中世オープンワールドRPG『キングダムカム・デリバランスII』開発者インタビュー。やたらリアルハードコアゲームは、次なる作品で「ヨーロッパに舞台を移した侍の物語」な中世欧州歴史学習ゲームを目指す
パブリッシャーのPLAION/Deep Silverは、Warhorse Studiosが手がける『キングダムカム・デリバランスII』を2025年2月12日にリリースする。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。日本語表示および日本語音声にも対応予定だ。
『キングダムカム・デリバランスII』は、一人称視点のオープンワールドアクションRPG『キングダムカム・デリバランス』の続編だ。舞台となるのは15世紀初頭の騒乱の地と化したボヘミア王国。プレイヤーは、故郷と家族を失った男ヘンリーとなり、復讐を果たすために騎士見習いとしてボヘミアを奔走する。本作ではボヘミアの大都市クッテンバークや自然溢れるボヘミアン・パラダイスを新たな舞台に、ヘンリーの新たな冒険が描かれる。
この度、弊誌は本作の開発チームインタビューと試遊会に参加。『キングダムカム・デリバランスII』を手がけるWarhorse StudiosにてPRマネージャーを務めるTobias Stolz-Zwilling氏に対してインタビューを実施する運びとなった。本稿ではその模様をお届けしよう。
Tobias Stolz-Zwilling氏
──前作『キングダムカム・デリバランス』は、中世の世界を色濃く反映したリアリティ溢れるゲームプレイが魅力でしたが、それは本作にも受け継がれているのでしょうか?
Tobias Stolz-Zwilling(以下、Tobias)氏:
はい。『キングダムカム・デリバランスII』は前作をより良くしたものとして、前作に出てくる要素をより良いかたちにしています。ですので、ストーリーも前作より深く、より暗い内容となっていますが、面白いところ、笑えるところもいっぱいありますよ。
──本作ではフス戦争前の混沌とした中世が描かれると伺っています。緊張感溢れる世界でどういった物語が描かれるのでしょうか?
Tobias氏:
2011年頃、次はどんなゲームを作ろうかと考え始めた時期、 期間は短く、他と区別でき、かつ、さまざまな物事がすごく早い期間で起こった面白い時代はどこなのかということを考えました。そうして『キングダムカム・デリバランス』の時代背景が、フス戦争の直前の様子を描くということが決まりました。
ゲームの舞台は1403年で、フス戦争が始まったのが1410年です。そのため、ゲーム内でも、フス戦争がこれから始まることの暗示がたくさん出てきますし、戦争前の緊張感も表現されています。内乱や、宗教的な対立を見かけることもあるでしょう。また本作には、フス戦争に関わってくるキャラクターも登場します。
──移動するたびに敵と出会うリスクのあるファストトラベルや、アイテムがないとセーブができないシステムなど前作にあったハードな部分は本作に引き継がれていますか?また、そういった部分は一方で不便であると言われていましたが、その点はどう受け止めたのでしょうか?
Tobias氏:
基本的には前作のシステムと同じですが、それがより良くなったかたちで引き継がれています。たとえば、前作ではセーブをするのに「救生酒のシュナップス」というアイテムが必要でしたが、見つけるのも難しく、購入するにも値段の高いレアアイテムでした。これは我々でも少しミステイクだと感じた。なので、本作では、システムは同じですが、もっと簡単に入手できるようにしています。
アイテムを消費しないとセーブできないというシステムを変えていない理由として、自分で行った選択を大事にして欲しいというのがあります。セーブ数に限りがあることで、自分の選択によって影響されるゲームの展開を楽しめると思っています。ファストトラベルに関しても、前作と同じで、移動中に敵から強襲される可能性がありますね。
──前作ではひ弱な主人公ヘンリーを成長させていくのが楽しい要素でしたが、本作にもそういった育成要素はありますか?前作の終盤で心身ともに成長したヘンリーをどのように再び成長させていくのか気になります。
Tobias氏:
いい質問ですね!前作では、少年ヘンリーから青年ヘンリーへ、大人になる過程を描きましたが、『キングダムカム・デリバランスII』ではもっと大きなステージを舞台に、青年ヘンリーの戦いが描かれます。
前作でのヘンリーは単独行動がメインで、田舎の小悪党たちと戦っていましたよね。戦いの規模も非常に小さかったです。本作では、鍛えられた兵士たちと一緒に戦ったりとか、貴族や王様も関わっていきます。そうなると、ヘンリーもまだまだ学ばなきゃいけないこと、鍛えなきゃいけないことがあるというわけです。
『キングダムカム・デリバランスII』では、青年ヘンリーが戦士へと変化していく過程が描かれます。戦士になる過程では、いい結果をもたらすために、自ら危険な選択をすることもあります。彼は普通の男の子なので、ヒーローではありません。右に行っても左に行っても悪いことが起きる状態での意思決定をヘンリーは行うようになるわけです。
──本作にて新たに登場するロケーション「トロスキー城」は、17世紀前半に焼け落ちてしまい過去の資料が残ってないということを伺いました。本作では焼け落ちる前のトロスキー城をどう再現したのかっていうところが気になります。
Tobias氏:
(手元のPCを見ながら)インターネットが繋がっていてよかった(笑)今日は私が案内人として、チェコのガイドをします!(現在のトロスキー城の画像を見せながら)今の状態がこれですね。ほとんど壊れていて、遺跡のようになっています。トロスキー城は元々1395年、14世紀の末に完成しました。『キングダムカム・デリバランスII』は1403年を舞台としているので、まだ完成して数年しか経っていない状態のトロスキー城を再現したのです。
どう再現したかと言いますと、開発チームにいる歴史家と協力し、美術館や、建築家から情報を得ました。情報がない部分は、大体同じ時期ぐらいに、他の国で建てられた城を見て、建築様式を学び、最も可能性の高いものを当てはめていきました。
撮影したトロスキー城の写真を見せてくれるTobias氏
──日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
Tobias氏:
まずは、『キングダムカム・デリバランスII』を日本で発表できることができることが、すごく嬉しいです。本作は歴史を学ぶことができるゲームとして、学校の授業のような退屈なものではなく、楽しく中世のヨーロッパを学ぶことができます。
また、本シリーズは、ヨーロッパに舞台を移した侍の物語という考え方もできます。すべてを失った人が、色々と学びを得て、最終的にはかたき討ちをするという物語は、日本の作品でもよくあるのではないでしょうか。それを600年前の中世ヨーロッパではどのように行われたのかというのを、ゲームを通してお見せしたいなと思います。日本のファンのみなさん、すごくかっこいいゲームなので、ぜひプレイして楽しんでください!
『キングダムカム・デリバランスII(Kingdom Come: Deliverance II)』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに2025年2月12日に発売予定だ。
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