カプコン完全新作『プラグマタ』、まずは「多種多様なPC環境」で快適プレイを実現すべく、Steam体験版を先に配信。最適化のこだわりなどを開発陣に訊いた

『プラグマタ』のプロデューサーの大山直人氏とディレクターの趙容煕氏に向けて合同インタビューが実施されたため、その内容をお届けする。

カプコンは12月12日、『プラグマタ』を2026年4月24日にリリースすると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|Sに加えて、今回Nintendo Switch 2が追加されたことも明かされている。このたびプロデューサーの大山直人氏と、ディレクターの趙容煕氏に向けて合同インタビューが実施されたため、その内容をお届けする。

本作はTPSとパズルを組み合わせたアクションアドベンチャーゲームだ。舞台は近未来、夢の素材「ルナフィラメント」を研究する月面施設。連絡が途絶えた施設の調査に向かった「ヒュー・ウィリアムズ」は、月震により仲間とはぐれ重傷を負ってしまうが、アンドロイドの少女「ディアナ」に助けられる。暴走したAI「IDUS」が繰り出すロボットが襲いかかるなか、ふたりは互いに助け合いながら、施設からの脱出を目指す。ディアナのハッキング=パズルと、ヒューのTPSアクションを並行して進める独創的な戦闘システムが特徴だ。

本作は複数回のリリース延期がおこなわれてきたが、このたびついに発売日が決定。またあわせてSteam向けに体験版が配信された。体験版やNintendo Switch 2版に関する質問を中心に、プロデューサーの大山氏と、ディレクターの趙氏に向けてメディア合同インタビューが実施された。

── 本作は延期を重ねてきましたが、延期の決断に至った背景にどのような苦悩がありましたか

大山氏:
一番の理由としては、ゲームがお届けできる十分なクオリティに達していなかったところがあります。新しい作品なので、中途半端な状態では受け入れてもらえないだろうという判断でした。

初期のトレイラーの2人同時操作のコンセプト自体は決まっていましたが、どうゲームシステムに落とし込むのか試行錯誤していました。システムの実現と、システムが決まってからのバランス調整が延期の理由のほとんどを占めています。

── 今回初の体験版がSteam向けに配信されましたが、その内容をご紹介していただけますか。

大山氏:

今日公開した体験版は本編とは切り離されていて、本編のステージは使っていますが進め方も違います。これまで出展してきたROMとも敵の配置などが違っていますね。

2周目以降も楽しいようにサプライズ要素もありますし、本作のユニークなハッキングとシューティングをまずはPCで体験してもらうことを目的にしています。

── 体験版の一番の売りや、どんな人に向けているのかを教えてください。

大山氏:

新しいゲーム性の作品なので、新しいもの好きの人にいち早く触ってほしいですね。触ってみないとイメージがつきづらいので、様子見してた人もぜひ体験版をプレイしていただきたいです。

趙氏:
それ以外にもSFの世界観が大好きな人だったり、バディものが好きだったりする人におすすめできる内容です。あと、私はそんなに少女キャラ好きというわけではなく男性キャラ推しなのですが、皆さんディアナを気に入ってくださっていて驚きもありつつ嬉しいです(笑)

大山氏:
チーム内にももちろんディアナ好きがいるので、双方から愛を注がれた結果本作が作られています。

── パズル要素となっているハッキングの手応えには自信がありますか。

趙氏:

シューターをしながらパズルを同時にするのは初めてだと難しいと思われるかもしれませんが、やってみればできるんだと思えるバランスです。とはいえステージ後半にかけてどんどん難易度が上がるので、変化も楽しめるようになっていますね。

大山氏:
難易度自体は体験版なので抑え目ですが、開発チームとしてパズルの出来栄えは一番時間をかけたといってもいい部分です。満足していただけるかと思っています。

趙氏:
パズルは好き嫌いが分かれるジャンルですし、難易度が上がると楽しさよりも煩雑さが勝たないように、何度も繰り返しバランスをとっています。

── Steam向けに先に体験版を配信した理由はありますか。

大山氏:

PC環境はCPU、GPUのほか、モニターとの組み合わせ、配信アプリを起動しながらプレイされる方など本当に千差万別です。そのためSteamでは個別の調整は非常に難しくなります。

そこである種の“早期アクセス”ではありませんが、Steam版だけ先行して体験版を配信して、より完全なかたちで製品版をリリースできるように重点的な調整をおこなう方針です。また本作のマウス・キーボード操作を世界で初めてプレイしていただく機会にもなっていて、その手触りにも注目していただければと思います。

── Steam体験版はかなり快適に動作していました。各ハードの最適化でこだわった部分と難しかった部分はありますか。

大山氏:

こだわりを捨ててでも快適度を優先しようという方針はありました。グラフィック面はこだわればこだわるだけ画質は綺麗ですが処理は重くなります。チームとしてはより良いものを見せたいという思いはありますが、まずは幅広い環境でフレームレートを担保してからグラフィック品質を上げていくという作り方でした。

趙氏:
ディレクターとしては「これをやったらフレームレートが下がる」といった判断を重ねるうちに諦めるところもあり辛かったです。ただ一番大事なのはフレームレートで、最適化を最優先にして安定させることができたかと考えています。

── トレイラーでは改めてニューヨークや猫のキャラクターが出てきましたが、どのような世界観なのでしょうか。

趙氏:
舞台は月面ですが、最初から最後まで色のない世界だと飽きが来るので、猫やニューヨークといったカラフルで遊びたくなるような世界を作りました。設定的には、ナノフィラメントのプリンターで月に地球と似たような場所を作っているかたちです。

── 東京ゲームショウ2025で試遊した『バイオハザード レクイエム』のNintendo Switch 2版は非常に快適でした。『プラグマタ』のNintendo Switch 2版はどのような出来栄えになっていますか。

大山氏:

現時点で『バイオハザード レクイエム』と遜色ないレベルに仕上がっている手ごたえは感じています。コンソール版の体験版も後日配信されるので、皆さんにお試しいただけるかと思います。十分に楽しんでいただけるものとして仕上げているところなので、もう少しだけお待ちいただければと思います。

ちなみにRE ENGINEとSwitch 2は親和性が高くて、思っていたよりも順調に開発が進んでおり、余裕をもって発売に間に合いそうです。Switch 2版のために発売日を遅らせたわけではまったくないです。

── Nintendo Switch 2版はマウス・タッチ操作に対応していますか。またamiiboの連動特典はありますでしょうか。

大山氏:

マウス・タッチ操作には対応していません。 

amiiboについては、ステージの中で読み込むと武器・回復アイテム・ハッキングノードがドロップするようになっています。攻略に役立ててもらえるかと。

── ディアナのamiiboのポーズがかわいくて気になったのですが、何のポーズですか。

大山氏、趙氏:(笑)

趙氏:
これは説明しづらいのですが、花畑があるところで1人でルンルンしている感じのディアナを見ているヒュー、というイメージでした。

大山氏:
海が出るホログラムのシーンを公開しましたが、波打ち際だったり花畑だったり下に何か嬉しいものがあるところで、ディアナがバランスを取りながら戯れているというポーズです(笑)

── 体験版のプレイ特典はありますか。また、体験版では2周目で落書きスーツを獲得できますがこれは引き継げないのでしょうか

大山氏:

Steam版だけ先行ということもあり、特典やセーブデータの引き継ぎはないですね。

2周目の落書きスーツは、現状は体験版用にチームの遊びとして用意しただけなので約束はできませんが、もし気に入ってくださったらぜひSNS等でコメントしていただけると嬉しいです(笑)

プラグマタ』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2向けに2026年4月24日発売予定。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

記事本文: 3504

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。