動物脱獄RPG『Back to the Dawn 〜ブレイク・ザ・アニマル・プリズン〜』で“規則正しい刑務所生活”を試みるも、初日で崩壊。イカれた囚人と怖いギャングに囲まれた獄中日記
本作は脱獄をテーマとする高評価RPG。Nintendo SwitchおよびNintendo Switch 2版は日本語吹替に対応。壮大なストーリーがボイス付きで楽しめる。

筆者は規則正しい健康的な生活にあこがれている。が、できていない。頭では規則正しい生活を想像するも、実際にはスマホを眺めて、ゲームを遊んで、ダラダラと深夜を迎える不規則な生活だ。そんな筆者だが、そろそろ健康に気を使いたい。決まった時間に起き、決まった時間に運動や食事をし、決まった時間に眠る。こんな規則正しい健康的な生活に憧れ続けているのだ。
今回紹介する『Back to the Dawn 〜ブレイク・ザ・アニマル・プリズン〜』は、刑務所という規則でガチガチの場所を舞台としたゲームだ。筆者はこれで規則正しい生活とはどのようなものか、体に叩き込もうと思った。しかし気づけば、刑務所で健康的な日常を味わうどころか、不規則で不健康な生活を過ごしていた。どうして、こうなってしまったのだろうか。

クラウディッドレパードエンタテインメントは、『Back to the Dawn 〜ブレイク・ザ・アニマル・プリズン〜』をNintendo Switch/Nintendo Switch 2向けに発売した。PS5版は2026年内の発売を予定している。価格は通常版が税込4928円。アクリルスタンドやオリジナルピンズといった限定アイテムを同封したLIMITED EDITIONは税込7898円となる。
本作は脱獄をテーマとするRPGだ。舞台となるのは、人型の動物たちが暮らす現代社会。プレイヤーが操作する主人公は2人存在し、それぞれ異なるストーリーと個性を持っている。1人目は冤罪をかけられ投獄されたキツネのトーマス。そしてもう1人が、刑務所に潜入捜査しながら友の死の真相を追っているパンサーのボブ。どちらも強い信念を持ち、脱獄を目指している。
本作はすでにPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox One/Xbox Series X|S向けにも配信されており、Steamユーザーレビューでは、約8000件中94%が好評の「非常に好評」ステータスを獲得している。そんな高い評価を得ている本作が、Nintendo SwitchおよびNintendo Switch 2でも遊べるようになったかたちだ。さらに本バージョンは日本語吹替に対応。刑務所を舞台とした壮大なストーリーがボイス付きで楽しめるのだ。

刑務所生活、初手から失敗
脱獄ものと言えば、昼間は囚人として規則正しく過ごしつつ、刑務所の様子を確認。消灯後にこっそり看守の目を盗んで脱獄計画を進めていく――というのがありがちなところだろう。筆者もそんなゲームプレイができるのだろうと想像して、勝手に考えた脱獄計画を脳内で広げながらプレイを開始。主人公はトーマスを選択した。
トーマスは、テレビ局で記者を務めるキツネの若者だ。街の汚染問題が、現市長の不正により発生したものではないかと報道したところ、濡れ衣を着せられて刑務所送りにされてしまう。トーマスは市長選の前までに現市長の不正を公にしようと、脱獄を目指すこととなる。筆者もジャンルは違えどメディアで仕事をしている人間だ。トーマスのそういった熱いジャーナリズム精神には非常に感化され、より脱獄への志も高くなる。

とは言え、誰とも交流もしないまま脱獄を目指そうとするのも変な話だ。まずは刑務所の面々に慣れ親しもうとした。刑務所の1日は朝礼から始まる。朝礼では囚人たちが刑務所のロビーに一同に会する。「新人のトーマスはきっと色々な囚人や看守にさっそく絡まれるんだろうな……」と想像しながら朝礼を終える。しかし一向にそのような人物は現れず、ロビーの真ん中にポツンと鎮座するトーマス。「ど、どうしよう……」と挙動不審になってしまった。
ひとまず、目についたグレーネコの囚人に話しかけてみる。どうやらこの囚人はバームというらしい。バームは自称怪奇事件調査員らしく、この刑務所で異世界の魔物を召喚しようとする邪教徒を探しているから助手になってくれとお願いされた。この瞬間筆者は思った。「完全に話しかける相手間違えたな」と。

本作に登場する囚人たちは計47人存在し、それぞれが固有のストーリーを持つという。最初に話しかけたバームは少しスピリチュアルな要素を持つキャラクターだが、ほかにもユニコーンを自称するウマや、声をかけただけで借金の取り立てが来たと怯えるコアラ、惨い死に様の絵を描きたいと熱心に語る画家のイグアナなど、個性の強いキャラクターたちが存在する。バームに話しかけた時には危ない人だという危機感を感じたが、ここは刑務所。誰に話しかけても基本的には危ない人たちだと思っても問題はなさそうだ。
世知辛い刑務作業
危ない囚人たちとの会話を終え、一旦ストーリーを確認する。トーマスはまず、外部との連絡を取るため、公衆電話で友人の法律事務所へ電話をしたがっているようだ。さっそく公衆電話へと向かう。しかしここで壁が立ちはだかる。電話をするためには1回10ドル、初回は90ドルのアカウント登録が必要だというのだ。トーマスの手持ちは50ドルのみ。金を稼ぐ手段はないのかと看守に聞いてみると、朝礼から昼12時までは仕事をすることで金を稼げるというのだ。
仕事はさまざまで、キッチンでの雑務や屋上の清掃、郵便の仕分けなどがあり、それぞれ貰える報酬額も変わってくる模様。しかし、どうやら仕事を選ぶには看守にある程度評価される必要があるというのだ。現状でできる仕事はというと、洗濯室での雑務があると言われ、洗濯室へ通される。

洗濯室では、洗濯物にアイロンをかける仕事と、洗剤を合成させる仕事の2つを選ぶことができる。しかし、もちろん他の囚人も仕事をしており、仕事場にすでに囚人が付いているのであればその仕事をすることはできない。洗剤合成の仕事はすでに先客がいたため、アイロンの仕事を行うことにした。が、肝心の仕事内容がわからない。
仕事内容を書いたメモを探していると、どうやら誰かがメモが書かれた壁の前に機材を置いてしまっていたらしい。さっそく機材を動かそうとすると、ダイスロールが始まる。本作では、あらゆるタイミングでダイスロールが求められる。力がいる物の移動や、奥に入り込んだアイテムの入手、中には囚人へのスリや看守から逃げる時など、さまざまな場面でダイスを振ることになる。成功率を上げるには、主人公のステータスを上げるほか、刑務所内で覚えられるスキルなども重要となる。刑務所でどういった経験をしたかが、さまざまな場面での成功に関わるかたちだ。

無事に機材を動かし、仕事を覚えたので、さっそくアイロンがけを行う。仕事はミニゲーム、もしくはダイスロールで行うものとなっており、今回始めたアイロンがけはミニゲーム形式となっていた。無事に3種類の衣服にアイロンを掛け終え、報酬を見てみる。ひとつ10ドル、合計30ドルという結果だった。これでは足りないので、もう少し仕事をする。ただ、電話に100ドルかけても、生活する上で金が必要になるだろうと見越して、200ドルばかりを稼いだところで、昼食の時間になった。
地獄の沙汰も金次第
溜まった200ドルを見て「よし、多少は生活できるだろう」と思いながら昼食を取ろうと給仕係に話すと、3つのメニューが出てきた。堅そうなコッペパンに、カボチャ粥、アップルパイ……ずいぶん内容に格差があるなと思っていると、その下に10、30といった表記が見える。そう、昼食も有料なのだ。本作には健康値や心境値、空腹度といったステータスが存在するのだが、昼食はそれらを回復するのにもってこいの時間。良い飯は満腹にもなるし、心にもいい影響を与えるが、その分金もかかるというわけだ。

とはいえまだ初日。金もあまり使いたくないので、仕方なく金がかからない堅そうなコッペパンを選択。食べているトーマスの顔も心なしか暗く見える。昼食を終え、よしさっそく電話……と思っていると、突然所内から締め出される。どうやらこの時間は屋外活動時間となり、外の運動場に出られる代わりに、刑務所内に入ることができないという。公衆電話は刑務所内。仕方ない、今は電話するのはやめて屋外活動の時間をのんびり過ごすかと思っていると、ある囚人に話しかけられる。
話しかけてきたのはワニの囚人のクランジ。やたらと高圧的に喋ってきたのだが、どうやら金が欲しいらしい。カツアゲだ。このカツアゲに対して「半分を渡す」という選択肢もあったのだが、せっかく稼いだ金をそうやすやすと渡したくはない。ここは武力で対抗し、驚異的な新人キツネとして刑務所にその名と恐怖心を響かせようではないか。そういった態度を取ると早速戦闘が始まる。戦闘はターン制のRPG形式のバトルとなっており、刑務所内で手に入れたアイテムやスキルなども使うことができる。そしてトーマスは、あっさりと負けた。

よくよく考えればキツネとワニだったら肉食獣としてどちらが強いか明白だし、体格差も2倍くらいあった。さらにクランジは包帯や歯ブラシで出来たナイフも使ってきた。ワニのくせにキツネよりもずる賢いのかよ。そうして稼いだ200ドルはすべて持っていかれ、トーマスはすかんぴんとなってしまった。
金を失って途方に暮れたまま屋外時間を過ごすトーマスと筆者。屋外には巨大な運動場のほか、懺悔をするための教会や、娯楽場や図書室などもあるようでかなり広く、囚人たちも各々楽しんでいる。まぁ1日でそんな上手く進むはずがないと気持ちを切り替え、まずはワニのクランジに勝つために体を鍛えようと、トレーニングエリアで筋トレ機器を触ろうとする。すると、囚人の1人が話しかけてくる。「ここはビッグフッドのシマだぜ」。
話を聞いていると、どうやらこの刑務所にはギャングが3つあるらしく、それぞれエリアを独占しているようだ。このビッグフッドというギャングはトレーニングエリアをシマにしているようだ。さらに話を聞くと非ギャングメンバーが使う場合は毎回20ドルを求めるという。とんでもない商売だ。すかんぴんのトーマスは仕方なくトレーニングエリアを後にすることとなった。色々と回っていると、どうやら娯楽場や図書館も別のギャングが支配しているという。地獄の沙汰も金次第とはまさにこのことだろう。

しかし、そんな金ばかり取られる屋外活動時間だが、金を稼ぐこともできる。とある建物では、拾ったアイテムの売却や、金が貰えるクエストを提供しており、金もなく時間をあり余しているトーマスは、さっそくアイテムの売却とクエストに奔走しようとした。が、刑務所生活も初日なため、アイテムもあまりないし、ステータスも貧弱。野外で拾ったキノコ数個を売却し、数十ドル貰って屋外時間を終えた。
さらなる地獄、そしてゾンビへ
屋外時間のあとは、所内に戻って夕食やシャワー、そして消灯時間までの自由時間となる。夕食は毎日同じだという小さなワッフルを食べ、ふたたび刑務所内を探索する。夜の刑務所は午前中と違い娯楽も多く賑やか。しかし、夜の時間の娯楽ももちろんギャングたちがかかわっており、テレビの視聴や、賭けボクシングなどあらゆる娯楽が有料となっている。
数十ドルだけ持ったまま、公衆電話も使えず途方に暮れていると、刑務所をふらついている囚人からとあるサービスを教えてもらった。そのサービスとは、貸金サービスである。いわゆる借金だ。初回にさっそく150ドルを貸してくれるらしい。150ドルと言えば昼の仕事で稼いだ額と同じ。このまま信頼が上がればもっと高給な仕事にも付けるし、150ドル+利子くらい簡単に返せるだろうとあっさり借りた。そして電話をしてストーリーを進め、娯楽もそれなりに楽しんで1日を終えた。ここからが地獄の始まりだ。

そうして刑務所生活も数日が経ち、すっかり規則に慣れたと思いきや、むしろどんどんと不健康な生活へとなっていった。簡単に説明すると、借金を返すために仕事やクエストをどんどん受けて進めつつ、飯などを節約しようとしたところ、空腹からどんどんバッドステータスを呼び込み、仕事をするだけの体力が無くなってしまう。そうなると借金が返せないので、深夜の時間も使って売れるアイテムや、戦闘クエストでも使える武器のクラフトなどを行った。それが体調不良を呼び込み……という次第だ。
体を崩しつつもなんとか金を稼ぐ姿はまるでゾンビ。そんな状態も長くは続かず、ある夜、体調不良が原因でゲームオーバーとなってしまった。ゲームの中では規則正しい健康的な生活を送るはずが、気付いたら実生活よりも不健康になってしまうというとんでもないオチである。ゲームの中でもここは刑務所。冗談でもこんな危険なところで健康的に過ごせるなんて思わないほうがよかった。そして次はこんな刑務所絶対に出てやると、脱獄計画へと燃え上がったのだ。
以上が筆者の獄中日記であった。読者のみなさまはこんな経験をしないでいただきたく思う。囚人は危険、ギャングは恐い、お金は大事に。これを掲げて本作を遊べば、きっと筆者よりかは快適な刑務所生活を過ごすことができるはず。なお、ここではあまり紹介できなかったが、本作のストーリーはまるで海外ドラマのようなハードで大人向けの展開となっており、そこも筆者のお気に入りポイントとなっていた。ぜひ脱獄に成功し、主人公2人の信念を突きとおしてあげてほしい。
『Back to the Dawn 〜ブレイク・ザ・アニマル・プリズン〜』は、Nintendo Switch/Nintendo Switch 2向けに発売中。PS5版は2026年内発売予定。(※PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox One/Xbox Series X|S版はSpiral Up Gamesから発売中)
Nintendo Switch/Nintendo Switch 2版の価格は通常版が税込4928円。アクリルスタンドやオリジナルピンズといった限定アイテムを同封したLIMITED EDITIONは税込7898円となる。
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