「ソニック」基本プレイ無料バトロワレース『ソニックランブル』開発者合同インタビュー。「32人マルチ」な理由、「PC対応」の理由、あるいは「どういうマネタイズ」を目指すのか

『Sonic Rumble(ソニックランブル)』開発者合同インタビュー。ゲームディレクターを務める田勢誠氏と、ソニックシリーズプロデューサーの飯塚隆氏のお二人に話を訊いた。

『Sonic Rumble(ソニックランブル)』は対戦型パーティーアクションだ。iOS/Android/PC向け今冬配信される予定で、基本プレイは無料。本作は障害物レースやリング集め競争などのモードが最大32人まで同時に遊ぶことができる。ソニックシリーズから多くのプレイアブルキャラクターが参戦するほか、2Dと3Dのステージがあるなど、ソニックらしさを詰め込んだお祭りのようなゲーム内容となっている。

TGS2024にて『Sonic Rumble』のゲームディレクターを務める田勢誠氏と、ソニックシリーズプロデューサーの飯塚隆氏のお二人と他社との合同インタビューをする機会に恵まれた。そこで『Sonic Rumble』について、さまざまな角度から話を訊いた。


みんなで遊べるソニック

──『Sonic Rumble』はどういった経緯で企画が立ち上がったのでしょうか。

飯塚 隆(以下、飯塚)氏:
ソニックのブランド自体が、マルチプレイとして弱かったんですよね。ソニックはストイックに1人で遊ぶゲームが多かった。ですので、モバイルに進出する時には、みんなで楽しくソニックファン同士が交流できるような、 パーティーゲームスタイルのタイトルが欲しいという話になりました。

セガはモバイルの優れた開発チームがいながら、今まで一度もソニックタイトルはやったことなかったんです。なので、まずはソニックチームとうちのセガモバイルの開発チームでがっつり組んで、ソニックのモバイルタイトルを作ろうというところからプロジェクトが始まりました。その時に、どういうジャンルのどういうゲームがいいかアイデアを出し合っていって、その中から「マルチで楽しむ」という今作のコンセプトを選択してもらいました。

『Sonic Rumble』ではキャラクターがすごくデフォルメされて、丸く可愛くなってるじゃないですか。 今まで通りホーミングアタックもありますし、当然走ったりもするんですけど、ソニックのゲーム自体がデフォルメしてミニチュア化した感じなんですよね。おもちゃの世界のデフォルメ具合とか、ステージがどうすればソニックらしくなるのかって具合とかも、最初は頻繁にやり取りをしました。ソニックらしいハイスピードな感じで、いい塩梅を何回も見つけながら、何回もステージ作って壊してを繰り返して。 これでもない、もうちょっと速くしないとソニックらしくないとか、“ランブル感”はどうすれば出るかとか、そういう話し合いを続けながら今の形になった感じです。

──『Sonic Rumble』は1プレイの最大同時参加人数が32人とのことですが、32人に設定した理由を教えてください。

田勢 誠(以下、田勢)氏:
最初から10人以上参加するような、多人数のわちゃっとしたゲームにしたかったんですけど、人数が増えれば増えるほど、 1位が取りづらくもなってしまいます。逆に少ないラウンド数で勝負をつけるには、50人とかだとバランス的に都合が悪い。

まず目の前の友達と遊んでほしいという狙いがあったので、2から4人ぐらいでチームを組むことを想定しました。そして最初8チームから4チームになって、最後に2チームが決勝するみたいな形で、ちょうど決勝3ラウンドでゲームが決まります。その数のバランスがいいのが1チーム4人×8チームの32人くらいという話になりました。

今回意識してるのは、たとえば3ラウンド目に行った8人に残ればちょっと報酬が良いから3ラウンド目まで行けるように頑張ろうだとか、そういったちょっとした目標設定です。32人のうち1人しか1位にはなれないので、全員が毎回1位目指すという設計はストイックすぎるとは思うので。あとはプレイに応じて、ゲーム内通貨を溜めてアイテムをアンロックするだとか、何プレイかすると順位に関わらず進捗するだとか、そういった報酬も設けつつ、幅広い人がプレイ継続できればと考えて作っております。


──1プレイのプレイ時間はどのくらいの長さでしょうか。

田勢氏:
ステージの設計としては、おおむね10分ぐらいで1セット終わるようにしています。長い時に15分ぐらいかかることもありますが。パーティーゲームとしてゲーム性自体はシンプル寄りなので、長い時間繰り返すよりちょうどいい時間で終わらせてあげるのが大事かなと。

──ローンチ時にはどういったモードで遊べるのでしょうか。

田勢氏:
ベースのモードにくわえて、スクワッドモードみたいな4人で協力するモードであったり、 例えば週末イベントで、いつものステージでちょっとルールが違うみたいな、イベントチックに遊べるようなイベントモードも考えています。32人で全員で協力してクリアするステージとか、例えば1着でクリア、3着でクリア、13着でクリアみたいな、着順のポイントが高いチームから抜けるみたいなルールとか。そういう楽しみ方が違うモードも複数、3つか4つは入れたいなと思ってます。ステージはベースモード向けに40以上は作りたいと思ってます。あとは、 知り合いだけでマッチングして、好きなステージを選んで遊ぶカスタムマッチのできるモードも入れる予定です。

それと、モードではないですが「バディ」という要素もあります。今作ではクリアするとスコアが出て、SやAといったランクがつきます。そういったスコアを集めたり、チャオを集めたりするとちょっとずつポイントが溜まっていって、チャオの見た目を変えられるみたいな感じのものです。

──1人用モードはあるのでしょうか。

田勢氏:
ずっと対戦してると、ちょっと味変を触りたいみたいなタイミングがあると思うんですよね。なので、息抜きという側面も含めて、ステージチャレンジというのを入れてみてます。バトルに登場するステージを1分でクリアしろとか、何ポイント以上取ってクリアしろみたいな条件があるものですね。それをクリアすると、さらにその先の難易度が高めのハードチャレンジに挑戦できます。

ハードチャレンジは友人4人でも挑戦できて、友達とかと練習しながら、自分がうまくなりつつ友達とわいわい楽しむようなものとして設けています。そこでレッドスターリングっていう、いわゆる課金石みたいなものも少しもらえたり。

物語が中心のストーリーモードみたいなものは入れていません。ソニックがすごいファンの人でも、最近知った人でも、あとアクションゲームの上手い下手に関係なく、いろんな人が触ってゲームが楽しめるというのをとにかく強く意識しました。

飯塚氏:
こういうゲームであんまりストーリーを深くしちゃうと、ソニックファン限定のタイトルになっちゃうので。「なんかこのキャラクター知らないけど可愛いからやってみよう」と思ってもらえるように、気軽に遊んでもらえるタイトルを目指してます。なので今回はエッグマンも大した企みは持っていません(笑)。

──『Sonic Rumble』は基本プレイ無料のタイトルとなりますが、課金要素について教えてください。

田勢氏:
基本的にスキンやエモートといったものを考えています。入手手段は広めにする予定ですが、今のところ1か月半ぐらいで1シーズンみたいな形で、シーズンパスのようなものをメインに考えています。それとは別に1日1回商品が更新されるリングショップもあり、そちらはリング溜まったら覗きに行こうかな、といった形で活用してもらえればと思ってます。リングショップの方はコスメアイテムが中心ですが、シーズンパスの方に関しては、 コスメアイテムをちょっと強化していくというか、たとえばエモートを育ててエフェクトがつくといった要素も考えています。

もちろん無課金でも楽しめますけども、シーズンパスを買っていただいた方がちゃんと楽しめるってところは大事にしています。 それらもどちらかというと、ガチャで何パーで当てるとかよりは、欲しければぱっと買い切るようなもので、少額や定額課金でも遊べるようなカジュアルな設計を目指しています。それとは別に1日何回か無料で引ける要素もありますし、継続的に遊んでもらいつつ、いろんなものを集めるという楽しさに繋げていきたいと思っています。また、お金払った人が1位になりやすいみたいなPay to Win要素はないです。

飯塚氏:
日本やアジアの市場だと、課金で何万円も使ってレアキャラ手に入れて、やっと先に進めるみたいなことがあるじゃないですか。グローバル的にはそういうシステムはちょっと異質で、特にこういうアクションゲームの場合はみんながイーブンで楽しめないとですよね。このプロジェクト自体が、グローバルで売れるモバイルタイトルプロジェクトにしようというのがスタート地点でした。ですので、課金モデルに関してもグローバル基準で最初から設計した形です。

田勢氏:
基本的にはモバイルタイトルでも、ワールドワイドで幅広い年齢幅に遊ばれてるものに関しては、ガチャを用いたマネタイズモデルのゲームはなかなか成功してないです。あとは海外だと、そうした側面はかなり敬遠されされやすいので、今回のジャンルには適してないかなと。

突き詰めたソニックらしさ

──パーティーバトルロイヤルのタイトルはいくつかありますが、本作ならではのソニックらしさは何があるのでしょうか。

田勢氏:
まずステージやギミックなど、「ソニックらしい」と我々が思ってるものを作って、飯塚さんやソニックチームの方に見ていただいています。モバイルチームもかなりソニックを勉強しました。大体の人はソニックの画像や動画を、ブラウザで常に開いてあるみたいな。いつも参考にしないといけないので。

2Dステージに関しては、自動で高速で進んでいくような部分であったりだとか、あと、リングを拾う「チャリン」って感触だったり、ソニックだよねと感じられる部分については、ステージ設計からしたら無駄かもしれないとか、ちょっと余計かもしれないと思っても意識して入れてます。3Dのマップでも、複数あるルートを自分で探して進んだりしますけど、そういったところとかも触っていただいた方に「ソニックっぽい」と思っていただけるよう強くこだわってます。

カメラ操作もスマホだと難しいので、 ソニックらしいスピード感あるアクションを実現するために、頑張ってカメラが自動で最適化される機能を作ってあります。もちろん自分で操作する設定にもできます。

飯塚氏:
一番最初に作ってたステージとかは、ソニックらしさのソの字もないような運動場でした。それから、こっちはもっともっとソニックらしくっていうのをリクエストして、向こうは試行錯誤してくれて。そのうちこっちが言わなくてもソニックらしいギミック入れたり、カメラワークひとつとってみてもソニックらしくやってくれたりしてくれて。彼らの運動場もどんどんソニックに馴染んでいった。


田勢氏:
いろいろな人が触れるパーティーゲームは、シンプルな操作ゆえにもたもたしたゲームになりがちです。ただ、今回ソニックということで、操作性の爽快感を最低限担保した上で、スピード感ある要素を入れつつ幅広い方にプレイできる難易度に落とし込むのは結構大変でした。スピードが通常の所と、ものすごく速い所で、メリハリを入れていったりだとか。

飯塚氏:
一応、ジャンプボタンとホーミングアタックボタンは分かれてますので、ワンボタンではないんですが、難しい操作は極力入れないようにしています。

田勢氏:
そうですね。敵には勝手にロックオンして、ボタンを押せばそいつに飛ぶみたいなところも、思った方に行かないとかならないようにうまく制御したり。

あとやはりソニックシリーズといえばリングが象徴的だと思いますので、アタックして相手からリングを奪う要素も入れました。ファイナルラウンドで最後、リングを一番持っていた人が優勝というルールも、ほかのただの生き残るサバイバルやバトロワゲームっていうよりは、ソニックシリーズのリングを大事に設定に取り入れた結果です。

飯塚氏:
ソニックらしさは、あくまでもこのバトロワのモバイルタイトルの中でのソニックらしさであって、それはあのキャラクターの見た目から想像できるスピードで走れること。モダンソニックはブーストでドーンと行くのが当たり前ですが、それだとゲームは成り立たない。この見た目だったらこのスピードだろうみたいな、その辺の塩梅をまず最初に調整して、 ステージも単に走って穴に落ちるとかじゃなくて、ちゃんとソニックらしくギミックとかで快適に遊べるようにしました。終わったあとにストレス感じるんじゃなく、気持ちよかった、面白かったっていう一言が出るようなステージ設計をお願いしてます。

田勢氏:
最終的にチームとして目標にしたのは、瞬間的にいわゆる“脳汁”が出たりだとか、爽快感だとか、アクションゲームやったなというところです。ソニックタイトルにある、リングをいっぱい拾った時とか、攻撃ポンって当てた時だとか、そういった気持ちいいところを残しつつも、パーティーゲームとして成り立たせるところにかなり意識を強く置きました。ですので、ソニックタイトルと言われても遜色なく気持ちよかったって言われることを目標にしてきました。


──ソニックシリーズのキャラクターは多数いますが、プレイヤブルキャラクターとしてはどういったキャラクターが参戦するのでしょうか。

飯塚氏:
『Sonic Rumble』はおもちゃの世界という設定なので、ゲームの中に登場するキャラクターたちはフィギュアなんですね。なので、人気あるけどプレイアブルにはなってないヴィランキャラクターとか、そういうのも出していくような自由度の高いキャラクター選定をしています。キャラクター性能は一緒で、エッグマンやビッグもソニックと同じスピードで一緒に走りますし、ソニックが何体もいても問題ないんです。キャラクター数はローンチ時でも相当量入ってます。

それに、モバイルタイトルなので、とにかくキャラクターをいっぱい登場させたいと思ってます。 トレイラーにいたクリームなんかはまだメジャーな方で、本当に誰も知らないようなマイナーキャラまで掘り下げたいですね。「こんなキャラまで出てくるの!?」みたいな。

──ソニックシリーズのアレンジ曲も収録されていますね。

田勢氏:
ステージモチーフ自体、過去のソニックタイトルからいろいろ持ってきています。その元のゲームのステージBGMをベースに、『Sonic Rumble』のゲーム性に合わせて、ちょっとアップテンポにしたり、楽しい雰囲気にアレンジをかけたりだとか、まずはチームの方で制作した曲を飯塚さんの方に最後監修いただいています。

飯塚氏:
基本的には皆さんに馴染みのあるソニックミュージックに、競争を盛り上げるようなアップテンポな感じを入れて、かつ殺伐としないように、楽しい雰囲気を持った曲作りをしてもらってます。

ロビオとの協力体制、今後の展開

──今回(『アングリーバード』などで知られる)ロビオとのパートナシップが発表されていますが、具体的にどのようなサポートを受けているのでしょうか。

田勢氏:
基本的には開発の方を我々がやって、マーケティングであったり、コミュニティ運営だったり、そういった外に広めていく部分に関してはロビオの方にお任せするというような役務分担でおります。

飯塚氏:
今回『Sonic Rumble』で初めてロビオの強みを活かして、うちの優秀な開発チームと世界で成功しているロビオのマーケティングチームでがっつり手を組むというのが今回のチャレンジです。インゲームのゲームデザインも、チュートリアルであればこの部分は省いてここだけ伝えればいいんじゃないかとか、そういうアドバイスもいただいたりしてます。

欧米でヒットしたセガのモバイルタイトルはまだないですし、逆にソニックタイトル自体がアジア地域に弱いところがあります。今回『Sonic Rumble』では”東京ミッション”とサブタイトルがついたムービーもありますし、今までソニックタイトルでは珍しかった可愛いスタイルで、しかもFree to Playでみんなで遊べるということで、アジア地域、特に日本の方々にも楽しんでもらえればという想いもあります。

──クローズドベータでのユーザの感触やフィードバックはいかがでしたか。

田勢氏:
ベータ版はロビオのノウハウを活かして、欧米や日本といった大きな市場と似たプレイ傾向のある国を選んでやらせていただきした。ソニックのファンの方も多く参加していただいたんですけど、基本的にはかなりいい評価を得られて、我々としては手応えが得られました。ただ、当時のバージョンに関して一部で聞かれた意見として、やはり逆転がしにくいだとか、展開がちょっと似通ってしまうみたいなところがありました。幅広い人が楽しむために、バランス面にいくつか課題が残っていたなというのが意見を聞いて見直したところです。そういうところで、パーティー的に楽しめるようなバランスにより近づけていきました。

飯塚氏:
初期には北米でファン向けにプレイテストを実施したのですが、そちらでも良い反応がもらえました。北米ファンはもう本当に濃い人たちで、意見の強い人たちも多いので、その中でベータテストやって、可愛くなったキャラクターのことを「かっこいい」と表現してくれたりとか、ソニックらしくて楽しいと言ってくれたので、北米のファンがこういうリアクションするならこの方向性で大丈夫だろうと、そこで自信をもらえましたね。


──先日、『Sonic Rumble』のPC版の発表がありましたが、モバイル版とPC版のクロスプレイはどのようになっているのでしょうか。また、他プラットフォームでの展開は考えているのでしょうか。

田勢氏:
PCとモバイル同発でサービスを開始する予定で、マッチングもクロスプラットフォームでする予定でおります。PCとモバイルで操作性が違うので、対戦ゲームとして有利不利といった話が上がるんじゃないかとも考えました。ですが、今回はパーティーゲームということで、ガチガチの競技感というか、「毎試合1位取るんだ」というよりは、その場その場のランブル感、パーティーゲーム感をまず楽しんでもらいたいなと。

アイテムで攻撃して逆転するみたいなランダム性も入れたりして、必ずしもうまい人が常に勝ち続けるとは限らなくて、まぐれだったり逆転だったりというのが起きるような形に落とし込むのも意識しています。その体験で広がっていくといったところを今回は重視して、クロスマッチングをポリシーとして決めました。それと、モバイル版のデータでPCで遊んだりだとかっていうのも可能な予定です。ですので家ではPC、移動中ではモバイルといったプレイスタイルも今回想定して調整しております。

PC以外のプラットフォーム展開ですが、まだ現時点では発表できるものはないです。ただ、今回のタイトルのコンセプトとしては、プレイ手段が増えることはプロジェクトに対してもちろんプラスなことです。なので、可能であったり機会があったりすれば、そういったところもどんどん検討していければいいかなとは思っております。

──ロビオの『アングリーバード』や、他社とのコラボは考えているのでしょうか。

田勢氏:
確定的なことはちょっとお伝えしづらいんですけれども、ただ、今回やっぱり「広げていく」というところで、もちろん社内IPだとか、グループ会社であるとか、それからまったく違う会社のIPやキャラクターであるとか、積極的にコラボレーションして多くの人の目に留めていただければと思っています。違う世界のキャラクターがソニックと一緒に走ってるとか戦ってるとか、ソニックが違うゲームをモチーフにしたステージを走ってるというだけでも、今までにないIPの展開が表現できるかなと思いますので、そこは今もっと仕込んでおります。

もちろん今年は シャドウの年ということで、ソニックシリーズ全体の大きな盛り上がりの中で、我々も映画『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』の時期に近しい形で全世界リリースするという場面でもあります。コンシューマータイトルと映画があって、そしてモバイルタイトルとして我々がいるわけです。IPとして足並みが揃って一緒になって盛り上がっている要素は、ゲームの中では何かしら実現したいと思っています。

飯塚氏:
『Sonic Rumble』はライブ運営タイトルですので、コラボレーションの機会はコンシューマータイトルよりも臨機応変にできます。なので、皆さんに驚きを与えるようなコラボレーションをやっていければなと思っています。あまりにリアルでキャラクター同士のマッチングがよくないだろうっていうところでも、おもちゃの世界ってことで気軽に幅広くコラボレーションする機会を探していきたいです。

ソニック全体で言えば、ついこの間DCコミックとのコラボレーションも発表しましたけども、いまは引き合いも多いので、我々としてもコラボレーションによる新しさっていうチャレンジはどんどんしていきたいです。まさに映画の「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION:に合わせて、『ソニック×シャドウ ジェネレーションズ』も作りましたし、『Sonic Rumble』も作りました。 で、『ソニック×シャドウ ジェネレーションズ』には映画のコンテンツを使ったゲームプレイやDLCも入れますので、この映画公開に合わせて、ソニックファンの方には存分にYear of Shadowを楽しんでもらおうかなと思ってます。

──最後に日本のユーザーにメッセージをいただけますか。

田勢氏:
日本のファンの方にはお待たせしている状況で、申し訳なく思っています。ですが、テストを重ねて、ゲーム設計としてもゲームバランスとしても最適な形で、冬のグローバルローンチのタイミングで日本の皆様にもお届けしたい思っています。そのタイミングは映画の話もありソニック全体が盛り上がる瞬間だと思いますので、今までになかった、例えばソニックに興味あるけど遊んでこなかった人に「これ一緒に遊ぼうよ」と誘えるようなタイトルとして、ソニックの輪を日本中にもっと熱く広めてもらいたいなと思いますので、ぜひ遊んでいただければと思います。今はグローバルローンチに向けて動いている佳境のところなので、とにかく目の前の『Sonic Rumble』を、立派な立派な子供を生むんだという気持ちでいます(笑)。

飯塚氏:
今年はシャドウの年ということで、映画の公開が日本では12月27日と年末ですが、それに向けて我々も寝る間を惜しんで全力でコンテンツ作りをしています。

まずはゲームの方に合わせて作ってるアニメーション「『ソニック×シャドウ ジェネレーションズ』闇の序章」(動画リンク)を見てほしいです。私もチェックしながら涙を流すぐらい、ちょっとすごくいい、もう感動的なアニメーションです(笑)そのあとがゲームの『ソニック×シャドウ ジェネレーションズ』の10月リリースですね。 そこでは映画に関したコンテンツがプレイできるようになって、で、『Sonic Rumble』が発売されて、そして映画が公開されると。年末に向けてソニックファンの方は暇がないぐらい目白押しですけども、ぜひ我々の渾身のコンテンツを楽しんでいただければと思ってます。よろしくお願いします。

あと、今回このシャドウの年で前から仕込んでたものをだいぶ放出してます。なので、 今からまたちょっとエネルギーを補充して、次のチャレンジに向けて仕込んでいかなきゃなっていうのも脳裏にあります。毎年皆さんに新しいものを提供したいっていうポリシーでやってますので。2025年以降も、ソニックに関して何かしらのお知らせができるんじゃないかと思ってます。

──ありがとうございました。


『Sonic Rumble』はiOS/Android/PC向けに、今冬配信予定だ。

Rikuya Melichar
Rikuya Melichar

ゲームだいすき。独特の世界観や没入感があるゲームが好きで、気付いたら流行りのゲームを尻目にずっと遊んでたりします。

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