ゲーム業界、「未経験から入る」にはどういう職種がおすすめ?ゲーム専門転職エージェントに訊いた【ミニインタビュー】

国内だけでもさまざまな企業が存在するゲーム業界。そんなゲーム業界での転職について、ゲーム人材の紹介・派遣サービスで数多く実績を誇るIMAGICA GEEQに気になる質問をさまざまぶつけていく。

国内だけでもさまざまな企業が存在するゲーム業界。専門的な知識・スキルを求められる業界でもあり、企業や職種によって活かせるスキルもまちまち。一般的な転職ノウハウがしっくりこない傾向もあるだろう。

弊誌はそんなゲーム業界での転職について、ゲーム人材の紹介・派遣サービスで数多く実績を誇るIMAGICA GEEQに気になる質問をさまざまぶつけていく。実績ある同社から得られた回答を連載で紹介していこう。本稿はその第2回だ(第1回はこちら)。

IMAGICA GEEQは、ゲーム制作のEtoEサービスを掲げ東京・大阪・新潟などに拠点を置く一方、全国でゲーム転職サービスを展開する企業だ。同社は4月19日と23日よりゲームクリエイターキャリア相談会@関西ゲーム企業を展開予定。オンライン開催となる。開催2日前まで応募を受け付けている。

第2回となる本稿では、「これからゲーム業界を目指す未経験者に、どのような職種を選ぶのがおすすめなのか」を同社エージェント部のマネージャー・菅原芳樹氏に伺った。未経験の道のりはやや険しいという前提はありつつ、そうした上でなんとかしてゲーム業界に潜り込みたい人は参考にしてほしい。

Q.
未経験でこれからゲーム業界を目指す人から、「ゲーム業界に入って活躍したい」と相談された場合、人材エージェントとしてどのような職種をおすすめしますか?

A.
同じ未経験からのチャレンジであっても「新卒」「既卒」で異なるのが実態です。なので、それぞれ分けてお話しさせていただきますね。


新卒向けのおすすめ職種は

まず新卒の場合ですが、基本的には自分の「やりたいこと」を明確にし、それを目指すために在学中に取り組んだこと、希望する職種との親和性などをアピールしながら求人に応募することをおすすめします。ただ、はじめから職種を絞りすぎないことも重要です。

たとえば、大学や専門学校等でデザインを学んだ方が目指すキャリアとしてはデザイナーが一般的だと思いますが、私の経験上、コミュニケーション力が高い方であれば、「デザインに知見があるプロジェクトマネージャー(以下PM)」を目指す道もあると思います。

また、テクニカルな分野に興味があれば、第1回でも触れた「テクニカルアーティスト(TA)」を目指すのも面白いと思いますし、学生の段階でエフェクトやライティングを専門にしたいという方であれば、希少性が高く採用の可能性が広がるのでおすすめです。

一方で、学んできたことと希望職種がイマイチ合致しない、とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。その場合も、「自身が学んだこと × それを活かせる可能性」を考えていただければ、視野が広がると思います。たとえば、都市工学などを学んだ方であれば、ゲーム内のマップデザインや仕様を策定していくレベルデザイナーなどにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

いろいろな経験がゲーム開発で活かせるようになっていますので、さまざまな専門分野を学ばれた方々がゲーム業界に参画すると、業界全体がさらに盛り上がっていくのではないかと思います。学んだ分野がゲームと直接関係ないからと諦めず、ゲームが好きならぜひチャレンジしていただきたいですね。


既卒向けのおすすめ職種は

2025年2月現在、既卒は採用ハードルが非常に高く、専門性の高い職種はかなり狭き門になっています。ただ、異業界からのチャレンジという点においては、いくつか可能性はあると思います。

たとえばPM職。IT、映像、アニメなどのデジタル分野で中規模程度の開発・制作管理の経験をお持ちの場合、転職に成功しているケースがあります。また、技術職(デザイナー、エンジニアなど)でも転職例はあり、具体的には以下があります:

  • 「フルCG映像制作」から「モデラー」「ゲームカットシーン制作」「VFX」「リガー」「ライティング」
  • 「映像系CGプラグイン開発」から「TA(テクニカルアーティスト)」
  • 「他業界の大規模サーバーサイドエンジニア」から「ゲームサーバーサイドエンジニア」
  • 「アニメ制作」から「ゲーム2DCGデザイナー・イラストレーター」など

また、版権物のゲームが多くなってきている事情から、開発職以外でもマーケティングやIPプロモーションの経験がある方の需要も高くなっています。また、昨今のゲームはリリースのみならずメディアミックス展開するケースもあるため、グッズ、リアルイベント、配信などの企画や管理に関わる方々のニーズも増えてきています。

あるいは、このような経験がなくとも、個人で開発したゲームや企画書、ポートフォリオが評価され、採用に至ったケースが実際にありました。ほかにも、MMORPGやソーシャルゲームのレベルやランクの高さが評価され、ヘビーユーザーがプランナーやゲームマスターの仕事に就いた、なんてこともあったりしますので、ゲーム業界未経験だからと諦めずに、あらゆる可能性を模索してチャレンジしてみることをおすすめします。


第2回の内容は以上となる。IMAGICA GEEQは4月19日と23日にゲームクリエイターキャリア相談会@関西ゲーム企業を展開予定。オンライン開催となる。2日前まで応募を受け付けている。

AUTOMATON JP
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