『シェンムーIII』PC版の予約販売が本日スタート、メインシナリオはほぼ完成済みで本制作へ移行中

『シェンムーIII』を手がけるYs Netは15日、同作PC版の予約販売を開始したことを、公式サイトにて発表した。先行予約はクレジットカードまたはPayPalによる出資形式で専用ページから申し込める。デジタルダウンロード版、パッケージ版いずれも2017年12月の発売予定。

『シェンムーIII』を手がけるYs Netは15日、同作PC版の予約販売を開始したことを、公式サイトにて発表した。先行予約はクレジットカードまたはPayPalによる出資形式で専用ページから申し込める。価格はデジタルダウンロード版が29ドル、パッケージ版が60ドル(加えて送料10ドル)で、いずれも2017年12月の発売予定。この予約販売の売上は、これまでのクラウドファンディング調達金額に計上され、ストレッチゴールの内容追加にも反映される。なお、2017年夏期に実施されるアンケートにてPC用とPlayStation 4用のいずれかを選べる。すでにPlayStation 4版を予約購入していたユーザーでも、後からPC版へ変更することが可能だ。

 

開発状況はいよいよ本制作の段階へ

『シェンムー』は、1999年にセガ(現セガゲームス)からドリームキャスト向けに発売されたアクションアドベンチャーゲーム(ジャンルの正式名称はFull Reactive Eyes Entertainment、通称FREE)。『バーチャファイター』シリーズで社会現象を巻き起こした鈴木裕氏が総監督を務め、ハリウッドをはじめとした多種多様な業界から人材を起用した空前絶後のプロジェクトとして、一世を風靡(ふうび)した。特にオープンワールドの先駆けともいえる斬新かつ能動的なゲームデザインが海外で高く評価され、業界の権威「The Academy of Interactive Arts & Sciences」から、「2000年の最も革新的なゲーム」に選ばれた。また、開発費用に当時としては世界最高額の70億円を投じたことで、ギネス世界記録に登録されたこともある。

ストーリーは全11章の長編シナリオで構成されており、2001年には6章までを描いた続編『シェンムーII』が発売された。しかし、その後は業績不振等の様々な事情が重なり開発継続を断念。シリーズは未完に終わっていた。そんな中、昨年の「E3 2015」にて、かねてより続編の制作を希望していた鈴木氏が、Kickstarterによるクラウドファンディングを発表。キャンペーン開始わずか半日で初期目標額を大幅に超える資金調達に成功し、『シェンムーIII』の開発が正式に決定した。対応プラットフォームはPlayStation 4とPCの予定で、2017年12月の発売を目指している。ちなみに、主人公「芭月涼」の声は日米版ともに、過去シリーズに出演した松風雅也さんとコーリー・マーシャルさんが担当する。先日には、制作メンバーにアニメーション監督の増田俊彦氏が加わったことや、1作目と2作目でサブディレクターを務めた岡安啓司氏が続投することが伝えられた。

新たに披露されたバトルシーンのイメージ
新たに披露されたバトルシーンのイメージ

現在の開発状況については、各ゲーム要素の研究開発が順調に進んでおり、徐々に本制作段階へ移行しつつあるとのこと。すでにメインシナリオはほぼ完成し、出演俳優や声優陣によるモーションキャプチャーおよびボイスレコーディングのテストを進めているという。イベントシーンやミニゲームをスタッフ一同が楽しみながら開発している現状に、「ゲーム作りに没頭して、良く開発事務所に泊まるようになって来ました。寝ても覚めてもシェンムー一色になって来ました」と、鈴木氏はコメントしている。なお、『シェンムーIII』の開発プロジェクトには、記事執筆時点で7万3151人のサポーターから、666万7591ドルの出資金が集まっている。公式サイトには1100万ドルまでのストレッチゴール内容が提示されており、今後さらなる支援が期待される。

Ritsuko Kawai
Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

記事本文: 312