『リトルナイトメア』開発者新作『REANIMAL(リアニマル)』が目指したのは「感情のジェットコースター」、安心と不安を交互に。開発者に話を訊いた

パブリッシャーのTHQ Nordicは2月13日、『REANIMAL(リアニマル)』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S 。本作は日本語音声・字幕に対応している。

『REANIMAL』はホラーアドベンチャーゲームだ。開発は『リトルナイトメア』シリーズを手がけたスウェーデンの開発スタジオTarsier Studiosが担当している。本作の舞台となるのは故郷の島。主人公である姉弟は行方不明になった友人たちを助けるため、異形の怪物たちから逃げながらも、島からの脱出を目指すことになる。

本作はリリース後、高い好評率で順調な滑り出しを見せている。PS Storeでは、本稿執筆時点で7000件以上のレビューを集めており、星5点満点中4.62点と非常に高く評価されている。このたび弊誌は、Tarsier StudiosのナラティブディレクターであるDavid Mervik氏と、同スタジオの共同創設者にしてプロデューサーを務めるAndreas Johnson氏にインタビューを実施。開発のこだわりや物語に込めた想いなどを伺うことができた。

写真左がAndreas Johnson氏、写真右がDavid Mervik氏

――本作は、独特のじっとりとした不気味さや緊迫感が印象的です。ホラー演出におけるこだわりをお聞かせください。

David Mervik氏(以下、David 氏):
一番意識していたのは、「感情のジェットコースター」のような体験を作ることです。ゲームプレイを通じて、プレイヤーにさまざまな感情を味わってほしいと考えています。もちろん、ジャンプスケアなどの直接的なホラー演出も重要ですが、それだけではなく、プレイの中で感情が少しずつ揺れ動いていくような設計を目指しました。たとえば、まずはプレイヤーに安心感を与えて、そこから徐々に不安を煽っていき、ある瞬間に一気に恐怖へ突き落とす……というような、緩急のある展開を意識しました。

個々のシーンだけでなく、ゲーム全体としても、この「ジェットコースター」が次第に勢いを増していくような構成を心がけています。そのために何度もテストプレイを重ねて、「ここを改善すればもっと盛り上がるはずだ」とブラッシュアップを繰り返し、物語のクライマックスに向けてテンションが高まっていくよう調整を続けてきました。

Andreas Johnson氏:
また、敵や大きなイベントがない場面であっても、BGMやアートワークによってじわじわと不安を感じてもらえるよう工夫しています。たとえば、ただ廊下を歩くだけのシーンでも、「この先で何かが起こるかもしれない」という雰囲気を醸し出し、緊張感を途切れさせないようにしています。こうして、プレイヤーの心理を少しずつ追い込んでいくことを意識しました。

――作中では、『REANIMAL』というタイトルに象徴されるように、動物らしきクリーチャーがしばしば登場します。本作で動物が中心的な存在になっている理由や意図をお聞かせください。

David 氏:
動物という存在は、本作の世界にとても自然なかたちで入り込んできました。実は過去作の制作過程でも、社内のコンセプトアーティストたちがたびたび魅力的な動物のイメージを提案してくれていたのですが、当時はうまく活かす機会がなかったんです。なので、「いつかしっかり取り入れたい」という想いがずっとありました。そこで今回は、これまで採用に至らなかったアイデアも含めて、改めて動物を主要なモチーフに据えようと考えました。

また、本作の物語の中心となる子どもたちと動物には、どこか通じるものがあると感じているんです。大人は動物や子どもを、いずれも純粋で無垢な存在として見ることが多いのではないでしょうか。本作では、そうした動物と子どもたちを結びつけることで、作品のテーマをより強く表現できるのではないかと考えました。これは、本作の核となる要素のひとつです。

タイトルについては、当初はシンプルに「ANIMAL」にすることを考えていました。ただ、検索でヒットしにくいという課題もあり、いくつもの案を出し合った末に、ようやく『REANIMAL』へとたどり着きました。まず、言葉の響きや雰囲気がかっこいいじゃないですか(笑)それから、「animal(動物)」や「anima(魂)」、「reanimation(蘇生)」など、さまざまな解釈ができる点も気に入っています。

――『リトルナイトメア』シリーズと同様、本作も物語の考察が盛り上がりそうな内容となっています。プレイヤーによる多様な解釈や受け止め方について、開発側としてはどのように感じていますか。

David氏:
いろんな捉え方や解釈が生まれることは、本当に大好きです。私は大学でイギリス文学を専攻していたのですが、同じ作品を何度も読み返し、「これはこういう意味ではないか」と人と議論する時間を大切にしてきました。そうした経験は、自分の創作活動の土台にもなっています。だからこそ、本作でも受け手によって解釈が分かれるような物語を作れたことに、大きな喜びを感じています。

もちろんシナリオライターとして、物語の筋そのものは分かりやすいように書いています。その上で、あえて示唆的な表現や、さまざまな考察につながる「糸口」を随所に散りばめました。プレイヤーの皆さんが各々の視点でそれらを受け取って、自分なりの解釈を見つけてくださることを楽しみにしています。タイトルも含めて、ぜひ自由に考察していただければ嬉しいです。

そして、こうした想いは私個人の考えにとどまるものではありません。開発チーム全体が、音楽やビジュアル、アニメーションなどの細部に「糸口」を忍ばせることを楽しんでいるんです。そうした手がかりを通じて、皆さんがそれぞれの解釈で物語の核心に迫っていくことを、私たちはとても大切に思っています。

――ありがとうございました。

『REANIMAL(リアニマル)』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中。

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Niki Jinnouchi
Niki Jinnouchi

RPGやシミュレーションゲームをよく遊びます。一人でまったりプレイするのが好きです。

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