建築は住民任せの中世街づくりシミュレーション『Foundation』開発中。理想の街を夢みて見守る
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第520回は『Foundation』を紹介する。
『Foundation』は中世ヨーロッパを舞台にした街づくりシミュレーションゲームだ。グリッドの概念が存在していないなど、さまざまな独自要素が盛り込まれている。同ジャンルのゲームであれば、建築したい建物を選び配置するのが通常だ。しかし本作ではプレイヤーが指定できるのは建物の種類のみで、建物の機能を指定できない点がこのゲームの特徴として特に目を引く。建物を作るときには、まず円形のゾーンをマップ上に大まか建物の種類を決めて設置する。そしてそのゾーン内で建築したい場所をペイントすることで、自動的に住民が建物を建てる。つまりプレイヤーは建築区域を指定するだけで、建物は住民がみずから建てるのだ。道もまた自動で引かれ、建物に合わせて住民が歩く場所が道になる。そのため、オブジェクトは各々が効率のよい形に配置される。
住民は食料や材料を必要としており、建築することで農耕エリアや伐採エリア(こちらは指定可能)を定め供給しなくてはならない。すでに配置されているオブジェクトに配慮して、採集の効率を高める必要もあるだろう。Paradox Interactiveの『Crusader Kings』で採用されているような、選択肢から行動を決定するランダムイベントもあるという。なおゲーム中盤からアンロックできる建物は、これまでに何を建築したのか、どの選択肢を選んだかによって変化するため長期的な視野も必要だ。
もうひとつの特徴は城・大聖堂といった巨大建築物にある。前述した家屋などと違い、中世建築の目玉ともいえる巨大建築物の建築は、非常に自由度が高い。しかも容易に複雑な建築ができるよう工夫されている。まずはランドマークの核となる部分を配置する。そこには複数の接続点が用意されており、渡り廊下や塔を簡単につなげることができる。これらのモジュールにも接続点があるため、自由な増改築が可能だ。なお、本作はModサポートにも力を入れている。建物の外観はもちろん職場を増やしたりクエストやイベントを追加することもできる。オブジェクトはすべて3D描写されており様々な角度から街と建物を観賞することができる。自分が作った街を実際に歩いてみたり、フレンドの街へ遊びにいくこともできるようだ。BGMは同じく中世を舞台にした『Europa Universalis』・『Crusader Kings』シリーズの楽曲を提供しているスタジオが担当している。中世の街並みを堪能するにはうってつけだろう。
現在Kickstarterにてクラウドファンディングキャンペーンをおこなっており、既に目標金額である5万8000ドルを上回る支援を受けている。2018年Q4にはSteamにて早期アクセスが開始される予定だ。支援額によっては、18年Q2から開始されるクローズドアルファへ参加できる。なお対応コンソールはPCのみだ。開発チームは新規に立ち上げられたものだが、メンバーには既に開発経験が豊富な人材を擁しており、リリーススケジュールも明確になっている。リリースに向けて順調な開発が進んでいるだろう。