節約家のためのSteamオータムセール2016、おすすめ8タイトルすべて購入しても1000円未満
SteamではPCゲーマーのブラックフライデー「オータムセール」が開催されている。セールの主役は新作だけではないということで、AUTOMATONでは新作旧作かかわらず各ライターが選別したおすすめタイトルをこちらとこちらの記事で紹介した。
大型セールが開催されるたびに、あまりPCでゲームをしない友人からおすすめを教えてほしいと言われるのだが、今回は「1000円以内で」という条件が付いた。そこで今回は、低価格でしっかり遊べ、すべて購入しても1000円未満という縛りで8タイトルを紹介する。
49円(98円、50%オフ、日本語なし)
もしもあなたの子供のころの愛読書が恐竜図鑑だったなら、『ORION: Prelude』は夢を叶えてくれるかもしれない。本作はWAVE形式のFPSで、図鑑で見たことがある恐竜たちの襲撃を、仲間と協力しながらはねのけることが目的である。一人でもBotとチームを組んで遊べるが、オンラインマルチプレイのほうが圧倒的に楽しい。
仲間との一体感があるようでないような大味さが、真面目に遊ぶことに飽きてしまった人にぴったりだ。日本語には対応していないが言葉なんて必要ない。目の前に恐竜がいれば撃てばいい。車両があれば遠慮なく乗ればいい。サーバーもプレイヤー数も少ないのだからすぐに打ち解けあえるはずだ。
196円(980円、80%オフ、日本語あり)
『Day of Defeat: Source』は第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台とするFPS。チームはアメリカ軍とドイツ軍に分かれており、プレイヤーは国と兵科を選んで戦場に立ち、チームメイトの罵声をあびながら勝利を目指す。
本作は初心者には優しくない。発売から6年ほど経過しているので、戦場で待ち構えているのは腕の立つプレイヤーばかりだからだ。初心者のうちはどんなに周囲に注意を払って移動してもヘッドショットを受けて即死してしまう。チームメイトからの罵声だけでなく、酔っぱらったプレイヤーの奇声が聞こえてきたり、小学生くらいの男の子が覚えたてのFワードを連呼するなど、ゲームのむつかしさ以外にも精神的に追い込まれる要素がある。自分が遊んでいるFPSがなまぬるいと感じているのであれば、いざ戦場へ。
プレイヤー数が多く日本からの接続でもPingが低めなのはEdgeGamers Organizatio(EGO)が運営するサーバーだろう。サーバー名の頭には「=(eGO)=」と書かれている。
24円(98円、76%オフ、日本語あり)
本作は『パズルボブル』風のパズルゲームだ。ルールは単純で、上からせまってくるバブルを全部消すこと。同じ色のバブルを3個つなげれば消える。3Dなので、アビリティを使えばテーブル上のバブルを飛び越えて自分のバブルを配置することもできる。見た目はよくないかもしれないが、いかにして最少のバブル発射数でクリアするかを目指すとなると意外と頭を使う。
『Intergalactic Bubbles』の最大の魅力は、Steamレビューにもあるとおり、バブルがぶらさがったときに左右に揺れる演出である。ぶらぶらと揺れるバブルが運よく別のバブルと連鎖を起こすと、なんともいえない興奮の波が押し寄せてくる。このぶらぶらがクセになるので、「あと5分だけのつもりだったで賞」は『Intergalactic Bubbles』に決まりだろう。
249円(498円、50%オフ、日本語なし)
高い中毒性からあまりにも有名であり、逆に紹介される機会がなくなってしまった『Bejeweled 3』を、あえて今おすすめしたい。1作目はマッチ3ゲームの元祖と言われており、世界中で多くの人に愛されているシリーズである。ひしめく宝石を隣と入れ替え、同じ色が3つ以上つながれば砕けてスコアが加算される。4つ以上なら特殊な宝石が出現し、連鎖を起こしやすくなる。
『Bejeweled 3』の魅力は連鎖時の派手さだが、『Unreal Tournament』を思い起こさせる声の演出(モモモモモモンスターキル的な声)がプレイヤーの気分をより高揚させる。手詰まりありの「Classic」、制限時間内にハイスコアを目指す「Lightning」に疲れたら、これといった制限もなくマイペースで遊べる「Zen」をプレイするといいだろう。また「Quest」を進めていけば新たなゲームモードがアンロックされるなど、やりこみ要素も豊富。
99円(498円、80%オフ、日本語あり)
『Original War』はRTS&RPG。日本語にも対応している。キャンペーンモードではプレイヤーはアメリカ軍かロシア軍のどちらかを選択でき、謎の鉱物「シベライト」を破壊しようとするアラブからも領土を守らなければならない。2001年に発売されたゲームだからなのか全体的にテンポが遅くストレスに感じる部分もあるのだが、ストーリー分岐があるなど物語には力が入っており、「ここで何が起きているんだ?」とプレイヤーを引き込んでいく展開は、2016年の今でも楽しめる。
本作に登場するキャラクターは、とにかくよくしゃべる。さらに会話の内容は抜けた感じが強く危機感があまりない。また、キャラクターの顔にも覇気がなく、アメリカ軍の主人公(ジョン・マクミラン中尉)ですら頼りない表情。しかし、ユーモア中心のゲームと思わせておいて難度は低くない。物語を進めていけば指揮を取るユニットの数も増え、ユーモア以外の面白さが見えてくる。ボリュームを気にしなければ、日本語に対応しており低価格で購入できるRTSとしては優れたタイトルだといえる。
101円(298円、66%オフ、日本語なし)
『Super Hexagon』も知名度が高く、誰でも持っていると思われているからか、いまさら紹介されることはない。なのであえておすすめする。『Super Hexagon』は、ぐるぐる回転する多角形に接触せずにどれだけ長く生き延びることができるか、自身の集中力の限界に挑戦するゲームである。プレイヤーが最初に挑むステージの難易度が「Hard」ということで、とにかくむつかしい。笑っちゃうほどむつかしい。
初回プレイ時はクリア不可能だと感じるだろう。しかし、じつは攻略要素があり、トライアル&エラーを繰り返せば60秒の壁は突破できるようになるので……と偉そうなことを言いたいけれど、じつのところわたしのPC版『Super Hexagon』HARDの最高タイムは64.54秒だ。60秒を超えた瞬間の興奮は、ほかのゲームではなかなか味わえないものだし、Chipzelのチップチューンも頭から離れない。未プレイの方はこの機会にぜひ。ちなみに夜中に長時間プレイすると、ベッドに横たわって目を閉じたときに回転する多角形が見えるので注意。
174円(698円、75%オフ、日本語あり)
『King’s Bounty』はSRPGで、『Heroes of Might & Magic』のもととも言われておりよく似ている。おもに探索をおこなうフィールドマップと、ターン制の戦闘、ユニットには兵士数があり、ヒーローユニットは戦場に登場せず特殊なアビリティを使用できるなど、『HoMM』シリーズをプレイしていればすんなり遊べるのではないだろうか。
ストーリーも凝っているが、本作の魅力はターン制の戦闘だろう。戦術を考えて戦わなければ、序盤であっても全滅してしまう。また結婚システムもあり、子供だって生まれる。親切すぎるRPGに慣れてしまっていると、「クエストの目的地はどこ?」とか「敵が強すぎて勝てない」とか、戸惑うことがあるかもしれない。ただ、古いゲームは試行錯誤をしながら遊ぶことが楽しかったりするので、できれば時間をかけて遊んでいただきたい。
98円(980円、90%オフ、日本語なし)
『This War of Mine』を手がけた11 bit studiosのデビュー作『Anomaly: Warzone Earth』は逆タワーディフェンス、タワーオフェンスである。通常ならプレイヤーサイドがタワーを建てて敵を迎え撃つのだが、逆に本作はタワーを破壊して目的地へ向かって進んでいく。
いつもと逆ではあるが特別むつかしいことはなく、お金を集めてユニットを増やしたり、アップグレードをおこなったりする点は、慣れ親しんだタワーディフェンスの感覚で遊べる。本作には主人公ユニットが登場し、プレイヤーは彼を操作して攻撃ユニットのサポートをおこなう。ダメージを負ったユニットを修理したり、危険度が高いルートに侵入してしまわぬよう進行ルートを変更したりと、難度が上がるにつれマウスさばきが忙しくなる。
通常とは逆というコンセプトは『This War of Mine』にも共通する部分があるだろう。タワーディフェンス好きであればぜひ一度は遊んでほしいタイトルである。