ドット絵フリーシナリオADV『RemainOnEarth』開発中。衰退しつつある地球最後の街、13番街で描かれる物語

『RemainOnEarth』は、個人開発者のウマー氏が開発中の、近未来の都市を徘徊するADVである。アバターを使って歩けるアートを楽しむウォーキングシミュレーターに近い作品になるという。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たこと無いような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第669回は、『RemainOnEarth』を紹介しよう。『RemainOnEarth』は、個人開発者のウマー氏が開発中の、近未来の都市を徘徊するADVである。

爆発的な人口増加に対応するため、人類が地球から宇宙へと進出した未来の世界。宇宙進出後、宇宙生物との遭遇も経て活動領域を広げた人類は、相変わらず戦争を繰り広げていた。しかし、それらは遠い宇宙の彼方の出来事。人類が宇宙へ飛び立ち、記憶から忘れられつつある地球では、さまざまな事情から地球に残った人々と共に、緩やかな衰退の時を迎えていた。かつては地下鉄が走っていた駅前。天井に大きな穴の空いた地下スラム。トタン屋根の小屋が立ち並ぶテント街。世界から取り残された地球最後の街 “13番街”を舞台に、たくましく生き抜こうとする人々の物語が描かれる。

環状都市の一部である13番街では、武器屋兼純喫茶ARMSを経営する通称おやじ、地球環境の改善のために働く天才科学者トウコ、地球放棄宣言後に流れ着いた地下スラムの住人たちや、事実上の政府である私設軍ERFの隊員などが登場。街の片隅で目を覚ました記憶喪失の主人公は、彼らと関わりながら記憶の手がかりを探し、アスファルトがひび割れ、鉄は錆び、ゴミの臭いが漂う13番街で生きていくことになる。

Pixiv Fanbox内の紹介文によれば、戦闘や壮大なメインストーリーは搭載されておらず、アバターを使って歩けるアートを楽しむウォーキングシミュレーターに近い作品であるそうだ。緻密なピクセルアートで描かれたノスタルジックな街を歩き、キャラクターの人生に少しだけ介入する物語が、フリーシナリオ形式で表現されていくという。

また、隠し通路や隠し部屋、SF/近未来/路地/廃墟/地下/レトロ/深海といった異なるテーマの地区の探索、謎のボタンといった探索が楽しくなる要素、ドットで描かれた収集要素、女性キャラクターに特定のアイテムを渡すと親交が深まるシステムなども入れたい要素として挙げられている。

本作を開発しているのは、現在フリーランスとして活動中のウマー氏だ。ゲームエンジンには、Gamemaker studio2を採用。ゲーム制作を趣味・ライフワークにするべく、まずは1作品を全部作ってプログラムを覚えることも目標に、2018年4月から開発がスタート。「色んなありがたいお話」も結果的に断りつつ、のんびりと制作が進められている。なお同氏は、現在“本作がきっかけとなった仕事”に関わっているという。

また、本作に戦闘が搭載されていないことについては、Pixiv Fanbox内の投稿で語られている。初期段階の構想には戦闘も含まれていたそうだが、同氏がゲームシステムよりも世界観から強く影響を受けてきたことや、コンセプトから体験を生み出すアプローチとして重視したかった点もあり、戦闘を導入する際の工数を考慮した結果、ADV形式になったそうだ。

『RemainOnEarth』は、ウマー氏により開発中。同氏のPixivで本作の一部設定が公開されているほか、開発の状況などはTwitterやPixiv Fanboxで公開中。またPixiv Fanboxでは、本作の支援も受け付けられている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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