「圧倒的に好評」SF終末世界ADV『1000xRESIST』、10万本売り上げていた。クローンが“親”の嘘に迫る、時空を超える物語

sunset visitorは『1000xRESIST』について10万本の売上を達成したと報告した。

デベロッパーのsunset visitor(斜陽過客)は5月2日、『1000xRESIST』がピーボディ賞の部門賞を獲得したと発表。あわせて本作が現時点で10万本の売上を達成していたことも報告された。

『1000xRESIST』は物語重視のSFアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo Switch。舞台となるのは、人類がほぼ絶滅した1000年後の地球だ。作中世界では2040年ごろ、地球にエイリアンが襲来。「Occupants(占有者)」と名づけられたそのエイリアンたちは地球に致死性の伝染病を持ち込んだ。人類は伝染病により死滅するが、アイリスという名の少女のみ免疫をもっており、彼女はひとり生き残ることになる。そうして1000年後、地上を占有者が支配するなかで、不老不死となったアイリスは自らのクローンを量産。地下にthe Orchard(果樹園)と呼ばれる社会を建設し、「全能の神」として地下世界に君臨していた。

プレイヤーはウォッチャーと呼ばれるクローンのうちのひとりとして地下世界で生きる。しかしその最中、クローン姉妹のフィクサーより「アイリスに騙されている」との事実を告げられる。フィクサー処刑後も疑念を持ち続けたままの主人公はアイリスの記憶を探り、1000年前の真実を探ることになる。

本作は2024年5月10日にSteamに向けてリリース。その後2024年10月にはNintendo Switchに向けてもリリースされた。本作は重厚なSF世界における舞台設定が好評。本作では、物語内で絶え間なく時系列や視点、場面が入れ替わりつつ綴られる。こうした複雑ながらも、それぞれの要素が次第に収束していくゲームの演出も含め、ナラティブ面が好評を獲得している。

また本作には、アドベンチャーゲームの形式を活かし、さまざまな話題についてプレイヤーの選択を要求する場面もある。現代の社会問題もなぞらえたストーリー・舞台設定が採用されていることもあり、そうした選択肢をプレイヤーが没入して考えさせられる点も評価を受けている。そうした各種演出、ストーリー面のクオリティなどもあり、本稿執筆時点ではSteamユーザーレビューにて約3300件中97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。

本作公式およびピーボディ賞審査委員会は今回、『1000xRESIST』がピーボディ賞のイマーシブ&インタラクティブ賞を獲得したと発表した。ピーボディ賞とはジョージ・フォスター・ピーボディ賞の通称で、優れたテレビ/ラジオ/Web媒体の作品に贈られる賞だ。1941年に創設されており、米放送界のピューリッツァー賞とも呼ばれている。そんな賞の部門賞を『1000xRESIST』が獲得したわけだ。

加えてプレスリリースでは、本作が5月時点で10万本の売上を突破したことも明かされている。先述の通り本作は2024年5月10日にリリースされており、約1年での大台突破となったかたちだ。sunset visitorはピーボディ賞受賞を記念し、これまでの『1000xRESIST』を振り返る配信や、本作中のピアノ楽譜を収録した「1000xRESIST: Piano Book Vol. 2 DLC」のリリースなどをあわせて発表した。

なおsunset visitorからは、5月15日に新たな発表がおこなわれるとも伝えられている。初となるゲーム作品が大ヒットした同スタジオからの新発表とのことで、新作への期待も高まるところだ。

『1000xRESIST』はPC(Steam)/Nintendo Switch向けに販売中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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