基本プレイ無料『バイオハザード サバイバルユニット』は、スマホで『バイオ』をやるためにいろいろ考えて、結果的に戦略シムになった。橋本真司氏ミニインタビュー
『バイオハザード サバイバルユニット』は基本プレイ無料の、サバイバル戦略シミュレーションゲームだ。カプコン監修のもと、アニプレックスとJOYCITYが共同開発している。

アニプレックスは『バイオハザード サバイバルユニット(BIOHAZARD Survival Unit)』を2025年内に配信予定だ。対応プラットフォームはiOS/Android。
『バイオハザード サバイバルユニット』は基本プレイ無料の、サバイバル戦略シミュレーションゲームだ。カプコン監修のもと、アニプレックスとJOYCITYが共同開発している。物語はアンブレラ社の実験体として拘束されていた主人公が、謎の病院で目を覚ますところから始まる。ストーリーは原作シリーズとは異なる“パラレル”な世界へと展開し、原作シリーズに登場するキャラクターたちとの新たな物語が描かれるという。
本作はエグゼクティブプロデューサーを橋本真司氏が務めている。同氏は元スクウェア・エニックスで、『ファイナルファンタジー』シリーズのブランドマネージャーを歴任するなど、数々の作品に携わってきたプロデューサー。しかしなぜ今回、橋本氏が『バイオハザード』に関わることになったのか。弊誌は東京ゲームショウ2025会場にて、橋本氏へミニインタビューをおこなった。本稿でその内容をお伝えする。

スマホで『バイオハザード』を楽しむために
――橋本さんは今回、どういった流れで『バイオハザード サバイバルユニット』に関わることになったのでしょうか?
橋本真司氏(以下、橋本氏):
2022年にスクウェア・エニックスを定年退職して、今はソニーミュージックグループにお世話になっておりまして。どんなゲームを作ろうかといろいろ考えて、スマートフォン向けの、今まであまりやったことがないようなタイトルを作りたいなと思いました。それでいろんなところとご相談した結果、カプコンさんの『バイオハザード』を題材としたモバイルゲームに取り組むこととなりました。
――本作は戦略シミュレーションということで、原作の『バイオハザード』シリーズとは毛色の異なる作品だと思います。なぜシミュレーションゲームになったのか教えてください。
橋本氏:
スクウェア・エニックス時代はオリジナルのIPを手がけることが多かったですが、前々職で勤めた会社がバンダイグループだったので、IP作品のゲーム制作経験自体は豊富にあります。ただ今回はスマホゲームなので、「スマホでどこまで『バイオハザード』らしさを表現できるか」ということが課題でした。
それでカプコンさんの『バイオハザード』のチームの方と打ち合わせをしたときに、「あまり原作を意識しすぎなくていいですよ」と言っていただけたんです。原作はサバイバルホラーでアクションをやっているわけだから、同じものを作ってもしょうがないという気持ちもありました。それなら、自分が好きなゲームの作り方をさせてもらおうと思い、今回はシミュレーションゲームというジャンルを選びました。シミュレーションゲーム自体は『フロントミッション』でも手がけていましたし、個人的にも好きなジャンルなんです。

また、打ち合わせの際には、スマホゲームならではの「音」の問題についてカプコンさんからご指摘いただいたこともありました。スマホゲームは外出先で音を出さずに遊ぶことも多いですよね。でも『バイオハザード』にとって、恐怖感を高めるための「音」の演出はすごく重要だと。スマホでサバイバルホラーをしっかり作ってもそこが再現できるかどうか、という懸念がありました。だったらいっそ音がなくても十二分に楽しめるジャンルのゲームにしようと考え、シミュレーションというジャンルを選びました。
『バイオハザード』のオールスター

――本作はどういった特徴や魅力がある作品でしょうか。
橋本氏:
『バイオハザード』シリーズではこれまでいろんなキャラクターが登場してきましたが、物語の流れのなかで生命を落としてしまった人物も少なくありません。「もう少し戦うところが見たかったな」とか、「もっと会いたかったな」とファンの方たちが感じるキャラクターたちも、作品ごとに退場してしまうことがあります。 本作はそんなキャラクターたちにも、パラレルワールド的な世界の中で、存分に戦ってもらえる作品になっています。ファンの皆さんにも、それぞれ愛着のあるキャラクターがたくさんいると思いますので、全部ではないですけど、著名なキャラクターはできるだけ登場させるように意識しています。

テーマとしては私なりに考えた原点 回帰で、しばらくシリーズから離れているファンの人たちにも「もう一度、遊んでみてほしい」という思いがあります。また、天野喜孝先生にクリーチャーデザインでご参加いただくなど、僕自身の色が少し出ている部分もあるかもしれません。あとはオンラインプレイですね。グローバルで、さまざまなプレイヤーと戦える要素も取り入れています。
――橋本さんの経験と『バイオハザード』の歴史が融合したタイトルになっていると。
橋本氏:
そうですね。たとえば僕がここで「新作のRPG出します」と言うのは、皆さんも想像しやすいと思うんです。ですが、全然誰も予想してないところを提案するというのが、やっぱりプロデューサーとしては面白いんですよ。だから、今回はその挑戦をさせていただきました。
ただ本作はすごく楽しいんですが、シミュレーションゲームって、面白くなるまでにちょっと時間がかかるんですよね。プレイヤーの皆さんにはこれまでとは違う『バイオハザード』を、じっくり楽しんでいただけたらと思っています。
――ありがとうございました。
『バイオハザード サバイバルユニット(BIOHAZARD Survival Unit)』はiOS/Android向けに、基本プレイ無料作品として2025年内に配信予定だ。





