基本プレイ無料5v5タクティカル突入シューター『PUBG: BLINDSPOT』は“座学・ボイチャなし”でもとっつきやすい。「見下ろし」ゆえの、カジュアル・ハードコア良いとこどり体験
タクティカルシューター『PUBG: BLINDSPOT』のプレイを踏まえて、その特徴的なゲームプレイを紹介する。

KRAFTONは2月5日、タクティカルシューター『PUBG: BLINDSPOT』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は早期アクセス中は無料。ゲーム内は日本語表示に対応している。
『PUBG: BLINDSPOT』にてプレイヤーは、さまざまなエージェントから自分の操作キャラクターを選び、5対5の試合に挑む。メインとなるゲームモードではクリプトと呼ばれる装置のハッキングを巡って、攻撃側と防御側に分かれて対戦。攻撃側はクリプトにハッキング装置を取り付け、一定時間維持できれば勝利となり、防御側は制限時間守りきるか、敵を全滅させれば勝利となる。
最大の特徴「視界共有」

類似ジャンルの作品と比較して、本作の大きな特徴は見下ろし視点であることだろう。フィールドを俯瞰して見ることができるため、FPSやTPSより情報量が格段に多い。とはいえ、本作ではキャラクターに視界が存在しており、原則として視界の外の状況は確認できない。見下ろし視点だからといって、壁の向こうが透けて見えるわけではないのである。
しかし本作のもう一つの大きな特徴として「視界共有」という独自システムが存在する。これは、味方の視界がチーム全体に共有されるというもの。つまり、たとえばメンバー全員が同じ方向を見ていた場合、背後は完全な暗闇となる。しかし誰か一人が後ろを見ていれば視界が共有され、メンバー全員が前後を把握できるというわけだ。
熱心なゲーマーたちが、プレイヤー目線で開発
本作を手がけるARC Teamは、25名未満の小規模なチームだという。ゲーム開発歴豊富なベテランから元プロゲーマーまで、多様なバックグラウンドをもつメンバーで構成。メンバーはみな熱心なゲーマーで、ユーザー目線でのゲーム制作を心がけているそうだ。リアルさよりもゲーム的な面白さを重視した、尖ったコンセプトのゲームを追求しているという。またユーザーと積極的にコミュニケーションを取りながら、インディー的なマインドをもった機敏なチームとして、フィードバックをゲーム内容に素早く反映させることを目指しているとのこと。
そんなARC Teamによると本作が見下ろし視点を採用しているのは、プレイヤーが状況を認識しやすくし、「位置取りと連携」というシューターの戦術的な側面に集中しやすくするためだという。そして視界共有システムにより、ひとつの発砲が敵チーム全員に位置が露見するリスクに繋がる。そのため、ひとつひとつの選択が戦術的に重要な意味をもつようなゲームになっているそうだ。

また本作の制作にあたっては、『PUBG』シリーズとしての繋がりにも力を入れているとのこと。本作は一世を風靡した『PUBG: BATTLEGROUNDS』の数十年後という設定で、世界観に繋がりがある。『PUBG: BLINDSPOT』のエージェントひとりひとりに『PUBG』ユニバースに則った設定が与えられ、綿密に背景が作り上げられているという。
実際に筆者が遊んだ感想
そうした作風を踏まえて、見下ろし視点の本格対戦シューターという珍しいジャンルの本作の持ち味を確かめてみたい。コンセプトは興味深いが、実際のところどのような仕上がりになっているのか。ここからは筆者が実際に本作をプレイした感想についてお伝えする。
まずは簡単にルールの概要を説明しよう。メインとなるゲームモードでは、2箇所ある拠点のハッキングを巡る攻防が繰り広げられる。攻撃側はどちらかの拠点にたどり着いて装置を起動し、時間いっぱい守り抜いてハッキングに成功すれば勝利。防衛側はハッキングが起動していない状態で制限時間を迎えるか、起動させられたハッキング装置を解除すれば勝利だ。また試合中はリスポーンなしで、攻防ともに敵チームを全滅させた場合も勝利となる。

そして試合はラウンド制となっており、3戦ごとに攻撃側と防御側が交代。先に4勝したチームがマッチの勝者となる。防御側は一足早く戦場にスポーンでき、30秒間用意されている準備フェーズから行動可能。ドアや窓にバリケードを設置して敵の侵入を困難にしたり、エージェントごとに用意されているガジェットを配置したりする。30秒経つと攻撃チームが行動を始めるため、迎え撃つことになる。ようするに本作は『レインボーシックス シージ』や『VALORANT』に代表されるような、目標の起動・解除を目指すルールといえる。
マップに不慣れでも遊びやすい
防衛側でプレイしてまず感じるのは、俯瞰視点の遊びやすさである。味方がどこにいてどこを見ているか、手に取るようにわかるため、ゲームを始めたばかりでマップに不慣れでも周囲の状況が分かりやすい。上述したようなタクティカルシューターでは入門にあたっていわゆる“座学”としてある程度マップの理解などを求められる点が高いハードルになっているが、本作では少なくともマップは見下ろせるため学習コストが緩和されている。
また、ボイスチャットで連携を取らずとも「誰もこっちを見ていないから、自分が警戒しておこう」などと判断を下しやすい。そうして遮蔽物に隠れつつ待ち伏せておけば、有利な状況で敵を迎撃できる。戦術系シューターよろしく、置きエイムは本作でも強力だ。

とはいえマップには多数の通路や抜け道があり、すべての出入り口を見張るのは難しい。また攻撃側もフラググレネードやスモークなど、さまざまな道具を駆使して突破を図ってくる。バリケードを張ったドアもガジェットを使えば破壊することが可能で、思わぬところから射線が通って銃撃されることも。筆者のプレイでは待ち伏せに成功して敵をキルできることもあったが、回り込んできた敵に背後からイージーキルを取られてしまうこともしばしばだった。ガジェットで破壊可能とはいえ、バリケードで敵の進路を制限すればもう少しうまく戦えそうだが、よい戦術を練るためには、もう少しマップに習熟する必要がありそうだ。見下ろし視点はとっつきやすいが、奥も深いという印象だ。
高度な連携が自然に起きる
一方の攻撃側では任意の地点にスポーンし、建物のどこかから侵入して敵拠点を目指すことになる。侵入口は複数箇所あるが、目標に近い地点は大抵厳重に見張られており、正面突破は難しい。ドアを破ったところでいきなり猛射撃を受け、膠着状態になったり、キルされることもしばしばだ。
しかし本作には視界共有システムがあるため、どこの敵から攻撃されているのかは、味方全員にすぐに伝わる。無理に自分で撃ち勝たずとも、適当に応戦して時間を稼いでいれば、味方に横から回り込んでもらって倒してもらえることは多い。先述した防衛側での連携のしやすさも含め、まだサービスが始まったばかりでほぼみな初心者という状態で、誰もボイスチャットを使っていなくともこういう連携が自然に起きるのは、本作ならではだろう。

また本作では、木製の壁は銃弾が貫通する。そして視界共有システムによって味方の誰かが視認している敵なら自分の視界でも敵を確認できるため、壁抜きで倒すのは容易だ。一般的な戦術シューターでは壁抜きなどめったに成功しない筆者でも、簡単にキルを取ることができている。スーパープレイ気分を味わいやすいゲームと言えるかもしれない。
しかし一方で、本作では味方が倒されて数的不利になると、心細さも半端ではない。撃ち合いで劣勢になるのは当然なのだが、それ以上に情報量が減ってしまうのが痛いのである。最後に自分だけが残ったときなどは当然視界共有の恩恵は受けられず、自分の視界のみが頼りとなる。暗闇が広がるマップを見ていると、視界共有のありがたさが身に染みる。
エイムは結構重要
そして筆者が意外だったのは、本作は結構エイム力が役立つということだ。見下ろし視点なら角度さえ合っていれば狙いが多少雑でも当たりそうなものだが、なかなかどうして、ちゃんとエイムしないと当たらないと感じるシーンが多い。「しっかり狙って撃つ」というシューターの基本は本作でも重要で、エイムの楽しみも味わえる作品である。このあたりは『PUBG』らしさといえるかもしれない。

さらに俯瞰視点のシューターとしては珍しく、本作にはエイムに高低の概念が存在。デフォルトの設定ではコントロールキーを押しながら射撃することで、低めの位置に弾丸を発射する。これによってたとえば机の下から狙い撃ったりすることが可能で、ほかにもしゃがみ状態の敵にも弾を当てやすくなる効果がある。一方、高めに撃たないと射線が通らない、背の低い遮蔽物なども存在。また本作にはフレンドリーファイアが存在しているため、前にいる味方にしゃがんでもらい、自分は高めの位置から撃たないと味方をキルしてしまうことがある。見下ろし視点ながら、高低差を使った駆け引きがあるのは本作のユニークなところだ。
個性豊かなエージェント
本作がとっつきやすさとともに併せ持つ深みはまだある。エージェントごとに用意されている固有ガジェットも、本作の戦術の幅を広げている要素だ。本作には攻撃側専用のエージェントと防御側専用のエージェントのほか、攻防両方で使えるものも存在している。ガジェットのほかに装備している銃器もそれぞれ固有で、選んだエージェントによって立ち回りが大きく変わってくる。

たとえばエイペックスは攻撃専用のエージェントで、固有ガジェットとして『PUBG』ではお馴染みのブルーゾーンを一時展開するグレネードを持っている。ブルーゾーン内にいる敵は継続ダメージを受けるため、カバーに陣取っていたとしても移動を余儀なくされる。メイン武器は扱いやすいアサルトライフルのM4A1で、距離を選ばず戦いやすいキャラだ。

コリジョンは防衛専用のエージェントで、メイン武器としてショットガンを所持。ガジェットとしては敵を検知して爆発するプロキシマインを有しており、狭い所に籠って繰り出す接近戦は非常に強力だ。防衛側にコリジョンがいることが分かった時点で室内に飛び込むリスクが跳ね上がるため、敵に回すと厄介な存在でもある。
また攻防兼用のエージェントであるクラリスはLMGを持ち、弾幕を張ることが可能。さらに近くを通った敵を検知するモーションセンサーを使用可能で、サブ武器としてソードオフショットガンを持っている。高い火力を有すると同時に索敵・接近戦もこなせるエージェントで、個人的に使いやすかったキャラだ。

筆者がプレイした感覚では、どのエージェントにもそれぞれ強みがあって戦場で存在感があると同時に、強すぎると感じるようなエージェントもいなかった。バランスはよい印象である。研究が進めば強力なエージェントの組み合わせやユニークな戦術が考案されるかもしれないが、それもこういったゲームの醍醐味だろう。
カジュアルさとハードコアさが同居
改めて印象をまとめると、本作は視界共有システムにより、“初心者同士の野良”というある種過酷な条件でも、チームの連携が成立しやすくなっている。ほかのタクティカルシューターだったらボイスチャット無しでは成立しないような、包囲や壁抜きといった戦術も、自然に実行されやすいのだ。見慣れたゲームデザインのなかに斬新さがあり、カジュアルさとハードコアさが同居しているような印象を受けた。「尖ったコンセプトの追求」という開発理念にふさわしい、ユニークな作品だと感じている。早期アクセス期間中は無料で遊べるため、興味をもった方はプレイしてみてはいかがだろうか。なお本作では2月10日に実施されたパッチにより、チームメンバーの誤射に対するダメージ軽減が適用された。フィードバックを反映する調整もさっそくおこなわれているようだ。
『PUBG: BLINDSPOT』は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中。早期アクセス期間中は無料でプレイ可能だ。
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