してきた。現在サーバーが設置されている地域ではそれぞれのプロリーグも展開されており、どの地域からも世界大会への道は開かれている。中国に次ぐ世界第2位の人口を抱えるインドは、ソフトウェア産業で大きな存在感を誇る国でもある。英語を理解する人口も多いことから、もともとが英語圏のゲームである『LoL』も、ある程度のサービス展開は容易なのではないだろうか。とはいえ地域の宗教・文化的な習慣からゲーム内容に制限がかかることもある。インドでの『LoL』サービスがどのようなものになるのか、今後の展開に期待したい。
【UPDATE 2017/2/17 20:50】 当初「世界中に10億人超の月間アクティブプレイヤーを抱える」と表記しておりましたが、正しくは「1億人超」でした。お詫びして訂正申しあげます。