『バイオハザード レクイエム』はレオンの“『RE:4』風アクション”と、グレースの“ガチホラー”の融合で「今までのバイオにない満足感」に。ダブル主人公の狙いを開発者に訊く
『バイオハザード レクイエム』の開発陣に向けてメディア合同インタビューが実施された。本稿ではその模様をお届けする。

『バイオハザード レクイエム』のディレクターの中西晃史氏、およびプロデューサーの熊澤雅登氏に向けてメディア合同インタビューが実施された。本稿ではその模様をお届けする。
『バイオハザード レクイエム』は、サバイバルホラーゲーム『バイオハザード』シリーズの最新作だ。PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年2月27日に発売予定。本作の舞台となるのは、政府による“滅菌作戦”で爆破された合衆国中西部の都市「ラクーンシティ」。ダブル主人公となり、一方のグレース・アッシュクロフトは、原因不明の病気による犠牲者について調査を進めるFBI職員だ。調査の中で彼女は、母であるアリッサが8年前に死亡したレンウッドホテルを訪れ、過去と向きあうことになる。
そして本日のゲームイベント「The Game Awards 2025」ではもう一人の主人公としてレオン・S・ケネディもお披露目。今回はレオンの登場に関する質問を中心に、ディレクターの中西氏、およびプロデューサーの熊澤氏に向けてメディア合同インタビューが実施された。

── シリーズ入門者に向けて、改めてレオンの魅力をアピールしてください
熊澤氏:
物語の中で、過去作を知っている必要はありません。唯一知っておいてほしいのは、ラクーン事件に関わっていることで、歳を重ねてどう立ち向かっていくのか、どう関わっていくのかに注目していただければと。
中西氏:
ひとついえるのは、レオンは見た目だけじゃなく性格もイケメンなんですよね。誰かを助けるために犠牲はいとわない、かといって驕らないし内面の熱さもあります。歳をとったレオンならではの皮肉っぽさやウィットに富んだ部分にも期待していてください。
また今回のレオンは過去一番追いつめられることになると思います。ある意味限界に挑む戦いになるところも重要になります。

── 本作のレオンは、どのような方向性でデザインされましたか。
中西氏:
いろいろなものを背負っているキャラではありますが、「イケオジであるべき」というところも時間をかけて調整しました。今回のトレイラーでも文字通りそういった反応があって嬉しいですね(笑)
熊澤氏:
社内にもレオンファンが多くいますもんね。
中西氏:
デザイナーさんが頑張ってくれました。
またレオンについては『RE:2』以来のラクーンシティへの再訪になります。原点となったラクーンシティを舞台に、歳を経たレオンが何を感じてどういう行動をとるかも見どころです。
── ダブル主人公ということで、ゲームとしてはどういった作りになっていますか。
中西氏:
『レクイエム』はあくまでストーリーは1本で、レオンのパート、グレースのパートが進行に応じて変わっていきます。このなかでは2人が出会うシーンもあります。“バイオ史上一番の怖がり”のグレースと、熟練のレオンがどのように絡むのかも面白いポイントになります。
ゲームの中ではグレースとレオンの操作パートはほぼ半分半分になっています。シリーズ作品でいうと、『バイオハザード リベレーションズ』に近い構成だと思ってもらえればと。

過去に「レオンはホラー向きじゃない」といった発言をしましたが、レオンは化け物を相手にビビりまくるような静かなパートはあわないので、血沸き肉躍るような激しいアクションパートになります。対するグレースはより怖いパートといった風に、明確な体験の違いを今回は押し出しています。
まったくテンションの違うゲームがふたつ入っているようなもので、当初はプレイヤーがついていけるか不安もありました。ただ今となっては高低差が独特な体験になっていて「熱いサウナ入って水風呂に入る」ような、ある意味の“ととのい”を得られますね(笑)緩急の差をうまく組み合わせないといけないので、レオンとグレースの組み合わせがベストになるように構成しています。またレオンは新アクションも豊富で、グレースパートに対して一気に開放感を得られるような作りになっています。
── 過去の動画ではレオンを主人公にする構想がずっとあって、ホラー要素を強めるためにグレースにしたとお話しされていましたが、グレースは開発途中で追加した主人公なのでしょうか。
中西氏:
企画が固まる前の段階ではそうした経緯がありました。開発がスタートするときには、ダブル主人公で固まっていましたね。
── 過去には『バイオハザード7』が“怖すぎた”といったフィードバックもあったといいますが、あえてホラー要素を強めるためにグレースを採用されたのでしょうか。
中西氏:
それは逆で、グレースでずっと続くとめちゃくちゃ怖いゲームになると思うのですが、ある意味レオンパートを緊張と弛緩の弛緩の部分で使っています。レオンパートでは安心感があり、グレースパートではまた怖いという、ホラーの構成として意識して使っています。結果として怖いんですけどトータルで開放感・爽快感もある今までの『バイオハザード』になかったような満足感を得られるかと思います。

熊澤氏:
怖いパートの後にはアクションの気持ちよさがより際立ちますし、逆にアクションの後のホラーパートはめちゃくちゃ怖く感じるのではないかと考えています。ふたつのまったく違う体験を組み合わせることで得られるゲーム体験になっているかと。
── トレイラーではレオンがチェーンソーを使っていましたが、ほかにもユニークなアクションはありますか。
中西氏:
グレースの操作パートは『バイオハザード RE:2』をベースにしていますが、レオンのパートは体術や近接攻撃もありますし『RE:4』がベースになっています。
レオンが主人公の新作を作るのは『バイオハザード6』以来ですが、彼もいい歳になって経験を積んでます。「2026年のレオンはどうなってるのだろう」というのは開発における大きなテーマでした。誰かを救いたいというモチベーションで戦い続けてもいつまでたってもバイオテロがなくならないなかで、どんな心境に行きつくのか。戦闘技術が熟練するなかでどんなことができるのか。そうしたコンセプトで、『RE:4』をベースに新要素を盛り込んでいます。

── 一人称視点でもプレイできるのでしょうか。
中西氏:
レオンでも一人称視点は選べますが、もちろん問題なく遊べるように工夫をしています。今後のショーケースでもっとプレイ動画を公開していくと思うので、その点も確認してもらえるかと。
── トレイラーで「エルピス」というキーワードが出てきましたが、どういうものですか。
中西氏:
エルピスというのはギリシャ神話では「パンドラの箱の底に最後に残っていたもの」で、希望という解釈も多いですが、色んな捉え方があります。
本作ではストーリー上の重要な要素になっていて、グレースの母が殺された原因とも絡んできます。また本作のレオンには今は言えませんが秘密がありまして、その点でも重要な意味をもちます。
── レオンの車はポルシェでしたが、どんな経緯で実在メーカー車の登場が実現したのでしょうか。
熊澤氏:
レオンにあう車を探していたところ、ありがたいことにポルシェさまから快諾いただいて、コラボレーションが始まりました。ぜひ愛車にすることになりまして、カイエン ターボGTを世界観にあわせてカスタムした、たった1台の車を作っています。どこかでその映像もお見せできればと思います。

── シリーズ作品では乗り物と言えば壊れますが……
熊澤氏:
よく壊れるのはヘリコプターくらいですが(笑)
中西氏:
どうなるか期待していてください(笑)
『バイオハザード レクイエム』はPC(Steam)/PS5/Nintendo Switch2/Xbox Series X|S向けに2026年2月27日に発売予定だ。
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