10秒間だけ火を灯すことができるロウソクが暗く美しい世界を旅する『Candleman』Xbox One先行で国内発売決定
Spotlightor Interactiveは1月4日、3Dアクション・アドベンチャーゲーム『Candleman』をXbox One向けに2017年前半に発売するとプレスリリースを通じて発表した。同スタジオは中国・北京に拠点を置くインディースタジオで、本作は中国本土では昨年11月に発売されていたが、今回全世界での発売が決まった。
本作の主人公は光を求めて暗闇の世界を旅するロウソクのキャラクターだ(日本語版のゲーム内では「キャンドルちゃん」と呼ばれている)。燭台に足が生えたような姿をしており、走ったりジャンプしたりすることができる。ステージとなる世界には植物が生い茂る水の豊かな森や、パイプが張り巡らされ炎や蒸気が吹き出す船の中、あるいは大きな石の歯車が動いている古代遺跡のような場所などさまざまな環境が存在する。全体的に暗いステージが多く、場面によっては本当に真っ暗闇になってどちらへ進めば良いのかわからなくなるほどだ。そんな時はロウソクである自らに火を灯すことで周囲を照らすことができる。
ロウソクに火を灯すのは足元を照らすためだけではない。この世界には光に反応するものが数多く存在し、たとえば火を灯すと先へ進むための足場が現れたり、行く先を邪魔するトゲのついた花が開いたり、また幽霊のような敵を追い払うこともできる。そうやってステージを注意深く進み、まばゆい光が集まっている場所まで到達できればステージクリアとなる。
しかし、むやみやたらと火を灯すわけにはいかない。ロウソクである以上、火を灯すと同時にロウが消費されていくからだ。1ステージ内で火を灯すことができるのは合計10秒間だけ。ロウをすべて燃やし切ってしまうと力尽きてゲームオーバーとなる。そのため、火を灯すことを必要最小限にとどめるゲームプレイが求められる。ただしロウが減ってロウソクが短くなるとその分体重が軽くなるため、より高くジャンプできる。ステージの攻略にはそういった要素も考慮しなければならない。
本作は2013年に開催されたゲームジャムイベントLudum Dare 27への出品作を元に発展させて開発された。そのイベントで提示されたテーマは「10 seconds(10秒)」。10秒間だけロウソクに火を灯すことができるという本作のキーポイントは、この時のテーマ設定から生まれたものだ。
『Candleman』は2017年前半の発売と発表されたが、開発元Spotlightor Interactiveの共同設立者であり本作のプロデューサー/ゲームデザイナーを務める高鸣(Gao Ming)氏に確認したところ、何か月も先ということはなく早い時期に発売されるそうだ。また日本語版について先に少し触れたが、国内Xbox One向けにも発売する予定であることも氏から確認できた。
そのほかのプラットフォームでの展開についてもうかがったところ、Xbox One版の独占期間は6か月間に設定されており、その後でPlayStation 4とPC(Steam)向けに移植して発売することを計画しているという。また、今年3月に発売予定のNintendo Switch向けの発売についても検討しているそうで、Gao氏は「私は任天堂ファンなので」と語っていた。
冒頭で述べたとおり、本作は中国発のインディーゲームだ。中国本土では長らく国外メーカーのゲームコンソールの販売が政府によって禁じられていたが、2014年に解禁されると同時にマイクロソフトやソニーが進出している。そして中国国内のインディースタジオの発掘がおこなわれるようになり、マイクロソフトは日本を含め世界中で展開しているインディー支援プログラムID@Xboxを中国国内でも開始した。今回紹介した『Candleman』もID@Xboxを通じて開発されたタイトルのひとつだ。前出のGao氏に中国でのID@Xboxからのサポートや、その経験についてうかがったところ次のように話してくれた。
「ID@Xboxのおかげで私たちは開発キットを無料で入手することができましたし、マイクロソフトに提出したゲームの認証プロセスにも費用は一切かかりませんでした。また開発者向けのトレーニングや技術的なサポートを受けることもできます。そしてなにより、大きなゲームショウなどへの出展をサポートしてくれたことはとても重要なことでした。世界中で開発されている300本以上のID@Xboxタイトルの中から出展ラインナップのひとつとして選んでもらうことは簡単ではありませんでしたが、GDC 2016やPAX West 2016で『Candleman』を披露することができたのは、私たちのような名もないインディースタジオを知ってもらうことができる最高の機会になりました。
彼らと仕事をするようになる前は、私は別にXboxのファンではありませんでしたしID@Xboxプログラムのこともよく知りませんでした。しかしそれから1年が経った今では、ID@Xboxのことをとても気に入っていると断言できます。Xboxプラットフォームがインディーゲームをサポートしていることを明確に感じることができるからです。将来機会があれば、また彼らと仕事をすることがあるかもしれませんね。」