新作運営アクションRPG『トライブナイン』開発者が直面したのは「ソシャゲかコンソールかわからない」問題。“面白くなるのが遅い”という声とどのように向き合ったのか?

『トライブナイン』ディレクターを務めるアカツキゲームス副島保孝氏にインタビューを実施した。過去におこなわれたベータテストの振り返りとリリースの意気込みについてお届けする。

アカツキゲームスは2025年2月20日に、『トライブナイン(TRIBE NINE)』を配信予定だ。対応プラットフォームは、PC(Steam)/iOS/Android。本稿執筆時点で、事前登録受付がiOS/Android向けにおこなわれている。

本作は理不尽都市アクションと銘打たれた基本プレイ無料ゲームだ。『ダンガンロンパ』シリーズを手がけた小高和剛氏率いるトゥーキョーゲームスとアカツキゲームスの共同プロジェクトとして開発中。トゥーキョーゲームスが原案・音楽・キャラクターデザインを担当しており、アカツキゲームスが企画・開発・運営を担当する。

弊誌では、本作のディレクターを務めるアカツキゲームス副島保孝氏にインタビューを実施した。『トライブナイン』開発の経緯をお届けした別記事に続いて、今回は過去におこなわれたベータテストの振り返りとリリースの意気込みについてお届けする。

反応が薄かった最初のクローズドベータテスト

――ベータテストは2回実施されましたが、プレイヤーの反応など、副島さまはどう感じられましたか。

副島保孝(以下、副島)氏:
ベータテスト後に実施したアンケートでは、70~80%くらいのプレイヤーの皆さんから非常にポジティブなコメントをいただいています。その点に関しては大変ありがたく思っています。一方で、TwitchやYouTubeで配信されている方の様子や、SNSで発信されている感想も拝見しまして、それらを加味すると賛否両論というか、良く見積もってもネガティブとポジティブで5:5くらいの反応だったんじゃないかと推察しています。

――アンケートと、公式には届いていないけど聞こえてくる感想を集めているわけですね。

副島氏:
そうです。声なき声と言ったところですね。定性的な情報以外に、ユーザーの同接数の推移など定量的な情報もチェックしています。たとえば、エゴサ―チで「面白い」という声が多く見えても、同接数が下がっていたら、何も言わずに止めてしまった人が多いのかもしれない、とも考えられるじゃないですか。そういった部分も考えると、ベータテスト版はプレイヤーの皆さんの期待を上回るゲームにはなっていなかった、というのがテストの結果だと真摯に受け止めています。

――その原因はどのように考えられていますか。

副島氏:
最初のクローズドベータテスト(死遊テスト)は、ポジティブ・ネガティブどちらの意見もほとんどなかったんです。意見を挙げてくださったプレイヤーさんも少なからずいらっしゃったのですが、箸にも棒にもかからない、という表現がぴったりな状態で。個人的にはこの結果が非常にまずいと受け止めていたんです。

続くオープンベータテスト(死遊体験版)は、ゲームの個性を強調する調整を入れて臨みました。すごく好きかすごく嫌い、どちらにしても明確なフィードバックがもらえるようにしたんです。その結果、想定していた通り高い温度感での反発もありましたが、夢中で遊んでくださったユーザーさんもいらっしゃいました。

これらふたつのテストを経て顕在化した問題が「バトルを楽しめないこと」と「自分のペースで遊べないこと」でした。これらの問題があらかじめ顕在化できたことで、リリース時にプレイヤーの皆さんへしっかり還元できる準備ができました。

オープンベータテストでわかりにくかった箇所を徹底的に調整へ

――ユーザーから寄せられた不満について、詳しく教えていただけますでしょうか。

副島氏:
バトルに関しては、正解が複雑な上に、その正解が見つけづらいという、根本的な問題がありました。オープンベータテストの実施中に、雪谷えのきというキャラクターがプレイヤーの皆さんのあいだで人気になったことがあったんですね。しかもそのプレイフィールが想定以上に好評だったことを受けて、バトルの正解がわかりづらいことに問題があると確信しました。

ベータテスト時点での『トライブナイン』は高いダメージを出すために考えるべき要素が多く、その方法も多岐に渡っていました。自分の中での最適解を模索する際にRPG的な思考が要求されるんですが、えのきに関してはパリィやジャスト回避の成功で強力な攻撃が可能になるという、煩雑さが少なくプレイヤースキルにかなり依存した異質なキャラでした。

アクションが上手であれば高いダメージを出せるキャラだったので、プレイヤースキルに大きく左右されるピーキーな性能である一方で、やるべきことがシンプルで分かりやすい側面もありました。プレイヤーの皆さんは、アクションを頑張りさえすれば高いダメージが出せる分かりやすさと、そこに付随するアクションの難しさに楽しさを感じてくださっていたんですよね。それを見たときに、アクションとして激しい敵の攻撃を捌きながら、RPG的に戦略を練っていくというゲームの設計自体に課題があると感じて、バトルシステムの大幅な見直しを行いました。

そしてもうひとつの「自分のペースで遊べない」という問題。これも結構根が深い問題でして、端的に言うとコンソールゲーム系のタイトルなのか、ソーシャルゲーム系のタイトルなのかがわかりづらかった点に原因があると思っています。

コンソールゲーム好きとソーシャルゲーム好き、どちらの層にも遊びかたのビジョンがあります。そんな中で、どちらの層が触っても「何か違うな」と思えるゲーム体験になっていたことが、ストレスの要因だったのだと感じています。この点については、チュートリアルに明確な問題がありました。メカニクスの説明が足りなかったり、機能の開放ペースが遅かったりしたことで、プレイを継続する意欲が削がれてしまっていた点に問題があったと考えています。この部分も反省して、チュートリアルはもちろん、ゲーム全体の進行を一から見直しました。

――SNSをざっと見る限りでは、プレイヤーから、「何かピンとこない」というような抽象的な批判もあった印象でした。そういうところからどのような反省を得たのでしょうか。

副島氏:
面白くなかった理由が抽象的な場合、どの部分でストレスを感じられたのか、面白くないと感じたきっかけや理由を汲み取らないといけないんですが、どうしても情報が少なくて……。そんなときに、プレイヤーの皆さんの動画配信にすごく助けられました。皆さんが配信でプレイされている時の反応やコメントを他のスタッフと一緒に見て、ここが嫌だったんじゃないかと推測しながら分析していきましたね。

――リリースを目前にして、これまで作り上げてきたものに抜本的なテコ入れをするのは、かなり大変で、打ちひしがれることもあったのではないかと思いますが、立ち直るエネルギーはどうやって振り絞ったのでしょうか。

副島氏:
自分がほかのプロジェクトでディレクターをやっていたときに、「面白くない」というフィードバックは、本質的な面白さ以前に、面白さが伝わっていないケースが多いんじゃないかと考えたんです。

『トライブナイン』の場合も、こういう体験を届けたいんだ、という強い想いを込めて、みんなで作ってきました。ゲームとしての善し悪しの前段階で、プレイヤーの皆さんに自分たちの意図や狙いが届かなかったというのは、自分の能力不足だったり、開発していく中でいろいろ変わっていったものに対応しきれなかった計画の甘さだったりに原因があると考えています。なので、自分で自分に喝を入れています。そんなことを言いながらも、裏では結構へこんでいますが(笑)

見識のあるプレイヤーさんが納得してくれるものを作るのはかなり難しいですが、厳しい目を持ってる方々に「悪くないじゃん」と言ってもらえたり、「これはこれでありだよね」と言ってもらえたりするにはどうしたら良いかを考え抜いて、最後には絶対に認めてもらうぞ、という気持ちがモチベーションにつながっていましたね。

『トライブナイン』が目指す『トライブナイン』なりのソーシャルゲームらしさ

――ベータテストでの反応を受けて調整をおこなっているとのことですが、結果的にプレイヤーはどういった変化を感じられるのでしょうか。

副島氏:
コンソールゲームみたいにしたいのか、ソーシャルゲームにしたいのかをはっきりさせるべきだと思っていて、結論を言うと『トライブナイン』はソーシャルゲームになります。「えっ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、いろんなキャラクターを集めて、集めたキャラクターたちを育成しながら強くなっていくという、ソーシャルゲームならではの楽しさを、ゲーム開始後の早い段階で味わえるよう調整を入れました。決して悪い意味ではなくて、『トライブナイン』なりのソーシャルゲームを目指しているんです。

たとえば、クローズドベータテストではガチャの機能開放タイミングがほかのタイトルと比較して明らかに遅かったんですよ。本当は自分の好きなキャラクターで困難を突破したいのに、主人公の黒中曜を強制的に操作させられる時間が長過ぎる、という問題がありました。

そうした、「ソーシャルゲームにおける面白さのコア」を満足に楽しめない部分は徹底的に変更して、「ソーシャルゲームとして遊んだときにどう遊べば良いのか」がわかりやすいゲームにしています。ゲームをわかりやすくすることを念頭に置いてすべての改修がおこなわれているので、バトルに関してはものすごく明瞭に、何をしたらダメージが出るのかがわかりやすくなっています。システムに加えてキャラクターのプレイフィールも抜本的に変えているので、ちょっと触っていただくだけでも、各キャラクターの特徴や得意とする立ち回りを直感的に理解していただけるようになっています。

――ソーシャルゲームっぽくなるというのはつまり、『トライブナイン』の楽しい、美味しい部分がこれまでよりも早いタイミングで、わかりやすく味わえるようになると。

副島氏:
わかりやすさの観点で言うと、ゲーム進行上、自分が今どの段階にいるのかを認識しやすくしています。たとえば、これまではチュートリアルがいつ終わったのかがわかりづらかったのですが、リリース版では2〜3回雑魚敵とのバトルを経験して操作方法を覚えたら、すぐにシンクロ(ガチャ)に挑戦できるようになりました。そこがチュートリアルの区切りのタイミングとなります。

多くのプレイヤーの皆さんがストレスを感じていたであろうと思うのが、「いつになったら好きに遊べるんだ」みたいな状況のわかりにくさなんですよ。なので、チュートリアルが早めに終わる変更を加えるだけでなく、自分が今なにをすべきなのかを、システム上で示すようにもしています。たとえば、キャラクター育成に集中するタイミングでは、「今が育成のタイミングですよ」と明確に伝える、といった感じですね。

ベータテストのバージョンでは、プレイヤーの皆さんが受動的にゲームを遊ぶ時間が長かったと思うのですが、リリース版では今までよりも能動的に遊べるようになっています。皆さんにとって最初の壁となるエンドロールというボスに関しても、固定のパーティではなく、皆さんがシンクロで仲間にしたお気に入りのキャラクターで攻略できるように変更しています。ぜひ自分の好きなキャラクターを操作することで、達成感を味わっていただきたいですね。

――ベータテストを経て方針をかなり変更されていますが、QAチームの反応はいかがだったのでしょうか。

副島氏:
「チュートリアルにすべての課題が詰まっている」という結論が出たのが、まさに社内でテストプレイを繰り返しているときでした。チュートリアル以降の体験に対する評判は上々だったんですが、『トライブナイン』の予備知識がまったくないメンバーに0からプレイしてもらったときに、ベータテストのときと同じく、チュートリアルでギブアップしてしまう人が何人かいました。ベータテストのときは「これから面白くなりそうだ」という期待と信頼で長く複雑なチュートリアルを乗り越えていただいていましたが、リリース時のバージョンでは、早い段階から「これは楽しいゲームかも」と思わせられるように、かなり手応えのある調整がおこなえていると思います。特にバトルは良い意味で別物になっているので、期待していただきたいです。

実は300人が携わっている大規模プロジェクトが大詰めへ

――現在は最終調整に尽力されているようですが、どういったかたちでおこなっているんでしょうか。

副島氏:
プランナーがバトルも探索もある程度コントロールできるワークフローになっているので、何かを変えようと決めたら、翌日には変更が反映された環境でテストプレイができるスピード感になっています。それを『トライブナイン』ではすべてのセクションで毎日おこなっています。

それと、プレイヤーの皆さんの反応を見て変更の必要があると感じた部分の中には、オープンベータテスト開催中から作業を進めていたものもあります。そのほかに、キャラクターのコスチューム変更機能のような、ベータテストでは実装していない、リリース版から楽しんでいただける新コンテンツも豊富に用意しています。そのため、さまざまな作業がタイムライン上で複雑に折り重なりつつ進めているのが現状です。

リリースを控えた今、悪あがきをするなら今しかない、最後のチャンスだといった感じで各々が作業を進めています。ちょうどチームのメンバーとも「ここまでに間に合わせよう」と、決起会というほどではないですが、意思統一をおこなったところですね(笑)

――チーム全体が一体感をもって最後の調整に取り組んでいるような状態ということでしょうか。

副島氏:
まさにそのとおりです。誰かひとりに極端な負荷がかかってしまう開発は今の時勢には不向きなので、負荷を分散して、全員で頑張っている状態です。弊社は社内コミュニケーションツールとしてSlackを使っているんですが、『トライブナイン』チームはリモートワークで開発しているので、ハドルミーティング機能を積極的に活用しているんですよ。

――リモートワーク時代は、コミュニケーションコストもばかになりませんよね。

副島氏:
テキストだとコミュニケーションコストが高いじゃないですか。なので、『トライブナイン』チームではSlackのハドルをDiscordのボイスチャットみたいに使っています。仕事をしている間はslackチャンネルのハドルに参加するようにしていて、ちょっとした相談事も気軽に口頭でできる環境を作った方が効率がいいなと。僕も作業中は自分のチャンネルのハドルにいるので、たまに相談事がある人がハドルに入ってきては「これどうします?」って仕様の相談だけして抜けていくんですよ。

――ちなみに、『トライブナイン』は何人ぐらいのスタッフが関わっているんでしょうか。

副島氏:
じつは300人くらいの大規模なチームで開発をしていて、意外と大プロジェクトなんです(笑)

――想像以上の規模ですね。現在はベータテストで体験できた箇所の調整のほか、リリース版のその後まで量産している状態ですか。

副島氏:
リリース版では、2章のミナト編までが実装予定です。ベータテストをプレイしてくださった方向けにお伝えするなら、当時プレイできたシナガワ編と同程度のボリュームのゲーム体験が、もうひとつ追加されるかたちになります。そこからおよそ3か月周期くらいで新章を追加していく運用計画を立てています。大規模アップデートまでの間にはイベントも実施予定で、そういった先々の準備はもちろん進めています。アップデートで追加される要素やアセットのボリュームが膨大なので、かなり気が早い話ですが、すでに6章の開発まで始まっています。その頃にはアニメに登場したキャラクターも、全員ではありませんがある程度揃ってくると思います。今のうちから未来の準備を進めているかたちですね。

顔と人を見せて、ユーザーと向き合っていく

――副島さまは、プレイヤーからのフィードバックをどう受け止められていて、今後どう向き合っていきたいと考えていますか。

副島氏:
これは僕も最近感じていることなのですが、ここ2、3年でユーザーとコンテンツの付き合い方が劇的に変わってきているんじゃないか、と思うんです。物の善し悪し以上に、それを提供している人を理解してもらうことが大事になってきているように感じています。

たとえば、漫才のショーレースであるM-1も、昔に比べると見せ方が変わってきていますよね。番組としての見せ方もそうなんですけど、ネタの善し悪しだけじゃなく、芸人のバックボーン込みで楽しむ人が増えて来ていると思うんです。つまり、誰が発信しているのかという情報が、作品を好きになってもらううえですごく重要になっている時代なのかな、と。

それを前提としたうえで、『トライブナイン』の運営は何を考えているのかがわからない、とはしたくないと考えています。ユーザーさんとの距離感を近くして、作品だけでなく、運営としても親しんでいただけるようにしていきたいですね。

ゲームを触って何が楽しかったか、何がストレスだったかを発信してくださる皆さんにはとても感謝していますし、皆さんが感じていることを僕らもちゃんと理解できるように、皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思っています。

――アカツキゲームスがそういったかたちで表に出てくるのは珍しい印象です。これまではパブリッシャーが前に出ることが多かったですよね。

副島氏:
仰るとおりです。ただ『トライブナイン』は自社パブリッシングタイトルですので、ちゃんと前に出て、いただいた声に対して、ひとつずつ丁寧に向き合っていきたいと思っています。なので、どんどんフィードバックをいただけると嬉しいです。アカツキゲームスの新しい部分を見せていきたいと思っています。

「気持ち良い負け」を届けたい

――『トライブナイン』をリリース版で初めてプレイする読者へ向けた、今後の意気込みをお聞かせください。

副島氏:
まず、リリース版で初めて触れていただく新規の方にお伝えしたいことですが、本作はゲームも開発チームも日々進化していく野心的なタイトルだと思っています。ストーリー展開をはじめ、アップデートでは驚きと喜びを感じていただける攻めた更新内容を用意しています。

ただ、攻めたものといっても、王道から外れているものでは決してないです。「じつはみんなこういうゲームが遊びたかったんじゃない?」と、ゲーム好きの皆さんの心をくすぐるようなゲーム体験を届けたいという想いが、我々の根底にはあります。そんな目標を達成するために、リリースに向けてチームメンバー一同がむしゃらに取り組んでおります。ぜひネオトーキョーでの冒険を楽しみにしていただきたいと思います。

――新規の方というと、既に別のゲームをプレイしているケースが当然あると思っていて……、意地悪な質問ですが、『ゼンレスゾーンゼロ』や『鳴潮』がある中で『トライブナイン』を選ぶ理由は何だと思いますか。

副島氏:
まずは、アカツキゲームスがトゥーキョーゲームスさんとタッグを組んだことで実現した、唯一無二のストーリーが楽しめること、それが『トライブナイン』の魅力のひとつです。

そんな魅力的な世界を等身大のスケールで冒険できる楽しさに加えて、爽快なアクションも本作の特徴です。ただそれ以上に、キャラクターのことを好きになってほしいですね。轟英二のような、ほかのゲームではなかなか見ることができない強烈なビジュアルのキャラクターもいっぱいいますので、魅力的なキャラクターたちに会いにいく感覚で遊んでいただけるととても嬉しいです。

さらに、『トライブナイン』はどの部分で勝負すればよいのかを考えたときに、ストーリーとキャラクター以外に、「気持ちよく負けられる体験」が勝ち筋になりえると考えました。

――「気持ちよく負けられる」ですか。

副島氏:
日本産のゲームの特長のひとつに、トライアンドエラーを前向きに楽しめる体験を作ることが得意な点が挙げられると思います。特に「気持ち良く負けられる体験」と「成長実感」がそういった作品では強みになっていて、『トライブナイン』においても、負けても何度も挑戦したくなる体験や、繰り返し挑戦することで成長実感や達成感を味わえるように調整をしています。それが本作をやってみたい、続けたいと思ってもらえる強みになることを目指していますね。

――難易度が高いアクションRPGと聞いて、とりあえず触ってみようという人は結構多いのではないかという気がします。

副島氏:
このジャンル、コンセプトを喜んでくれている方の反応が結構多いなと思ったので、この狙いは多分良かったんだろうなと思いました。ただそれだけに、ベータテストでは調整が足りなかったことが悔やまれます。

――ベータテストに参加してくれた既存プレイヤーにもメッセージをいただけますでしょうか。

副島氏:
ベータテストに参加してくださった皆さま、貴重な時間を割いてプレイしてくださり本当に感謝しています。中には長時間の配信をして下さった方もいて、非常にありがたく思っています。オープンベータをプレイした方々からいただいたフィードバックを真摯に受け止め、改善し、リリース版ではより遊びやすくなったゲームになっています。正式リリースされた暁には「さてさて、どれくらい変わったんだい?」と視察に来ていただくくらいの気持ちで、ログインしてみていただけると嬉しいです。

――最後に、副島さんが今後『トライブナイン』をどういうゲームにしたいのか、野望をお聞かせください。

副島氏:
ある一定の人気のラインを超えたゲームは、アップデートの内容がXのトレンドに入りますよね。『トライブナイン』もそういうところまでいきたいなと思っています。たとえば「週刊少年ジャンプ」って、人気漫画の最新回で何かがあると、深夜なのに本誌が発売されたばかりの月曜0時にトレンド入りするじゃないですか。ああいったかたちで、ローンチの初動ももちろんですが、サービス開始から1年後、2年後も、みんながアップデートを話題にしてくれて、SNSのトレンドに入れるようなゲームになってほしいと思っています。

――本当に好きなゲームのパッチノートは読むだけでも楽しいですね。『トライブナイン』もそれくらい愛されるゲームになることが副島さまの野望ということですね。

副島氏:
パッチノートを読むのは僕も楽しんでいますね。ただ、『トライブナイン』のリリース版のアップデートノートは、相当なボリュームになるかもしれません……(笑)担当と相談して、ゲーム同様、なるべくわかりやすく、なおかつ伝わるように咀嚼したアップデートノートをお届けしたいと思います。そちらも楽しみにしていてください。

――ありがとうございました。

トライブナイン(TRIBE NINE)』はPC(Steam)/iOS/Android向けに2025年2月20日配信予定だ。

[執筆・編集:Koutaro Sato]
[聞き手・編集・撮影:Ayuo Kawase]

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