サイコミステリー探索ADV『PERSONAL』開発中。心に秘密を抱えた男が、研究所の真実を探るフリーホラーゲーム
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たこと無いような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第658回は『PERSONAL』を紹介する。
『PERSONAL』は、キャラクターたちの抱えるさまざまな秘密や真実を探る、サイコミステリー探索ADVだ。舞台は、架空の都市ルゼプスト。主人公のHarryは、心に秘密を抱えたており、死んだ父親の持っている遺伝子研究所の秘密を知ろうとしている医師である。彼以外に、研究員のLeonや、身体に秘密を抱えた少年少女など、何かを知ろうとしているキャラクターたちが登場して、全4章の物語が描かれていくという。びっくりするようなタイプのもの“ではない”恐怖感も、作品では表現されているそうだ。
現在Daniel Macoto氏が「RPGツクールMV」を使い、探索型のフリーホラーゲームとして開発中の本作。開発中であるため、本作の情報はほとんど明かされていないわけだが、今回はTwitterのDMを通じて開発者のDaniel Macoto氏へコンタクトを取ってみたところ、快くインタビューに答えていただいたので、その内容をお送りしよう。なお繰り返しになるが、本作は開発中の作品である。そのため、インタビューや記事内に記されている内容が、開発に伴い変更になる可能性がある点には注意してほしい。
―――『PERSONAL』のストーリーや舞台設定について、答えられる範囲で教えていただけないでしょうか。
Daniel Macoto氏:
明かせない部分が多く、概要だけお伝えさせていただきます。主人公Harryの持つ「心」の秘密、少年少女の持つ「身体」の秘密、研究員たちが持つ「テクノロジー」の秘密。そして、父Walterが所有する遺伝子研究所に秘められた真実と、Harryを導く研究員Leonを軸に、ストーリーは展開します。キャラクターは皆、何かを「知る」ことを望んでいますが、同時に秘密を抱えています。それを探ることがゲームの目的であり、ストーリーです。Leonや他の研究員たちの姿が明かされていないのは、その風貌自体がネタバラシになってしまうからです。
また本作は、2005年「ルゼプスト」と名付けられたミステリアスなオーラをまとう架空都市が舞台となっています。一応、「英国」的存在ではありますが現実の世界とは少し異なります。作品内に実際にはない科学的なテクノロジーが存在しても、説明が可能になるためです。もう1つ、舞台設定ではありませんが、主人公Harryを構成するモチーフの1つが「静脈」となっているため、1章は全体が透けるようなブルーで統一されます。各章のストーリーや登場キャラクターのモチーフに合わせて、このカラーは変化していきます。
―――『PERSONAL』は、現在1章の開発が行われていると聞きましたが、全何章を予定されているのでしょうか?
Daniel Macoto氏:
全4章の予定です。構想中のシナリオは起承転結4つの章で分かれています。どの章でも、基本的にマップ上のオブジェクト、あるいはアイテムを「調べる」ことによってストーリーが進行するといったシンプルなシステムです。脱出ゲーム的要素も存在しますが、それもまた調べることで進行します。そのように調べる操作が多い分、マップの構成にはこだわりを持っています。部屋ごとにテーマがあり、アイテムには意味がある。ストーリーを進めると その隠された意味に気づく……そんな風に私は望んでいます。各章、それぞれモチーフは違いますが、テーマは統一されています。『PERSONAL』は、ゲーム性よりもムードを大切にした、キャラクタとストーリー重視の作品です。ムードを出すために、ギミックよりも視覚&感覚を優先した箇所が多く存在します。
―――『PERSONAL』は、どのような開発体制で開発されているのでしょうか。また、開発の経緯についても教えて下さい。
Daniel Macoto氏:
1人で制作しています。表現したいものがあり、それが可能なツールを見つけたことがきっかけで、開発をスタートしました。現在は、どうしても参加したいコンテストがあり、そちらへ向けての制作を進めています。その具体名をあげることはできませんが、私は開催を心から切望しています。
―――影響を受けた作品などはありますか?
Daniel Macoto氏:
具体的な名前を挙げてしまって良いのかわかりませんが……1つ例を挙げるとすれば、『おさわり探偵小沢里奈』の第1話「強奪」です。個性的でミステリアスな世界、それをとりまくダークなキャラクタとユーモアのある表現をリスペクトしています。『PERSONAL』は作品全体のテーマ、そしてキャラクタの抱える葛藤は一貫してダークであるため「ホラー」に分類しました。ですが、あらゆる表現においてユーモアを大切にしています。
雰囲気やストーリーを重視したフリーホラーゲームとして、Daniel Macoto氏が1人で開発中の『PERSONAL』。本作はTwitterで進捗同氏により進捗が報告されているので、気になる方はTwitterをフォローしておくといいだろう。