Steamで話題の海賊オープンワールド『Windrose / ウィンドローズ』開発チームは「海賊ゲームがないから作った」、『アサクリ4』マニア集団。日本人気も急上昇中

Steamで話題沸騰中の海賊サバイバルクラフト『Windrose / ウィンドローズ』はいったいどのような開発チームが制作しているのか。今回弊誌は開発者にインタビューを実施した。

Pocketpair Publishingは4月10日、Windrose Crewが手がける海賊サバイバルクラフト『Windrose / ウィンドローズ』を4月14日に早期アクセス配信開始すると発表した。Steamでは今年2月にデモ版が配信されて大きな人気を博してきた作品であり、いったいどのような開発チームで制作されているのか。今回弊誌は開発者にインタビューを実施した。

『Windrose』は海賊の黄金時代を舞台としたオープンワールドサバイバルクラフトゲームだ。プレイヤーはある海賊団のキャプテンを務めていたが、強大な海賊「黒ひげ」の襲撃により、船・仲間・財産といったすべてのものを失ってしまう。どこをどう生き延びたのかもわからぬ惨状で、船の残骸とともに海岸に流れ着いたプレイヤーは、身一つで生き延びて海賊としての再起を目指すことになる。

陸では建築・クラフト・サバイバルが展開され、再び船を手に入れた暁には乗組員を集めて海戦に挑むことも可能。機敏なケッチ船から万能なブリッグ船、そして圧倒的な威容を誇るフリゲート艦まで、プレイスタイルに合わせて船を自由に装備・カスタマイズすることができる。資源を集め、拠点を築くことも可能であり、NPCを仲間に加えて集落を発展させれば、資源の採取や生産効率も高まっていく。ソロプレイのほか、協力マルチプレイにも対応する作品だ。

今回弊誌は、本作を手がけるWindrose Crewにてプロデューサーを務めるPhil氏にインタビューを実施。突然大注目を集める本作をどのようなチームが作っていて、どういった経緯で生まれたのかを訊いた。

──自己紹介をお願いします。Windrose Crewとはどのようなチームなのでしょうか?

Phil氏:

 Windrose CrewのPhil、別名Yar_masterです。私たちのゲームに興味を持ってくれてありがとうございます!チームは現在およそ60人ほどで、加えていくつかの作業は外部委託することもあります。チームメンバーの大半はかなり経験豊富で、ゲーム開発においてさまざまな経験を積んできています。ただし、『Windrose』はチームとしては初めての作品です。

──本作は海賊ゲームですが、開発チームが好きな海賊ゲームはありますか?

 Phil氏:

 チーム内での共通認識としては、やはり『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』が史上最高の海賊ゲームだと考えています!チームのほとんどはコアゲーマーで、サバイバルゲーム、ソウルライク、海賊ゲームなどそれぞれお気に入りのゲームに数千時間費やしています。

──先発の人気作もありますが、やはり初開発作品に海賊がテーマのゲームを作ったのは海賊ゲームが好きだからですか?

 Phil氏:

 それもありますが、私たちが作りたかったものと、プレイヤーが遊びたいと思っているものが噛み合っていたと思ったからです。私たちは海賊というテーマが大好きですが、この分野の需要は十分に満たされていないと考えています。同時に私たちはサバイバルゲームも大好きです。『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』『Valheim』『Enshrouded』など多くの素晴らしいゲームからインスピレーションを受け、サバイバルを核としつつ、冒険と探索に強く焦点を当てた独自のPvE海賊ゲームを作り上げました。

──開発チームの「好き」を詰め込んだゲームになっていそうですね。そんな『Windrose』ならではの、海賊ゲームとしての特徴を教えていただけますでしょうか?

 Phil氏:

 海賊のゲームは多ければ多いほどいいですからね(笑)本作ならではの特徴としては、クエストや探索を伴う冒険、包括的な建築・クラフトシステム、“ソウルライト”な戦闘、そして船と陸のシームレスな移行ができる魅力的な海戦要素という、各種要素の組み合わせに持ち味があると考えています。「海賊旗を掲げたい」と思う人々にとって、究極の冒険になっていますよ。

──ソウルシリーズの影響を受けつつもそれほど難しくない“ソウルライト”な戦闘にしていることは、過去のインタビューでも語られていましたね。難しいゲームに採用されがちな戦闘スタイルですが、決め手はなんだったのでしょうか?

 Phil氏:

 開発初期にリサーチを行う中で、多くのサバイバルゲームは戦闘システムにそれほど重点を置いていないことに気づき、『Windrose』では戦闘に特徴をもたせたいと考えました。ソウルシリーズの戦闘システムは非常に没入感があり、調整を加えることで本作のテーマにもよく合わせられると考えています。たとえば、本作ではローリング回避は使わず、代わりにダッシュ+パリィを採用しています。というのも、海賊がローリング回避をするとは思えなかったからです(笑)まだ必要な調整は多く残っていますが、戦闘システムはかなり高いところを目標に置いていますね。

──本作は今は『Windrose』というタイトルですが、元々MMO系のゲーム「Crosswind」として開発されていたものの、路線変更と共に改名された経緯があると聞いています。詳しく教えていただけますか?

 Phil氏:

 サバイバル系ゲームにするという目標は当初から変わっていませんが、PvP中心のMMOから、PvEアドベンチャーゲームに移行しました。同時に基本プレイ無料のライブサービス型から買い切り型へとビジネスモデルも変更しました。当初のライブサービスゲームを維持することは、私たちには適切に扱えないほど非常に大規模なプロセスを要し、はるかに多くのリソースを必要としていたのです。

路線変更は実質的に「新しいゲーム」を作る必要がある決断でしたが、正しい判断だったと考えています。当初本作に惹かれたプレイヤーの大多数も買い切り型のPvEアドベンチャーを望んでいたようで、プレイヤーの要望と私たち自身のビジョンが一致したことを嬉しく思っています。

──路線変更において具体的にはどのような苦労があったのでしょうか?

 Phil氏:

 全体として大きな挑戦でした。ゲームのあらゆる領域において、内部的な技術からプレイヤー向けのコンテンツやメカニクスに至るまで、ほとんどの古い要素を破棄し、ゼロからやり直す必要がありました。とはいえ、以前のコンセプトに対して未練はありません。プレイヤーにより気に入ってもらえるものを作ることを目指しました。

──基本プレイ無料ではなく買い切り型にすることで、開発にどのような影響がありましたか?

 Phil氏:

 基本プレイ無料のライブサービスを維持するには、いわゆる課金コンテンツの制作のために多くのリソースが必要になります。買い切り型にしたことで、課金コンテンツの継続的な供給を気にすることなく、コアゲームの改善にすべてのリソースを使えるようになりました。どちらのモデルがより良いなどという話ではありませんが、本作については買い切り型の方が、私たちのチームにもプレイヤーにも適していたと考えています。

──そうした決断も功を奏してか、今年2月のSteam Nextフェスで配信されたデモ版は2万人以上の同時接続プレイヤー数を集めていましたね!(関連記事)この成功要因は何だと思いますか?

 Phil氏:

 やや非現実的な感じで、そしてとても身の引き締まる思いです。もちろん、約80万件のウィッシュリストを抱えてSteam Nextフェスに臨んだ時点で、デモにある程度の反響があることは予想していましたが、ここまで爆発するとはまったく思っていませんでした。

関心のあったすべての人が実際にゲームを試せる機会になったことが、盛況に繋がったかと考えています。デモ版のボリュームを増やし、さらに協力プレイを成立させるのは大変でしたが、間違いなくやる価値がありました。プレイヤーたちは大いに楽しんでくれたようですし、フレンドと一緒にプレイした人も多かったようで、嬉しかったです。またデモに数十時間、さらには数百時間を費やしている人たちがいるのを見て驚きました。デモを遊び、時間を割いてくれたすべてのプレイヤーに対して感謝しています。

──ウィッシュリスト登録数は150万件を突破したとお聞きしています。

 Phil氏:

 当初のもっとも楽観的な予測さえも上回っていて、ここまでのウィッシュリストの増加は予想だにしていませんでした。フィードバックについても膨大に集まっていて、嬉しい悲鳴ですね(笑)すでにデモ版のフィードバックに基づいて、早期アクセス版におけるさまざまな改善やQoL向上の範囲を決めており、非常に役立っています。ぜひ早期アクセス版をプレイして変化を確認していただければと思います。

──Pocketpair Publishingとはどのタイミングで契約を結ばれたのでしょうか。決め手はありましたか?

Phil氏:

 デモ版に関する一連の流れと並行して進んでいました。決め手となったのは、そのジャンルにおけるポケットペアの専門性と、私たちがより強くサービスを打ち出したい日本における知見、さらに重要な点として、会社としての精神がどこか似ていることです。ポケットペアもまた情熱的なチームであり、『Palworld / パルワールド』に多大な努力と魂を注ぎ込んできました。そして今も進化させ続け、プレイヤーを満足させるために努力を続けています。私たちはそうした姿勢を尊敬しており、価値観も共通していると感じています。

──日本向けの展開も強く意識されていると。現状では日本ではどのくらい人気があるのでしょうか?

 Phil氏:

 当初は日本で大きな反響はありませんでしたが、Pocketpair Publishingと契約を結んでからは最初の数週間の時点でも、日本でのデモプレイヤー数が増加しているのが見えており、ウィッシュリスト数にもその傾向が現れ始めています。この動きをとても嬉しく思っており、今後さらに成長していくことを期待しています。より多くの日本のプレイヤーを『Windrose』に迎えられることを楽しみにしています!

──さっそく日本でも人気の高まりを感じているんですね。それでは最後に、日本の読者に向けてメッセージをお願いします。

 Phil氏:

 みなさまの『Windrose』のサポートと熱意に感謝します!皆さんの期待に応えられるよう最善を尽くしてまいります。大海原でお会いしましょう!

 ──ありがとうございました。

『Windrose』はPC(Steam/Epic Gamesストア/STOVE)向けに4月14日に早期アクセス配信開始予定だ。

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Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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