株式会社フロム・ソフトウェアは、Game for Windows LIVE(以下、GfWL)の終了に伴いオンラインサービスが停止していたアクションRPG『DARK SOULS with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION』について、Steamへと移行しサービスを再開すると発表した。Steamストアでのデジタル販売の再開も予定されているとのこと。時期は未定となっている。
すでにGfWL版を所有しているユーザーは、そのプロダクトコードをSteam上でアクティベーションすることで、無償でSteam版を入手することができる。ただしGfWLのサービスが終了しているため、セーブデータの引き継ぎは不可とされている。
『Dark Souls』のPC版はファンの声に応える形で北米・欧州にて「Prepare to Die Edition」として2012年8月にリリースされ、国内でも「ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION」の名で2012年10月に発売された。国内外のバージョンにはかつてMicrosoftが提供していたオンラインゲームサービスGfWLが組み込まれていたが、同サービスは2014年に廃止。海外版はSteam Worksへと移行しプレイを継続することができたが、国内版は特に手を加えられず、公式サイトでは「本作でのオンラインプレイはできません。また、インストールおよび認証はできません」と伝えられていた。Steamでは国内から海外版が購入できない、いわゆる“おま国状態”だったため、国内でPC版『Dark Souls』をプレイするには「すでにGfWL版をインストールしたマシンを用意する」以外は不可能な状況だった。
※注釈: GfWLの仕様として、ゲームをアクティベートする際にはオンラインサーバー上での認証が必要となる。しかしGfWLはすでにサービスが終了しているため、パッケージ版を購入したとしても現在はオンライン認証をすることができない。
しかし「Change」にて今年4月、日本人の有志によるSteam Works版『Dark Souls』の国内販売を願う署名活動がスタート。国内PC版『Dark Souls』の復活を訴え、500人以上から署名を集めていた。10月には公式サポートから回答を受け、意見書が宮崎英高氏や経営陣に提出されたことを伝えられたという。次の回答は2017年1月中とされていたようだが、その前にフロム・ソフトウェアがおおやけに動いた形となる。
フロム・ソフトウェアは今回の発表に際し、「この度は、Games for Windows LIVEサービスの終了から新たなサービスでの継続までにお時間が掛かり誠にご迷惑をおかけいたしました。」と伝えており、この署名活動がなんらかの影響を与えたことはほぼ間違いないだろう。さまざまな問題により国内からPC版が入手できないといったパターンはよく見かけるが、日本の企業がそれを改善してくれた一例となった。
なお初代『Dark Souls』のPC版といえば、解像度1024×720や30fps固定といった仕様がファンから大きな批判を浴び、発売直後に「Durante」と呼ばれるユーザーがそれらを改善するModを公開したことでも話題となった。一方でフロム・ソフトウェアはこの騒動をかえりみてか、『Dark Souls 2』以降はより最適化された状態でプレイできるようPC版にも力を入れて取り組んでいる。