IntelとAMDのコラボプロセッサ搭載ゲーミングノートPC「G-Tune P3」レビュー。最新タイトルはどこまで動くのか

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コードネーム「Kaby Lake-G」は、Intel製CPUとAMD製のセミカスタムGPUを組み合わせ、ひとつにまとめた異例のコラボ製品である。市場に初めて登場した2018年には、Intel製の小型PCへ採用され、筐体の小さくもパワフルなパフォーマンスを発揮。IntelとAMDがタッグを組んだことや、ゲームも十分に動作するスペックから、ちょっとした注目を集めていた。

今回マウスコンピューターからお借りした「G-Tune P3(公式サイトリンク)」は、そんな「Kaby Lake-G」の中でも上位のGPUを搭載し、2019年11月に発売されたモデルである。公式サイト内では、NVIDIA製のエントリー向けGPU「GeForce GTX 1650」比で112%の3Dグラフィックス性能を誇り、約10時間のバッテリー駆動にも対応しているなど、興味を掻き立てる内容が記されている。今回は最新のゲームタイトルと定番ベンチを使い、「G-Tune P3」を軽く試してみたので、その結果をお届けしよう。

本機のスペックについては、上記のとおりとなる。CPUに「Kaby Lake-G」の中で2番目に高速なCore i7-8709G、GPUには同シリーズにおける上位版Radeon RX Vega M GHを搭載。「Kaby Lake-G」に対して16GBのメモリ、NVMe対応の512GBSSDを標準で積んでおり、ポイントをおさえた構成になっている。

また、筐体の両サイドにはUSB(合計2箇所)とHDMI、USB Type-C、マイク端子が揃っており、マウスとゲームパッドの併用や、ヘッドセットでのボイスチャットにも対応。サイズは13.3型、重量が約1.7kgで取り回しは良い。そのほか、キーボード上部に電源スイッチがあり、キーボードを含め起動中は白く光るが、無闇に七色に輝いたりはしない点は好感が持てる。なお、今回はIntelの公式サイトより2019年1月10日付けの「Radeon RX Vega M GH」用ドライバをインストールし、テストを行った。

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では解像度を1920×1080、フルスクリーンに固定。設定プリセットを最高品質、高品質(デスクトップ)、標準品質(デスクトップ)の3種類に切り替えてベンチマークを走らせた。また「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」でも解像度を1920×1080、フルスクリーンへセットし、軽量品質、標準品質、高品質の3プリセットでテストを実施した。

数字はベンチマークスコア
数字はfps

テスト結果を見てみると、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」でも軽量品質ならそれなりのスコアとなっており、最新のタイトルに対しても期待が持てそうだ。一方「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では最高品質の平均fpsが60を下回っており、同作をプレイする際には設定を少し落としたほうが無難と言える。

弊誌では、昨年末に「GeForce GTX 1650」を採用したマウスコンピューター製のデスクトップPC「NEXTGEAR-MICRO am560BA1」をベースにメモリなどに変更を加えたカスタムモデルのテスト結果を掲載している。その結果と今回実施した「G-Tune P3」の結果を比較してみると、いずれの結果も「G-Tune P3」の方が低い結果になっている。「G-Tune P3」がノートPCであり、特殊な製品を採用している点などを考慮すると、単純な比較はするべきではない。しかし、単純にゲーム用途だけで考慮すると、「GeForce GTX 1650」を採用したPCのほうが高速なケースもあるのは事実だろう。

筆者のプレイ状況を参考に、最新のタイトルとして選択したのが『One Step From Eden』、『BIOHAZARD RE:3』、『Mount & Blade II: Bannerlord』の3本だ。共通する事項として、解像度を1920×1080、画面はフルスクリーン、垂直同期が設定項目にある場合にはオフにセット。プリセットを利用してグラフィック設定を変更している。いずれもベンチマークや専用のモードは用意されていないため、「G-Tune P3」上で実際にゲームプレイを行い、計測ツール「OCAT」*1を利用してパフォーマンスを測定した。画像には、平均フレームレートと99th-percentile*2をもとに計算した最小フレームレートを掲載している。また、設定を変えて行っているテストでは、同じようなゲームプレイを心がけてはいるものの、毎回詳細なプレイングは異なっているため、あくまで参考程度としてほしい。

*1
OCATは、フレームレートをオーバーレイに表示したり、パフォーマンスの計測ができるオープンソースのツール。The Open Capture and Analytics Toolの略称でもある。

*2
描画にかかっている時間が遅い方から1%を省き、99%に位置するものを現した数字。小数点4位までを記載している。

『One Step From Eden』においては、詳細なグラフィックの設定項目などはなく、フレームレートの変更のみができるため、120fpsに設定した状態でテストを実施した。本作は、ドットを採用した2Dグラフィックの作品であり、特別負荷がかかるシーンもないことから、テスト結果でも非常に安定した数値を示している。実際、テスト中も120から121fps程度で動作し、計測結果とプレイフィールも一致している。最新のタイトルであっても『One Step From Eden』のような低負荷の2Dグラフィックの作品なら、快適に遊べるわけだ。

ゲームスタート時に計測を開始し、そのまま10分間のゲームプレイを行った。ゲーム後半になっても大幅に敵の数やエフェクトが増加するわけではないため、今回はこの条件を採用している。

『バイオハザード RE:3』では、グラフィック設定を処理速度重視から、バランス重視、画質重視、限界突破まで、4種類のプリセットへ切り替えてテストを実施。処理速度重視では、平均fpsが96.4、最低fpsが61.05と安定した数値を示しており、快適に動作していた。以降は、グラフィック設定に応じて順当に負荷が増加している。また今回テストしたマップでは、フェンス越しに複数のゾンビが存在し、燃え盛るオブジェクトが存在しているが、この付近にいる際には明確にフレームレートが低下していた。このマップに限らず、限界突破に設定した状態でもそれなりに戦闘を行えていたが、タイミングが重要な緊急回避が必要なシーンを考慮すると、平均60fpsは確保したい。そのため「G-Tune P3」でのプレイでは、バランス重視が妥当な設定と言えそうだ。

テストに選んだのは序盤に訪れる街の一角、おもちゃ屋があるマップだ。このマップでは複数のゾンビが新鮮な肉を求めてうごめき、オブジェクトも炎上しているため、それなりの負荷がかかっていると予想される。変電所側で記録したセーブデータを利用し、フェンスの前まで移動。フェンスの扉を開けた瞬間から開始し、そのまま1分間のゾンビとの戦いを測定した。

なお、『バイオハザード RE:3』の設定画面では、設定に応じて必要なグラフィックメモリの容量が示されており、処理速度重視で1.47GB、バランス重視が2.33GB、画質重視が5.54GB、限界突破が12.34GBがそれぞれ必要とされる。前述のとおり、本機のグラフィックメモリは4GBであり、4GBを超える画質重視から平均フレームレートが60を下回っている点を考慮すると、設定が見えてくるかもしれない。

『Mount & Blade II: Bannerlord』は、3月30日に早期アクセスが開始されたばかりのタイトルだ。正式リリースを迎えておらず、開発中の作品であるため、今回は動作確認程度に留めている。テストでは、まずプリセットから設定をミディアムへと変更。試しにキャンペーンの序盤をプレイしてみると、村やマップ上では60fps前後の数値を示し、山賊の隠れ家を舞台にしたシーンでは50から60fps程度で推移。重いフィールドや大規模な戦闘にならなければ、「G-Tune P3」でも問題なくプレイできそうだった。

その後、負荷を調べるべく、マップと参加する人数を選べるカスタムバトルを実施。グラフィック設定を変えつつ双方に50人、あるいは250人を配置し、人が密集して戦闘が始まった状態から1分間のフレームレートを計測したものが、上記の画像となる。100人程度ならVeryHighでもそこそこの数字を示しているのに対し、500人の兵士が存在する戦場ではより低いフレームレートとなっていて、グラフィック設定より戦場の人数がパフォーマンスに影響を及ぼしている。なお、カスタムバトルにあるもう一つのマップVillageは、現状ではMediumでも45fps程度と重く、Low設定に変更すると70ほどまでfpsが向上した。激しいアクションが要求されるわけではないとはいえ、まだまだ不安定な本作を「G-Tune P3」で安定して遊びたいなら、設定を下げるほうが無難だろう。

最後に、熱と音についても触れておこう。特殊な製品を採用しているとはいえ、本機もゲームプレイ中はそれなりの発熱を伴う。特に熱を持つのはキーボード中央部で、冬場はカイロとしての活躍も期待できそうだ。WASDを始め、ゲームプレイで使用するキーも熱くなるが、操作のためずっと指を置いていても触れないほど熱くなったりはしなかった。熱がそれなりなら、ファン音の方もそこそこにする。ゲームプレイにより負荷がかかり、筐体が発熱し始めると、ファンが唸りを上げて飛行機のエンジン音にも似た高めのノイズを響かせる。スピーカーから流れるゲーム音が聞こえなくなるほどではないものの、ファン音も同時に耳へ届くため、ヘッドホンやヘッドセットを常用することになりそうだ。ただし、これらはゲーミングノートPCの宿命、小さな筐体にスペックを詰め込んだ代償である。

Intel製のCPUとAMD製のGPUを組み合わせた珍しいプロセッサを搭載し、最新のSteamタイトルもある程度動作する「G-Tune P3(公式サイトリンク)」。魅力が明確な一方、今回のテスト結果だけでも、スペック面での要望を垣間見せた。単純にゲームをプレイする目的だけではなく、大きさや重さを考慮し、13型かつゲームが動くノートPCが欲しいなら、本機はその条件を満たしている。

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