ハクスラアクションRPG 『アウトライダーズ』レビュー。強烈な魅力と課題を抱える、ハクスラシューター界の新たな彗星

ハクスラアクションRPG 『アウトライダーズ』レビュー。スクウェア・エニックスの『アウトライダーズ』は、強烈な魅力と課題を抱える、ハクスラシューター界の新たな彗星だ。

『OUTRIDERS(アウトライダーズ)』のジャンルは、公式サイトによると「TPS」らしい。たしかにベースにあるのはシューティングで、クリアするまでひたすら敵を撃ち続けてきた。だが、プレイ後のこのゲームに対する印象は、アクションやRPGといった、TPSの3文字では決して表現できないジャンルを含んでいた。無理やりコンパクトに表すなら、「SFシューティングアクションRPG」といったところだ。


『OUTRIDERS(アウトライダーズ)』は『Gears of War: Judgment』や『Bulletstorm』といった個性的なシューティングゲームの開発実績を持つPeople Can Fly(以下PCF)が担う、完全新規のTPSだ。未知の惑星エノクを舞台に、超常的な能力を手に入れた変異者となり、襲いかかる危機に立ち向かっていく。最大3人のCo-opプレイが可能で、『ディビジョン』や『Destiny』シリーズのようなハクスラ系のシューターシステムと、超人的なスキルを駆使したアクションを組み合わせたプレイスタイルが大きな特徴だ。

なお、本稿はスクウェア・エニックスより提供されたPlayStation 5版をもとに執筆している。

B級映画的ストーリー 

滅亡寸前の人類は、破滅へ向かう地球を捨て、惑星エノクを目指した。新しい人類の歴史の幕開けを予感させる豊かな自然や資源に喜びも束の間、アノマリーと呼ばれる人智を超えた謎の嵐により、電子機器は破壊され、謎の伝染病のようなもので人間が死んでいく。楽園から一転、地球以上の混沌とした惑星に残された最後の希望は、謎の通信だった。受信するはずのない信号を目指し、アノマリーに飲まれて特殊な力を手に入れた主人公と仲間たちは迫りくる困難に立ち向かっていく。

物語はこんな感じだ。近未来SFの内容としてはベタな世界観ではあるが、それを上手く調理するのがPCF。暗く殺伐とした世界の中で主人公はちょっと斜に構えた渋めの性格をしており、道中で出会うキャラクターも、会話もままならないヤク中や、クリーチャーの頭蓋骨の収集を趣味とするバーテンダーと、個性豊かでどこか憎めない。主人公の移動を手助けする仲間「ヤコブ」も、サングラスの似合うアルコール好きの渋いおじさんで、主人公とのシニカルな掛け合いに思わずニヤニヤしてしまう。


物語もそれに準じてB級感あふれる展開が見られる。主人公一行に降りかかる災難はいきあたりばったりで、キャラクターの「死亡フラグ」を感じることもあるカットシーンは先の展開が容易に想像できるものが多い。いくつかのカットシーンは「くさい」とも言える、やたらかっこよいBGMやカメラアングルが採用されている。悪く聞こえるかもしれないが、筆者にとってはとても美味しいジャンクフードだった。

また、近未来SFながらも、アノマリーによって高度な電子機器は使用できないという設定上、扱う武器はどこか古めかしい。そこに主人公であるアウトライダーのファンタジックな特殊能力が放つエフェクトが融合し、独特の魅力を生み出している。独自の発展を遂げたエノク住民の生活ぶりを含め、サイエンス・ファンタジーに全振りしているわけでも、すべてをリアルに寄せているわけでもない塩梅は、SF作品として興味をそそられる。

ハック・アンド・スラッシュ要素を持った作品の中には、物語もそこそこにエンドコンテンツが主な遊び場になるものも多い。その点、本作はキャンペーンだけ遊ぶプレイヤーでも満足できるよう、開発において物語を重要視していたことがうかがえる。また本作の物語は、エンドコンテンツに大きく食い込んできたり、あからさまに続編を匂わせたりはせず、しっかりと作品内で完結する。

サイドクエストは大きなストーリーラインを持ったものから、賞金首(各地に配置されたボス)を倒すものまで、いくつかの種類が用意されている。基本的には敵を倒してエリアを制圧し、何かしらのキーアイテムを拾うという流れのクエストが多いため、プレイング自体は代わり映えしない。だが、会話やカットシーンはリッチなものが用意され、エノクに住まう人々の生活や惑星の謎を知ることができるので退屈はしない。

また、「ジャーナル」と呼ばれる文書をコレクタブルアイテムとして集めることができる。初めて出会った仲間や敵の情報はもちろん、フィールド上に落ちているものには、地球が滅ぶことになった経緯や、惑星エノクの詳細、仲間の過去や思いを記したものもあり、読み応えは十分だ。筆者は「宇宙戦争」のようなパニック映画が好きなので、地球が滅亡へ向かう様子を記したジャーナルからあれこれ想像するのはとても楽しかった(願わくはゲームの一部としてプレイしたかった)。これに付随して、各地にある地球の遺物を回収するサイドクエストがある。遺物を歴史家のもとへ届けると報酬が得られるというもので、ノスタルジックに地球の思い出を語る歴史家の姿は、世界観に厚みを持たせている。


ストーリーキャンペーンで踏み入るエリアの難易度は、好みに合わせていつでも自由に変更することができる。「ワールドティア」と呼ばれる15段階の難易度が用意されており、ゲームを進めることで徐々に高難度のティアがアンロックされる仕組みだ。ティアが高いほど敵は強くなり、敵からドロップするアイテムのレベルも高くなる。

ティアに関わらず物語をクリアする際のキャラクターレベルはほぼ変わらないデザインになっているので、一気にエンドコンテンツへ駆け抜けたければ、低いティアで苦労なく進行すれば良いし、最高ティアで歯ごたえのある戦闘を楽しむのも良い。筆者は基本的に最高ティアでプレイし、ちょっと厳しさを感じたら1ティア下げるという遊び方をしていた。この遊び方は、後述のモジュールやスキルツリーの構成を深く考えて組み上げる攻略が求められ、よりこのゲームの神髄を味わえるため、おすすめだ。

シューターに留まらないプレイフィール


本作で選択できるクラスは4種類。各クラス、キャラクターレベルを上げることで最終的に8つの固有スキルが開放される。その中から3つを選んで装備することになる。地面に噴火口を出現させるものから、敵の弾丸を吸収し一気に跳ね返すもの、腕を広げてひたすら回転するものまで、多種多様で視覚的にも面白く、マルチプレイでは自分の知らないスキルが繰り出されるたびに、他のクラスの芝が青く見えてくる。某スーパースター大集合映画よろしく、能力者が集まって全員が主人公と言わんばかりに好き放題していると、フレームレートに反比例してテンションは上がっていく。

Co-opシューターを謳っているだけあって、ロールのような要素もある。パイロマンサー・トリックスターはアタッカー、デバステーターはタンク的な役割を持ち、テクノマンサーは回復支援といった具合だ。ソロプレイでもクリアできるデザインにするためか、ロールプレイもプレイヤー次第で、やろうと思えばできるけど、別にやらなくても良いという具合。フレンドや固定メンバーでプレイするなら意識すると面白いだろう。筆者はフレンドと、テクノマンサー・トリックスター・デバステーターの構成でプレイしていたが、デバステーターが敵の攻撃を受け止め、トリックスターが機動力を活かして周辺の雑魚を狩り、テクノマンサーがエリート(中ボスのようなもの)を撃つという構図は、ロールとして各々が戦いに貢献している感覚を得ることができた。

本作は回復方法も特徴的だ。近距離戦闘に特化したトリックスターであれば近距離で敵を倒すと体力回復と同時にシールドを得る。遠距離でも戦えるテクノマンサーは攻撃によって回復を得る。といった具合でクラスごとに体力回復方法が異なる。すべてのクラスに共通して言えるのが、攻撃によって体力を回復すること。一定量までは自動回復するが、それ以降は攻撃による回復が求められる。前に出て敵を斬りつけ、殴り、燃やすことが自分の身を守ることにつながる。同時に、膠着しがちなシューティングバトルにメリハリが生まれる。

あわせて、本作では近接攻撃が強力だ。クラスによって炎上やスロー(敵の動きが一定時間遅くなる)、氷結といった効果を範囲攻撃で与えることができる。シューティングゲームにおける近接攻撃は影が薄くなりがちだが、アウトライダーにとっては強力な攻撃方法の一つだ。特に近接攻撃を主体とする敵に対しては有効で、近接攻撃のクールダウンを短縮するモジュールも用意されている。

アグレッシブな立ち回りと強力な近接攻撃を繰り出していると、TPSというよりアクションゲームをプレイしている気分になる。特にトリックスターはアクション色が濃く、敵の背後にテレポートして謎の剣で斬りつけたと思ったらポータルで前線から離脱していたりと、他クラスから見ると異次元な動きをしている。銃を持つ人型の敵がグレネードをやたら投げてくるのも、「カバーばかりしていないで前に出て戦え」という開発陣の意志を感じ、アグレッシブさに拍車がかかる。敵の硬い高難易度ティアやエンドコンテンツでは、どうしても銃を撃つ時間が多くなってくるが、スキルや近接攻撃を繰り出すことがアクセントとなり、ただのシューティングゲームに留まらない楽しさがある。

プレイヤーの個性を発揮できるカスタマイズシステム


アグレッシブなゲームプレイを支援するスキルツリーとモジュールが非常に魅力的だ。スキルツリーはクラスごとに用意されており、大まかに3つのルートがある。レベルアップに伴って最終的に得られるクラスポイントではすべてのノードを開放することはできず、1つのルートプラスアルファといった具合で、ここでもプレイヤーごとの個性が発揮される。クラスポイントはいつでもノーコストで振り直すことができるので安心してほしい。

筆者がメインに遊んでいるテクノマンサーを例に上げると、銃器ダメージ上昇・回復支援・設置型武器強化の3つのルートで構成されている。ストーリーはフレンドとプレイしていたので回復支援に割り振っていたが、エンドコンテンツでは銃器ダメージ上昇に振り直した。


また、武器と防具にはモジュールと呼ばれるアビリティを最大2つ装備することができる。自身のスキルを強化するものから攻撃を当てると彗星が降ってくる(誤字ではない)ものまで、こちらも多種多様で、より強いものを集める楽しさがある。本作のハクスラ要素は数値よりもこのモジュールが肝になってくる。武器用と防具用、合計約230種も用意されていて、筆者もまだまだ開放できていないものがある。

装備品を解体すると、その装備品に付いていたモジュールがモジュールリストに登録される。するとクラフト機能によって、任意の装備に付与し直すことができる。ただし、変更できるモジュールは装備品1個につき1スロットまで。2スロットある装備品の場合は、一つを変更すると、もう一つはロックされる。解体して付け替えることのできる手軽さから、ストーリー攻略中でも積極的に使っていくと楽しい。

ドロップした装備の数値的なステータスに一喜一憂するのはもちろんだが、初めて目にするモジュールには心がおどる。初めて「攻撃が当たると彗星が降り注ぎ、」という文言を目にしたときは誤植を疑いながらも、本当に彗星が降り注いでとてつもないダメージを与えたときの興奮は本作を通して一番と言っても過言ではない。

スキルツリーの効果を増幅させるような組み合わせも可能で、たとえばトリックスターで近距離ショットガン強化のスキルツリーノードを選択し、モジュールで近接攻撃クールダウン短縮や回避行動によるマガジン装填を装備すると、前線へ突っ込んでショットガンを撃ちまくり、囲まれたら近接攻撃で蹴散らすようなビルドを組むことができる。

テクノマンサーであれば毒付与時に脆弱効果を与えるスキルツリーノードを選択し、毒状態の敵を倒した場合にマガジンが補充されるモジュールを装備すると、リロード要らずで、文字通り永遠に射撃を続けることのできるビルドも可能だ。スキルや武器の強化という側面もありつつ、プレイヤーのやりたいことを支援してくれる立ち位置を持っているのが、モジュールシステム最大の優位性だ。モジュールとスキルツリーを眺めていると、クリエイティビティが刺激され、さまざまなビルドや戦い方を想像することができる。4つのクラスとそれぞれ3つのスキルツリールート、230を超えるモジュールによる組み合わせは膨大で、陳腐な言葉となった「自分だけの組み合わせ」を真の意味で体現してくれている。

惜しいことにビルドを保存するマイセット機能はないので、マルチプレイ時はサポートビルドで後方支援をし、ソロプレイ時はアタッカービルドで挑むといったプレイは、なかなか難しい。モジュールを装備し直すには僅かではあるが資材を消費するし、いちいち5つの防具と3つの武器(メイン武器2枠とサイドアーム1枠)、3つのスキルを変更するには時間がかかる。ビルドによって異なる武器・防具を使うようにすれば、いくらか手間は軽減されるものの、面倒さは残る。

詰めの甘さが露呈する高難易度コンテンツ


ストーリーをクリアすると、その流れを汲む「遠征」が開放される。ワールドティアとは異なる独立したチャレンジティアが用意され、ティアを上げていくと取得するアイテムレベルと、装備可能アイテムレベルが上がっていく。最終的には裏ボス的な位置づけの敵を倒すことが目標だが、最大レア度であるレジェンダリー装備を掘ったり遠征ミッションのタイムアタックに挑んだりと、プレイヤーごとに遊び方は変わってくるだろう。なお、この遠征ミッションはクリアタイムによってランク付けがされ、速ければ速いほどレア度の高いアイテムが出やすくなる。

高い体力を持った膨大な数の敵に対し、最初こそ無力なものの、徐々に装備が整い、同じ遠征でもスムーズにクリアできるようになっていくのはエンドコンテンツとして楽しい。また、クラスごとの特性を生かした立ち回りが刺さったときの脳汁はドパドパ。テクノマンサーで倒れる直前の味方をヒールしたり、デバステーターが敵の動きを封じて他の味方が蘇生に向かうといった動きは、ギリギリの状況が多い遠征では輝きを増す。


遠征をクリアすると、与えたダメージや回復量、どの攻撃によってダメージを計上したかをリザルト画面で詳細に確認することができ、自分の強みや、目指したいビルドを見つける上で役に立つ。自分が他プレイヤーよりもダメージを出せていなければ萎縮してしまうかもしれないが、自分の貢献を数値で確認できるのは、さらなる高みを目指すモチベーションにもなってくれる。新しいビルドを組んでダメージが桁違いに上がったときの感動は形容し難い。

だがクリアタイムによって報酬が増減する仕組みは、極端な話、全員が高火力ビルドを組めばその分アイテムが出やすくなるため、プレイヤーの個性を殺しがちだ。筆者の場合、ストーリークリアまでは支援中心のテクノマンサーでプレイしていたが、遠征を攻略する上で武器火力全振りビルドに組み替えた。実際、マルチプレイ時には似たような火力特化型のビルドを組んでいるプレイヤーと遭遇することが多かった。

しかしローンチから時間が経ち、新しいビルドが開拓されるにつれて、本作が有するカスタマイズ性の高さを改めて実感するようになっていった。サイドアームで持続ダメージ付与による体力吸収で安定させつつ、支援スキルも組み込むビルドを目にしたときは脱帽した。膨大なモジュールを駆使して火力を出しつつ、自分のプレイスタイルを目指すことも可能というわけだ。一見すると火力が出ないように見えるスタイルも、モジュールひとつで大きく変わることに驚かされた。

だが、敵の配置や難易度の上げ方については、杜撰とすら感じてしまう部分が目につく。エンドコンテンツに限った話ではないが、本作に登場する敵は、大きく分けて殴ってくるか撃ってくるかの2パターンしかない。大きさや属性の違いはあるものの、バリエーションが豊富とは言い難い。さらに、難易度を上げる手法が、「体力を増やす」「敵の数を増やす」の2つしかないのは大きな問題に感じる。また、大型の敵が大技を放ってくるときは、床に攻撃範囲が赤く表示されるが、されるものとされないものの違いも曖昧で、そのガイドを信じて回避してもホーミングブレスを放ってくるものもある(これはラグの影響もあるかもしれない)。避けたと思ったらヘイトが突然変わりブレスが暴発するなど、とにかく事故のような被弾が多い。

ステージのデザインも高低差や狭い場所といった特徴はあっても、それが生かされている場面は少なく、オブジェクトの裏にいても貫通してくる敵のブレスには苛立ちが募る。氷結を伴うブレスで動けなくなり、別のボスが放つ攻撃で何もできずに倒れるというような理不尽も平気で押し付けてくる。


「エンドコンテンツとはそういうもの」と言えばそれまでだが、負けるときは納得して負けるのが良いエンドコンテンツだと筆者は思っている。ヘイトシステムも明確に示されていないため、ロールプレイも難しい。タンク的な役割を持つデバステーターがボスのヘイトを取りたくても、なかなか取れずに腐ってしまうこともしばしば。結局、エンドコンテンツの攻略方法が「事故りそうな敵を先に倒していく」の1点のみで、その敵のバリエーションも少ないとなれば、プレイを重ねていく中で、遊びの幅の狭さを感じてくる。

また、事故を誘発する敵から順番に倒していきたいなかで、他プレイヤーとコミュニケーションを取る手段が皆無に等しく、歯がゆい思いが重なる。プレイヤーの動きで心情を表すエモートがあるが、戦闘中に使うようなものではない。ゲーム内ボイスチャットの実装や、『Apex Legends』などにあるPingシステム、『ファイナルファンタジーXIV』のような敵へのタグ付けなどがあるともっと遊びやすくなるだろう。

また、倒されてから文字通りなにもできないのももどかしい。マルチプレイでは一回だけ自己蘇生することができるが、倒れるとHUDから味方のHPが消えるため、余裕があるなら蘇生を待つ、なさそうなら自己蘇生、といった判断は難しい。せめてハンドガンなどのサイドアームを撃てたり、倒れながらも移動できたりすれば、1人取り残されどうやってもクリアできる見込みのない詰み状態が回避され、ドラマが生まれるエンドコンテンツになったかもしれない。

いわゆる野良とプレイしている際は、Co-opシューターでありながらNPCのような味方とプレイしているような違和感を覚え、その違和感は難易度が上がるにつれて顕著になっていく。また、他のプレイヤーのビルドに憧れても、その装備やモジュールを確認することはできないのも残念だ。

筋の通っていない高難易度は目につくものの、遠征へ繰り出して敵を倒し、良い装備が出ていないかインベントリとにらめっこして一喜一憂するサイクルが魅力的なことは間違いない。モジュールの開放によって徐々に選択の幅が広がっていくのも楽しい。

リリース直後の不具合

目を背けることができないのが、不具合やサーバーの接続問題だ。ゲームスタート時にロビーへ入れない問題や、プレイ画面からロビーに戻ろうとするとほぼ100%でアプリケーションエラーが起こるなど、非常に大きなストレスだった。プレイ中にも不具合は多く、自身の姿が見えなくなる、右スティックだけ操作を受け付けなくなる、スキルのクールダウンが進まない、スキルが使用できないといった、再起動することでしか解決できない問題が頻発し、その度にログインエラーのため更にゲームを再起動することになる。フレンドとプレイすればその分不具合の頻度は高まり、ある日のプレイ時間の半分以上は筆者とフレンドのエラーによるログイン待ちの時間だったこともある。

ゲームをレビューする際に「この手の不具合を加味すべきか?」という議論はあるが、本作の場合は不具合によってゲームの評価を著しく落としていることを明白に感じている。幸いこのような問題を運営側は把握し、発売から10日ほど経って配信されたパッチによって、アプリケーションエラーは起きにくくなっている。インベントリがワイプされるという問題も報告されているが、そちらも改善されつつある。

総評として、PCFが得意とするダークSFとシニカルジョークを土台に、シューティングにアクション要素を絡めてゲームプレイを拡張し、さらにモジュールやスキルツリーで選択肢の幅を広げる相乗効果で、プレイヤーの個性を存分に発揮できる自由度を実現している。高難易度コンテンツやCo-opタイトルとしての機能面には多少の詰めの甘さは感じるものの、新規IPとしてアクション・シューティング・ハクスラをうまく組み合わせ、一つのタイトルにパッケージングした勇猛さは、注目に値するだろう。


『OUTRIDERS(アウトライダーズ)』は、PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam/Epic Gamesストア)にて発売中だ。PlayStation 4版からPlayStation 5版、Xbox One版からXbox Series X|S版への無料アップグレードにも対応している。さらに発売と同時にXbox Game Pass入りしており、加入者は追加料金なしでプレイすることができる。

Sakutaro Okano
Sakutaro Okano

フッ軽ゲームライター。生きている実感を得るため、FPSを中心にド派手なハリウッド的アクションゲームを貪って生きている。

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