Nintendo Switch『ガブッチ』開発者インタビュー。受託開発を続けてきたハ・ン・ドの初パブリッシング作品は「カジュアルな高難易度ゲーム」

ハ・ン・ドは1月24日、Nintendo Switch向けパズルアクションゲーム『ガブッチ』を発表し、1月31日に配信すると告知した。長年受託開発を続けてきたハ・ン・ドが手がけるパブリッシングタイトルの内容に迫るべく、開発スタッフへのインタビューをお届けする。

ハ・ン・ドは1月23日、Nintendo Switch向けパズルアクションゲーム『ガブッチ』を、ニンテンドーeショップを通じて配信すると発表した。発売日は1月31日で、24日0時からあらかじめダウンロードが開始される。価格は税込800円で、あらかじめダウンロード期間中は半額の400円で購入可能。 『ガブッチ』は、受託開発を25年続けてきたゲーム会社ハ・ン・ドが発売する、初のセルフパブリッシングタイトルとなる。

『ガブッチ』は、アクションパズルゲームだ。プレイヤーが操作するのは、食いしん坊の生き物ガブッチ。ブロックやエサを食べるのも好きだが、一番の好物はハートのクッキー。最終的に、ステージごとに設置されたこのハートのクッキーを食べることが目標となる。道中にはブロックが設置されており、これらのブロックを食べると高得点になる。一方でブロックは足場の機能も果たしており、すべて食べてしまうと足場が足りず先へ進めなくなることも。できるだけ多くのブロックを食べながら、クッキーという名のゴールを目指すという形になる。

実際にビルドをさわらせていただいたが、前述した説明からもわかるようにゲーム自体は非常にシンプルだ。移動とジャンプ、そして色変えというコマンドが存在する。ブロックには色が設定されており、たとえばガブッチが白の状態なら白のブロックを食べ、ガブッチが赤の状態なら赤のブロックを食べる。つまり、白のガブッチにしておけば、白のブロックを食べつつ、赤のブロックに乗ることができる。このように、色を揃えたり、もしくは異なるものに調整することで進んでいく。

ただし、すべてのブロックを食べてしまうとゴールへとたどり着くことができなくなる。足場を残しつつクッキーを目指すという目的と、色変えギミックの影響でパズル自体はかなり奥深い。どれを道として残しながらブロックを食すかは、かなり悩ましくなるはずだ。ステージが進むにつれて頭をひねらなければ クリアできないステージも多数。各ステージにはミッションが設けられており、所定の条件をクリアするといったやりこみ要素もある。シンプルな奥深いデザインは『ハコボーイ!™』 を強く彷彿とさせる。

『ガブッチ』はシンプルでありながら奥深いパズルアクションゲームとしても興味深いが、ゲーマーとしては長年受託開発会社 として活躍してきたハ・ン・ドの初パブリッシング作品という点も見どころである。なぜこのタイミングでセルフ・パブリッシングをしようと考えたのか。そしてなぜ『ガブッチ』なのか。本作のプログラマーでありディレクターの馬場翔太氏、プロジェクトマネージャーの今橋雅史氏、プロデューサーである執行役員の鈴木貴宏氏にお話をうかがった。

 

――あらためて『ガブッチ』の紹介をしていただけますか。

馬場:
『ガブッチ』は、ステージクリア型のパズルアクションゲームです。主人公はガブッチという名前で、左スティックで移動して、Aボタンでジャンプするというのが基本操作になります。ガブッチは食いしん坊なので 、ステージにあるブロックに接触すると食べてしまいます。一般的なアクションゲームのコインにあたるエサというアイテムも存在します。ガブッチは色変えができ、自分と同じ色なら食べ、違う色なら食べることができないという形です。ブロックを食べながらゴールを目指すというのが基本の形になりますね。

ステージは180個されています。最大では240近くあったのですが、社内でテストプレイを実施した際に間延びしているという声もありましたので、180に減らしました。プレイ時間としては8時間~12時間程度遊べるイメージで開発しています。ひとりプレイ向けの作品になります。

プログラマー兼ディレクターの馬場翔太氏

――ハ・ン・ドは受託開発会社として実績を残されてきましたよね(リンク)。なぜこのタイミングでパブリッシングする道を選んだのですか。

馬場:
Nintendo Switchなどで、インディーゲームなどをパブリッシングしやすい環境になったことが理由としてあげられます。ハ・ン・ドとしてもパブリッシングをやっていきたいという思いがあったんです。ただ、いきなり大きなものを作るというのは大変なので、自分がプログラマーとしてひとりで『ガブッチ』という2Dアクションパズルゲームを作っていました。多言語に対応しており、まずはNintendo Switchでリリースして成功すれば他のプラットフォームも考えてみたいと思っています。

 

紆余曲折を経た開発

鈴木:
最初出す時にすごいモメたんだよね。ハ・ン・ド自体は札幌を本社として設立26年目、東京の会社ができて13年目になります 。2018年7月には名古屋のスタジオもできましたね。 これまでにも、何度もオリジナルの企画をパブリッシャーさんに持ち込んで共同でやりましょうという話になったものの、いろいろあり出せなくなる ということもありました。そのほかにも、受託の案件が押し寄せてきて、仕方なく一旦止めるということで、なくなくやめるということもありましたね。たまたまプログラマー の馬場が東京から名古屋に戻るというタイミングがあって、ひとりでやるには丁度いいタイミングなのでやろうという形になりました。

うちの会社の経営陣は、受託メインでやってきたにもあり、なかなか自社でリリースするという部分に踏み切るという判断がし難いんです。そこは開発会社の宿命でもあるなと思ってます。
そんな中、僕や僕の絡みで入ってきたパブリッシャー出身のプロデューサー経験者が3,4名いるので、馬場から上がってきたゲームを見て「見た目もシンプルだけど、今のSwitchのラインアップには無いから、そこそこ行けるんじゃないか?」と。ただそこからは喧々囂々でしたね(笑)。「このグラフィックでだすの?」「グラフィックが良ければ売れるわけじゃないだろ!」みたいな問答に(笑)。

プロデューサー/執行役員の鈴木貴宏氏

――個人的には、さわった感触としては、UIは快適で操作するのも気持ちよく、老舗会社らしいゲームだなという印象を抱きました。

馬場:
社内のプレイテストで「こうしたほうがいいんじゃないか」といった指摘をいただいたので、ブラッシュアップをできたというのはありますね。もうひとつ目玉としては、ステージエディットを搭載しております。オンラインでの共有には非対応ですが、ギミックもそれなりに用意しています。たとえば「かくれブロック」と呼ばれる、ガブッチが一回通ると出現するブロックなどのギミックが用意されています。これらを使いステージを作り上げて、テストプレイにてクリアすることができれば、ステージが完成という形です。

――個人的にプレイをさせていただいた上で気になったのは、ガブッチのジャンプにおけるふわっとした挙動ですね。ジャンプはボタンの押す長さに関係なく、ふわっとジャンプするのかなと。

馬場:
開発初期はジャンプのアニメーションはかなり速かったんですが、テストプレイを見ているとプレイヤーさんにとって「考えながら操作する」 というのが難しく感じられていると気付きました。キビキビしたジャンプはストレスにつながると考えたんですよね。実際に、解き方がわかっているのにミスをしてしまうという意見を多くの方からいただきました。それを踏まえ、テンポが悪くなりすぎず、かつ遊びやすく、ということを考慮し、この速さになりました。また、ジャンプボタンを押す長さでジャンプの高さが変わってしまうと、固定ジャンプだからこそできるギミックが解けなくなるという懸念もありました。いろいろ考えた末の選択です。

鈴木:
パズルに寄せるのか、アクションに寄せるのかというのは、社内でも意見が真っ二つに割れましたね。

――最近のアクションゲームは、ジャンプの挙動が重い作品も多いですが、軽いのは意図的であると。

馬場:
そうですね。ジャンプの挙動は、アクション寄りからパズル寄りにした結果です。

鈴木:
当初、名古屋スタジオには大手パブリッシャー出身のプロデューサーがいて、彼はあんまりゲームがうまくなくて(笑)。そういうのを見ながら、調整を進めていきましたね。

――反対もありながらも、徐々に信頼を得ていったと。

鈴木:
そうですね。『ガブッチ』は、馬場はもちろん、僕のような裏方、そのほか社内の人間がさわってみて「これはいいよね」という口コミが社内で広まっていったタイトルなんですよ。たとえば、札幌では藤井という古株のマネージャークラスのスタッフが『ガブッチ』を推してくれていました。しこたま遊んでくれていたんです。グラフィック云々というよりも、ゲームの遊びとしてどうかという点について、フィードバックしてくれましたし、僕の知らない所で弊社の社長に「これは出すべきだ!」と直談判までしてくれていました。そういう人がいるというのは、やはりハ・ン・ドがデベロッパーとして20何年培ってきた部分に入ると思いますね。馬場は若手ですが、そういったベテランに指導されるうちに、ゲーム作りの文化が受け継がれており、そういうのが入っているゲームになったんじゃないかなと……期待してます(笑)。

 

ハ・ン・ドらしさ

――グラフィックについては、あまり強調されていませんが、インタフェースやアニメーション、エフェクトなどは、整理されていたり動きがあったり、ユーザーを喜ばせる熟練の技が込められていると感じました。

馬場:
私は、ハ・ン・ドで働き始めて6年目になります。自分が今回『ガブッチ』を作っていて、ハ・ン・ドでよかったなというのは、さきほど鈴木が話していたように、長年ゲームを作ってきているゲーム開発者に、手触りを含めたアドバイスをもらえることです。自分みたいな6年目の人間でも、そういった意見をもらえて、ゲームを作ることができるのが、ハ・ン・ドのよさやハ・ン・ドらしさかなと思います。

鈴木:
いろんな学生 さんと話している時に、ハ・ン・ドの特徴ってなんですか? と聞かれます。ハ・ン・ドの実績としては、世界的IPホルダーの会社さんやスクウェア・エニックスさんなどと多く仕事をしていることもあり、よくグラフィックの部分が推されるんですが、僕らもいろんな仕事をやってきたこともあり回答が悩ましいんですよね。何を強みとすればいいんだろうと。ただ今回『ガブッチ』をやって「社内の層が厚い」 というのが浮かびました。社内から、それぞれのレイヤーのフィードバックが返ってくる。そういうのが、あらためて気付かされたハ・ン・ドのよさかなと思います。

――個人的にはハ・ン・ドさんの作品は、ユーザーが気持ちよく遊べるような配慮が構築されており、それが「ハ・ン・ド イズム」なのかなという印象を持っております。

鈴木:
本当だったら『ガブッチ』はもっとはやくリリースできたと思うんです。ただやっぱり、せっかく出す上で、お客さんが手にとった時に、やってみてよかったよねと思ってもらいたい と思いました。なので、もっと時間を稼ぐことにしましたね。僕は会社から予算を獲ってくるのが仕事なので、彼らとやりあった結果チューニングの時間もとれたのかなと。速く出したい気持ちもあったんですが、手触り感なども意識しつつ、バランスをとってスケジュールできたんじゃないかと思っています。

――あまり急がずに、じっくり作られたタイトルであると。

鈴木:
そうですね。プロデューサーとして長くやっている経験からを考えても、基本的に やっぱりゲーム作りは納期に追われるんですよ。受託を やっていると納期ありきになっていってしまう部分が大きい。それでも、極力開発 スタッフのこだわりたいところには、こだわらせたいんですよね。そこが難しいところではあります。『ガブッチ』は、馬場ひとりで作らせているので、工数を考えても多少オーバーしたところで……みたいなところはありました(笑)。そこは逆に、一本目なので、思いっきりやってしまったほうが、この後も続きやすいかなと思っていました。札幌スタジオや東京スタジオでもでも、オリジナルのもの を作りたいという機運が出てきているので、中途半端に終わってしまうと、社内でまた風向きが変わってしまうかもしれない。それは嫌だなあと。

馬場:
『ガブッチ』のシステムは、2018年7月末に出来上がっていまして、そこから先は手触り感やステージのバランス調整にずっと時間をかけています。

――少しさわっただけですが、ステージのレベルデザインに並々ならぬこだわりがこめられているというのは、すぐにわかりました。

馬場:
プログラマーとしては、レベルデザインというのはあまり関わりがない分野で……新鮮さも苦労もありました。

鈴木:
もうディレクターになれるね!

一同:
(笑)

馬場:
プログラムについては、スケジュールも余裕をもって用意してもらっていたので、楽に完成させられたのですが、8月あたりに社内のスタッフにテストプレイをしてもらったところ、「ステージの後半つまらないね」といったフィードバックをもらいまして……。

鈴木:
結構辛辣だったよね(笑)。

馬場:
そこからは、家に帰ってもステージエディターを開いて、考える日常でした。この前数えてみたところ、かれこれ1000ステージは考えました。

鈴木:
そこまで!?初めて聞いたよ。

馬場:
面白くならないのは、ギミックが足りないからじゃないかとか考え、ギミックを足してみたりステージを広げたり、特殊なものを入れるうちに、気がついたら1000ステージ作っていました。そこから「どのステージが面白いか」「どのような順番で登場させるのが良いのか」を考えていきました。

――夢見そうですよね。ステージを作っている夢。夢から目覚めて「あ!思いついた!」とひらめく。

馬場:
ありました!(笑)。そこから慌ててパソコンを立ち上げました。ステージを作るだけ作って保存する。そういう意味で、普段使わない頭をとにかく使いました。そういう部分でも、いろんな方が協力してくださった。つまらないと言ってくださる方がいて本当によかったなと。

鈴木:
プロデューサーとしては、ステージ数は200あると聞いてから、多すぎてもアレなので、数をセーブしたいなとは思いました。200超えた段階で「ちょっと多くない?」と考え始めて。見るたびにステージが増えていたりとか。

馬場:
デバッグしていると、こういうステージも面白いなと思い浮かんできて(笑)。ただ、最初はデバッグも一人でしていたんですが、多言語対応とかも絡んできたので、札幌のスタッフにも基本のデバッグとローカライズデバッグも手伝っていただきました。

今橋:
いきなり人が増えたよね(笑)。僕もそうだし。

プロジェクトマネージャーの今橋雅史氏

 

ゆるいサウンドの魅力

鈴木:
東京スタジオには僕の古巣で一緒だった村田というコンポーズも出来るサウンドプロデューサーがいて、彼に見せて「こういうイメージの曲を作って」と伝えました。

――口笛?縦笛ですかね。ゆるい音楽がいいですよね。

馬場:
『ガブッチ』のデザインを考え、子供がリコーダーを外したような音楽をイメージで作ってもらいました。名古屋スタジオのメンバーに『ガブッチ』を見せた時、デザイナーさんがこのゲームに合う音楽がありますよと提案してくれました。それが、今回のリコーダーサウンドでしたね。それをもとに、村田に作ってもらいました。

鈴木:
一昔前に「スターウォーズ」のダース・ベイダーのテーマを縦笛で吹く音楽が流行りましたよね。あんな感じにお願いしました。何曲ぐらいになったんだっけ。

馬場:
ゲームボリューム的に、楽曲がそれほど多く作る必要がないので、余った時間で色々楽曲提案してもらいました。作っていただいたのは約10曲 で、使ったのは4曲 ぐらいですね。

今橋:
SEとかもこだわっていて、ミッションを2つクリアした時のサウンドはクセになるんです。ただ、1つしかクリアできていない場合は……悔しいんです。

――スペック面なども気になるので、Nintendo Switchの解像度などを教えてもらえますか。

馬場:
TVモードは1080p、携帯/テーブルモードでは720pで動作します。ゲームエンジンはUnityを採用しています。昔からUnityに関する技術ブログもやっていましたし。

鈴木:
技術検索すると、馬場のブログを見つけたことあります。

馬場:
Unityの界隈は、勉強会などが盛んです。『ガブッチ』をリリースした後はどうやって作ったのか、ひとりで作る上で重視していた部分を、コミュニティにも共有していきたいですね。受託開発をしていると、技術的に少し面白いことができたとしても、それを外に出しづらいので。パブリッシングをする場合は、社内の許可さえ降りれば公開できるので、ゲーム開発者向けにも何か提供できればいいなと。

 

難しさのバランス

鈴木:
実は難易度の調整については苦労していました。最初難しかったので、「解答」みたいなものをゲーム内に入れようとしていたんですが、札幌スタジオのスタッフにいらんと言われまして。ネットで解き方を拡散してもらうべきだと。

――確かに、今だとそういうシェアは重要ですよね。

馬場:
インディーゲームになると攻略サイトの数が少なくなるので、もしそうしたサイトができなかった際に、詰まったユーザーさんがゲームから離れてしまうんじゃないかという不安がありました。そうなるなら、ゲーム内に解答を入れておくべきなのではないかなとも思いました。ただ、札幌スタジオの方にテストプレイをしていただいた際、YouTuberさんやVTuberさんがいらっしゃるので、そこに期待させていただこうと。発売後の様子を見て、公式ホームページで解答を用意するという対応もできますしね。

――Nintendo Switch向け某間取りゲームは、解答は公式ホームページにのせるというやり方でやられていましたね。個人的にあのやり方は、(ゲーム内で答えを見つけられないので)すぐ答えを見れるわけではないということから、ある程度プレイヤーを我慢させるという点で、良いやり方だと感じました。

馬場:
そうですね。色々考えたのですが、最終的にはせっかくコンシューマーゲームなので、自分で考えていただいて、解けた時の達成感を味わってほしいと現在の方向で決めました。

――インタビューさせていただく前の段階では、カジュアルゲームとお聞きしていたので、うちで扱えるか不安でしたが、見た目こそカジュアルですが、結構難しいですよね。

鈴木:
普通にやるとすごくエグいところもありますよね。ただ、僕らもどうやって打ち出していこうかなと悩む部分があります。アクションパズルではあるんですが、カジュアルかと問われると「入り口はね」と言えるんですが、進んでいくと割と早い段階で頭を悩ませる部分が多くなってきて。

――悩ましそうですね。具体的には、どういうユーザーさんに遊んでほしいと思っていますか。

馬場:
僕のイメージは、「短い時間で気軽に楽しみたい中学生以上の人」ですね。もっといえば、社会人かつゲーマーで、時間のない人というのはイメージしています。というのも、最近どんなゲームもプレイボリュームは長大化しているじゃないですか。僕は20時間ぐらいで終わるゲームが好きなんですが、今のゲームだと100時間以上がもっぱらで。ひとつのゲームを遊んでいる間に、次のゲームが発売されていて、どうしようというケースが多々あります。社会人という立場になると、遊ぶ時間が全然ない。そういう人が家に帰ってから、もしくは電車の中で1、2ステージやろう。1ワールドだけやろうという気持ちでやってほしいです。

鈴木:
でも買った人は「解けない」という難しさに直面したり(笑)。

今橋:
仕事中に考えるのもありですね。

馬場:
自分が高校生の時は通学中の電車の中でガラケーでナンバープレートや数独などを遊んでいました。『ガブッチ』もそういったパズルゲームのように遊んでいただければと考えています。

鈴木:
遊ぶたびに、頭固くなってるなあと思うね。

馬場:
発想力に柔軟さがいるので、お子さんの方が意外とうまく解くんじゃないかなとも思います。親として教えてあげる遊び方でもいいですが、お子さんに教えてもらうような感じになるもいいかなと思います。遊んでもらうにあたっての一番のイメージとして最初にくるのは、社会人の方にひとりでやっていただくというものですが、家族や友達と一緒に考えながら遊んでいただくのにも良いと思っています。携帯モードでは、ひとりで。TVモードやPCで、みんなで、ですね。

――14言語対応、38カ国リリースというのも、何かのこだわりですか。

鈴木:
実際どの国でどのくらい伸びるのかという調査をしたいという意図もあるんです。

馬場:
『ガブッチ』は初パブリッシングとしてのモデルケースにもなりますしね。開発期間6か月、14言語対応と38カ国リリースで売り上げこのぐらいでした、と言えれば他の人も参入しやすくなりますしね。

――今後もセルフ・パブリッシング路線を続けられる予定ですか。

馬場:
出したいですね。ボツステージなども多いので、『ガブッチ2』の構想もあります。専門学校の時からあたためてきたタイトルなので、願わくは愛されるキャラクターになってほしいですね。たとえば、よゐこのお二人に実況していただいたりしてもらえれば、幸せです。これを機に、ハ・ン・ドがもっと知られる会社になり、名前が根付いていくと嬉しいですね。

鈴木:
これに続けて、新作を作りたいです。僕は対戦ゲームが好きなので、4人対戦ものがいいですね。それと、誤解を招きたくないので補足しますが、自社パブリッシングをするからと言って受託案件を大きく減らすという事は全く考えてないです。よい企画と見合ったコストであれば今後もチャレンジはしていきたいなと思ってます。

――受託案件をやりつつ、新しく開拓もしていくということですね。新たな一歩となる『ガブッチ』に期待しています。ありがとうございました。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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