ネズミの大群を率いる2D横スクロール型RTS『Kings under the hill』が2月1日に正式リリースされた。本作はIlya Gubin氏によるGameMaker Studio製の個人開発タイトルである。対象プラットフォームはPC(Steam)。定価は98円で、2月9日までのプロモーション期間中は26%オフの73円となっている。
プレイヤーはネズミの王様として子分ネズミの指揮を取り、敵対するコロニーのネズミ王を倒すことが勝利条件となる。反対に自軍の王様が倒されると負けである。自軍と敵軍の本拠地はランダム生成される横スクロール型マップの両端にあり、倉庫や兵舎といった建物の配置は一定の範囲内でのみ可能となっている。両軍の間に広がる地下空間には資源保管庫が点在しており、鉄や金といった資源が手に入る。穴を掘ったりハシゴをかけることで労働ネズミが敵軍に攻撃されることなく資源を運べるようルートを確保する。ときには壁を建てることで敵軍の進行を防ぐことも戦略のひとつだ。
資源の種類は食料・金・鉄・木材・皮革・骨の6種類。採掘した分だけでなく、時間の経過とともに一定量が自動で追加される。足りない資源は特注品に指定しておけば通常よりも多く手に入る。集めた資源は戦闘ユニットの装備品を製造するために消費される。ただし装備品の材料として使うには、まず資源を加工しなくてはならない。そこで資源の種類に応じた加工場を建築し、労働ネズミに加工させる。在庫のあふれた材料は、足りない材料とトレードすることで全体的な在庫バランスを整えることができる。
このように労働ネズミの仕事は採掘、建築、加工作業の3つがメインとなる。材料の準備ができたら兵舎を建てて軍備を整えよう。戦闘ユニットには体力、攻撃力、素早さ、命中率といったステータスがあり、近接武器、遠距離武器、鎧、盾を装備させることで能力を上げられる。こん棒や木製ヤリよりも鉄製の武器・防具の方が材料の消費量が多い。敵軍よりも早く資源・材料の供給を安定させ、兵士の装備を揃えることが勝利への鍵となる。
戦闘ユニットは自前で揃えるほか、金で傭兵を雇うことも可能だ。また同じ戦闘ユニットでも敵陣への突撃兵と、固定のスポットを守る防衛兵とで役割が異なる。防衛兵は配置したい場所にフラッグを立てることで自動的に移動を開始する。突撃兵は分隊単位で行動しており、手動で移動させるか、「本拠地に戻る」「敵本拠地のもとへ一直線」「突撃」「ニュートラル」という4種類の指示を出すことで動かせる。分隊の一部が倒れた際は増援を呼ぶことも可能だ。
内政と分隊への指示出しを並行する様子は極めてRTSらしい。ただ本作にはチュートリアルがなく、建物や資源の説明文も最低限の内容にとどまっている。キーボードのF1でヘルプが表示されるものの、建物の役割や分隊の操作方法は詳しく記載されていない。かなりの部分を手探りで覚えることになる。
『Kings under the hill』は定価98円という価格から想像できるようにコンパクトなゲームである。ルールは小規模戦の「Skirmish」のみ。難易度設定の項目はない。一度ゲームの仕組みを把握してしまえば、呆気なく勝てるようになる。とはいえベーシックなRTS要素は押さえているため、特徴的なビジュアル、そして鎧をまとったネズミが地下世界で戦争を起こすという設定に惹かれた方は手にとってみても損はないだろう。