殻アクション『ヤドカリサバイブ』開発中。クリエイター自身の「ヤドカリらしさ」から生まれたキュートなアクション

まだ誰も見たこと無いような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第654回は『ヤドカリサバイブ』を紹介する。『ヤドカリサバイブ』は、個人開発者の雨見基ノ介氏が開発中のUnity製2Dアクションゲーム。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たこと無いような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第654回は『ヤドカリサバイブ』を紹介する。

『ヤドカリサバイブ』は、個人開発者の雨見基ノ介氏が開発中のUnity製2Dアクションゲーム。やどかりがカラを投げてタコと戦う、ステージクリア型のPC用短編アクションである。舞台となるのは、最近タコに占拠されつつある海の中。主人公は、そんな海の中に住むヤドカリの1匹だ。ヤドカリ村の村長ヤ・ドカリーから、蔓延るタコどもを駆逐して村を救って欲しいと半ば一方的に頼まれた主人公は、カラを背負って単身タコたちとの戦いへ挑む。

本作の特徴は、カラを使ったヤドカリらしいギミックだろう。海中を進んでいくステージ上には、タコたちが待ち構えており、ヤドカリの行く手を阻もうとスミを吐きかけてくる。スミやタコに接触するとダメージを負ってしまうので、背中に背負ったカラを投げつけてタコへ攻撃したり、チャージ中に発生するカラのガード判定を利用してスミから身を守り、ステージを進行。最奥にある大きなカラにたどり着けば、ステージクリアとなる。

攻撃はカラを投げて行うが、ヤドカリはカラを一つしか背負っていないため、カラを回収するまでの間は海を泳ぐことしかできない。また、ヤドカリ本体から離れている間はカラ自体に判定が生じるため、スミや厄介な敵相手に置いておくような使い方も可能だ。こうしたカラを使った攻防とカラの回収といった、カラの利用方法を考えながら進むアクションが、本作の醍醐味と言えよう。5ステージ+ボス戦の実装が予定されており、プレイ時間は1時間程度。ステージ上には遠距離から高速なスミを射出するタコスナイパー、タコ壺から現れてスミを吐くタコ、盾を構えて突進してくるタコなど、バリエーション豊かなタコがヤドカリに襲いかかってくる。

『ヤドカリサバイブ』を開発している個人開発者の雨見基ノ介氏は、ゲーム会社でエンジニアをしていたなどキャリアあるクリエイター。現在の開発期間は約1か月。可愛らしいヤドカリとタコたちによる残酷さを感じさせないドットグラフィック、グラフィックにあわせた安心感のあるチップチューンも含め、本作の開発を一人で手がけている。

また、本作にヤドカリを採用した理由を尋ねてみると、雨見基ノ介氏は自身がヤドカリみたいだからと語る。『ヤドカリサバイブ』はうつ病による休職期間中に、何か作って販売しようと考えたところから開発がスタート。アイデアに行き詰まっていた際に、殻にこもった自分がヤドカリのように思えたことから、ヤドカリがモチーフに決定。その後、地元の先輩と電話で話していた際に、閃きを得て殻をぶつけるアクションを思いつき、現在の形に至ったのだそうだ。

『ヤドカリサバイブ』は、4月30日の販売開始を目指し、PC向けに開発中。価格はDL版が300円、パッケージ版が税抜850円。先行してBOOTHでDL版を販売し、パッケージ版を5月中旬、順調に登録や審査を終えられた場合にはSteamでのリリースも予定されている。また、pixivFANBOXでの支援者向けの先行公開や、売れ行きが好調だった場合にはスマートフォン版の開発も行われるそうだ。Twitter上で進捗の報告や告知が行われているので、本作が気になる方は同氏のTwitterをフォローしておくとよいだろう。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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