顔を失ったツインテール男子の暗い過去。個人開発ミステリーアドベンチャー『Sally Face』エピソード1配信
補装具を被った青髪ツインテール男子を操作する個人開発タイトル『Sally Face』のエピソード1が12月15日に配信された。対象プラットフォームはWindows/Mac/Linux。Steam/itch.io/gamejoltにて発売中である。Steamではエピソード1が定価298円、シーズンパスが定価1180円となっている。
『Sally Face』は米国のゲーム開発者Steve Gabry氏がUnityエンジンを用いて開発しているアドベンチャーゲームであり、全部で5つのエピソードが配信される予定である。各エピソードはGabry氏が影響を受けた「Hey Arnold」や「Doug」といった90年代米国のカートゥーン番組を意識した約1時間の長さで終わる。今回配信されたエピソード1は物語の序章として機能しており、核心に迫るようなミステリーについては今後のエピソードで描かれる。
主人公Sallyは幼少期に起きた事件をきっかけに補装具のマスクを被って生活するようになった。奇妙な出で立ちではあるが、自ら進んで「Sally Face」と名乗ることで苛められることを回避している。なかなかに知恵の働く少年である。「男の子だからってツインテールにしてはいけないなんて決まりはない」と言うように既成観念に捉われない発想力の持ち主でもある。もちろん大きなミスリードを狙っている可能性はあるが。
エピソード1では少年期に経験した奇妙な出来事と悪夢が、大人になったSallyの回想として描かれる。回想の中のSallyは幼少期に母親を亡くし、暗い過去から逃れるように父親と共に別の街へと引っ越してきたばかり。Sallyの新しい住処となるのは築100年を超える小さなアパートメントの402号室。入居前日にはお隣の403号室で殺人事件が起きたようで、ドアには警察の立ち入り禁止テープが貼られている。
不穏な新生活を予期させるのは殺人事件だけではない。挨拶回りの途中で出会うアパートの住人が奇妙な面々ばかりなのである。ドアポストからでないと話してくれないアパートの大家、誰も住んでいないはずの部屋で遭遇する浮浪者、ぬいぐるみやフィギュアを収集する不潔な男、そして地下室にこもりメタル音楽を鳴らすLarry少年。彼らと話すうちにアパートにまつわる不吉な噂を耳にしていく。Larry少年に至っては403号室で起きた事件の真相を知っていると言うが、はたして真実はいかに。
なお母親の死を巡る謎、カウンセリングを受ける主人公、ダークな2Dアニメーションなど、一部に『Fran Bow』との類似性が見られるが、Gabry氏のツイート内容から『Fran Bow』はプレイしておらず、直接影響を受けているわけではないようだ。
本作はポイント&クリック形式ではなく、キーボードのWASDまたはコントローラの方向キーで移動する。アドベンチャーゲームらしいアイテムを使ったパズルもあるが、いずれもシンプルな仕掛けとなっている。あくまでSallyの物語を語る方に重点をおいているようだ。隠し要素も用意されており、アパート内を隈なく探すとちょっとしたサプライズがある。
エピソード1には今後の展開に関わるであろう伏線がいくつか張られており、最後には意外な展開が待っている。2017年に予定しているエピソード2の配信を楽しみに待ちたい。