機動戦士ガンダムオンライン』開発プロデューサー佐藤一哉氏へのインタビュー後編は、「今後」について。作品の魅力を語っていただいた前編、アップデートやバランス調整の難しさをテーマにした中編もあわせて読んでほしい。

 
――ユーザーからの不満はどのようなものが多いですか。

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マッチングに関する不満は昔から普遍的にはありまして。これに関しては昔からずっと、この3年間戦い続けている問題でして、50vs50というルール上、マッチングの精度を上げようとするほど、ゲームプレイをお待たせすることになってしまいます。長い場合ですと、1戦プレイするために20分30分とマッチングに時間がかかってしまう事になります。一方を優先するともう一方が問題になってしまうという懸念があります。現在も人が少ない深夜や早朝は、マッチング時間が長くなってしまっているケースもあり、非常に申し訳ないところでもあります。

これは、ゲームの構造的な問題もありますので、つねに何かしらの打開策を考えてはいますが、完全な解決には難しいところがあります。8月の大型アップデートでは、こういった問題についての解決も1つの目標ではありましたが、なかなかキレイに解決できずお客様にはご迷惑おかけし、改めて申し訳ございません。
こちらに関しては、運営側も努力を続けていかなければならないと点だと考えており、マッチングバランスとマッチング時間の両方を日々確認しながら少しづつ改善を重ねておりますので、よろしくお願いいたします。

 
――ガンダムはストーリーも重要です。ゲーム開始時の出撃シーンなど、うまくガンダムの世界観を再現したシーンがいくつか見られます。今後、ガンダムの物語を知れるようなコンテンツ、たとえばシングルモードなどの搭載を予定されていますか。

以前は協力戦というものがあって、それはシングルというかPvEのモードがありましたが、前のアップデート「U.C.0096」のときに、協力戦モードを廃止いたしました。協力戦が好きな方もいらっしゃったと思うのですが、ガンダムオンラインの売りが大規模戦いうところがあって、そちらに注力すべきだという方向性に、途中で舵を切りなおしました。大変申し訳ございません。

協力戦やシナリオモードというのを面白く作ることも、もちろん時間をかければできたのですが、そちらがすごく面白くなり、みんな協力戦でものすごく遊んでいるとなると、大規模戦でマッチングしない問題につながってしまうという点も挙げられます。これは自分たちが、オリジナル性があり自信を持って作っている大規模戦というモードに影響が出てしまう。そこと反する要素を強めていっても、ガンダムオンラインが強くなっていかないと思いました。

 

――試合のルールは「本拠点破壊戦」だけですか。ほかのルールの追加予定はありますか。

いま鋭意制作中でして。3年間でほとんど「本拠点破壊戦」がメインになっていて、他のルールも何度か実装しているんですが、なかなかですね、「本拠点破壊戦」が良くできていて、それを超える良い遊びというものを提供できていなく、プレイヤーの皆様には申し訳ないと思っています。新しいルールというのは、今後継続的に追加していこうと思っていますし、実際に制作しているところです。

 
――11月に大規模戦トーナメントを開催されました。反響はいかがでしたか。

トーナメントはかなりの大反響でして、僕らの想定よりも多くのプレイヤーが注目していてくれてですね、2週続けてやりましたが、最初の週は想定よりもはるかに多いエントリーをいただきまして、エントリー漏れとなってしまうお客様が多くでてしまいまいした。初めてやるイベント、かつトーナメントという形式なので不安がありました。何故かというと、いくつかトーナメントのブロックを作る必要があり、1つのブロックで両軍合わせて16チームなので、1ブロックで800人規模のお客さんを集めないと、そもそもトーナメント自体が成立しないのです。最低800人からのトーナメントなので、ひとつのチームでも数が足りなかったら、かなり厳しくなってしまうので、瞬間的にかなりの人数を集める必要がありました。

それだけの人数が大量に瞬間的に入ってきて大丈夫か、サーバーの負荷というのもあってですね、最初ブロック数を少なめにし、縮小気味で始めたんでが、参加してくださるプレイヤー数が想定の3倍はいてくださって……。その結果エントリーしても参加できない方が多く出る状況になりまして、本当に申し訳なかったと思っています。すぐ改修をして、次の週は相当数の人数が参加できる様にエントリー可能人数を広げました。参加していただけた方は、楽しかったというご意見を多数いただいております。

それでも参加人数上限の関係もあり遊べない人が出てきてしまいます。これはどうしてもエントリーの都合上、難しくて。エントリー機能の改善なども今後検討していきます。トーナメントは、また近いうちにやろうと思っていますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

 
mobile-suit-gundam-online-producer-kazuya-sato-part-3-001――ここ最近、日本でもe-Sportsという言葉をよく耳にします。ガンダムオンラインは大規模戦が魅力で、良い意味でお祭りゲームという感じですが、e-Sportsを意識していたりしますか。

トレンドと逆行していますが、あまり意識していないです(笑)。たしかに最近e-Sportsはすごく人気で、ガンダムオンラインは対戦ゲームなので、e-Sports的なイベントに出ませんかという話はよくいただいています。ガンダムオンラインでも局地戦という6vs6のe-Sports的なプレイができる小規模なモードもあるのですが、やはり大規模戦が一番魅力のあるコンテンツだと考えてまして、あまりe-Sportsは意識していないですし、これからもe-Sports感を出していくという事は方針としてはないです。

50vs50でe-Sportsは相当厳しいと思いますし、いまの機体のバランスも基本は大規模戦に合わせたバランスで設定しています。それがe-Sportsを意識しすぎるあまりに、6vs6の局地戦を前提としたバランシングをしてしまうと、50vs50の場合と乖離が強くなりすぎてしまう懸念もあり、怖いなという部分もあります。

局地戦を遊んでくれているプレイヤーもいて、そこで強靭なプレイヤーさんたちもいらっしゃるので、そういった方々が注目されるとか、トッププレイヤーが目立てる要素などは今後検討していこうと考えています。

お祭りゲームという言葉はアレかもしれないですけど、良い認識だと思います。ある程度、ガンダムの世界観でロールプレイしながら戦えるというのがガンダムオンラインの良いところなので。今度秋葉原でオフラインイベントを行うのですが、ガチガチなイベントではなく、運要素もはらんだ「シールド戦」の様なエキシビションマッチにさせていただきました。

これが「Gガンダム」だったら、e-Sportsだったのかもしれないですけど(笑)

 
――(笑)

「Gガンダム」じゃないので(笑)

 
――バンダイナムコエンターテインメントさんが『サマーレッスン』を開発中です。そのつながりでガンダムオンラインもVRに対応したり……?

VRに関しては、ガンダムオンラインでは検討していないですね。まだ普及もしてないですし、VRに対応したらしたでVRに特化した遊びを作らないと意味が無いですし、3年続けているガンダムオンラインの中に組み込んでいくというのは非常に難しいです。

VRではないですが『戦場の絆』とかはVRに近いような、幅広いモニタでやっているものもあるので、そういった方向の、コクピットに特化した様なゲームは他で出てくると思いますが、ガンダムオンラインとしては意識はしていないです。

 
――ゲーム内でモビルアーマーを要請することができますよね。そのモビルアーマーを、今後操縦できるようにする計画はありますか。

今後、操縦できるようになるかもしれないです。いま検討していてですね、近いうちに操縦できるモビルアーマーっていうのも登場すると思います。「Zガンダム」に出てきたモビルアーマーを想像していただければちょうどいいのかな、と思います。

 
――楽しみですね。他社のゲームになるのですが、先日Blizzardの『Heroes of the Storm』に、2人で1体を操作するヒーローが登場しました。ガンダムオンラインだとモビルアーマーを複数のプレイヤーが操作すると楽しそうです。

例えばビグザムやアッザムは、もともと一人乗りではなくて、複数の人が乗っている、あとはクインマンサとか、複座になっているモビルアーマーも存在しますので、そのような機能を実装する場合にはいくつかの操作形式の中から楽しみやすい方法を検討したいと思います。

 
mobile-suit-gundam-online-producer-kazuya-sato-part-3-002――マップについてなんですが、一定時間が経過すると何かが起きるとか、ギミックがあるものは今ありますか。

今は大きなものはないですね。一時期考えていたのですが、負荷的な問題が大きくて。50vs50で動いているので、全員に影響するマップの変化や隆起があったりすると、かなり負荷が高いです。ガンダムオンライン3年やっているなかで、要素が増えてきて負荷もあがってきています。昔の推奨環境で遊ぶとけっこう重たいかなと、思ってる部分もあるので、そういった懸念が大きいです。

どうしてもモビルスーツのバランスってものが、プレイヤーに注目されているので、マップに極端な機能を入れちゃうと、既存の機体はもう何もできないよね、となりかねないため、慎重にやっています。

 
――カウンターといいますか、この機体にはこの機体が相性が良いというのは考えてますか。

機体によってはそういったものもあります。

 
――あえてそうしているのでしょうか。

特定の機体に対するメタみたいなものは、あまりしたいとは考えていないです。やり過ぎてしまうと、“Pay-to-Win”がいき過ぎてしまい「この機体持ってるから俺強いぜ」に対して、お金を払って対抗するしかなくなってしまいます。そういうゲーム性は目指していなくて、どの機体でもある程度は対抗できる。対抗というかワンチャンあるイメージですかね。隙を突いて攻撃すれば、ジムでもゲルググを倒せるとか、そういったバランスをベースに考えています。そのなかで、この機体は対空迎撃に特化していますとか、瞬間的な火力に特化していますといった風に考えていますので、この機体に対しては有利だよね、不利だよね、というのは多少は入っています。

 
――最後に、読者に向けてひとことお願いします。

3年間遊んでいただいて非常に感謝しております。ガンダムオンラインは、他にあまりないゲームなので、少し休んでたまに戻ってきても楽しめるゲームだと思います。ですが、ルールが凝り固まっている部分や、遊びの幅が増えていっていないといった問題も抱えています。今後、新しい要素や、新しい遊びの追加を、開発・運営チーム一丸となって検討しておりますので、これから始まる「Z PROJECT」のアップデートを含め、今後も楽しんでいただければなと思います。

 
――ありがとうございました

 


 

収録日 12月某日

[聞き手: Shinji Sawa]

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