『Satisfactory』は時間泥棒な期待作。早期アクセス配信に先んじてゲーム内容を軽く紹介
【UPDATE 2019/3/17 10:50】
Coffee StainのCommunity ManagerであるJace Varlet氏は、『Satisfactory』を日本語を含む多言語に対応する予定であることを定例報告ビデオの中で明かした。ゲーム内オプションに日本語設定が存在していたが、公式に日本語対応することが決定した形。多言語ローカライズはすべてが完成しているわけではなく、クオリティも変化していくようなので、正式なサポートについては気長に待つ必要があるかもしれない。なおゲームの発売時間は、日本時間3月20日2時になるという(19日2時と記載していたが訂正)。同ビデオでは、アルファ版のセーブデータは引き継ぎ可能であるが、バランスなどが変わっている面もあることなども報告している。
そのほか、Epic Gamesストアの独占期間は早期アクセス開始から1年、つまり2020年3月19日までになるとのこと。Epic Gamesストア独占が終わってから、Steamで販売するとして、その時にゲームをそちらに移動させられるかという問いには「わからない」と回答している。なお、公式サイトでは早期アクセスにおけるロードマップを公開中。アルファ版を遊びゲームの購入を決めた方は、そちらを読んでおくといいだろう。
【原文 2019/3/10 10:20】
Coffee Stainは3月19日に『Satisfactory(サティスファクトリー)』を早期アクセス配信する。対応プラットフォームはPC(Epic Gamesストア)。価格は3380円。『Satisfactory』は、『Sanctum』や『Goat Simulator』を手がけた人気スタジオの最新作。オープンワールドなFPSでありながら、サバイバル要素があり、工業生産やそれらのプロセスの自動化も導入するマルチプレイタイトルということで、要素の多さが注目を集めていた。一方で、気にはなるものの、実際どんなゲームかよくわからないという方もいるだろう。本作においては、これまで敷かれていたNDA(秘密保持契約)が解禁されたので、3月8日から配布された始めた最新のアルファ版の内容を軽く紹介したい。
『Satisfactory』は、一人称視点のオープンワールドゲーム……とひとまずジャンル付けしたい。コアなプレイヤー向けにざっくりと表現すると、『No Man’s Sky』を筆頭にしたサバイバル系の惑星開拓ゲームに、『Factorio』のような工業シミュレーションゲームをくっつけたといえばわかりやすいだろうか。プレイヤーは、企業の一員として自然あふれる惑星を開拓していく。
惑星に降りたプレイヤーは、ひとまずハブを建てる。このハブをグレードアップし、施設やアイテムをアンロックしていく流れだ。プレイヤーがすることは、資源を集めて加工すること。広大な惑星にはさまざまな資源が存在するので、その資源を採掘および採取し加工して素材にしていく。具体的には、鉄石や銅石などを採掘して、それらをワークベンチにて鉄板や銅へと加工する。最初は手動の加工を強いられるが、のちには施設同士をベルトコンベアでつなぎ、加工のプロセスを自動化することも可能。
ただし、プロセスの自動化にはチューニングが必要。自然資源を用いて電力を作り出し、その電力を施設に振り分けるのだが、電力の配分なども考えなければラインが止まってしまう。施設同士の距離感もライン構築において重要だ。うまく位置関係を整理しながら、自動化されたラインを作り上げよう。さまざまな資源発掘場所と連結することで、工業ラインを通じて惑星を開拓していくわけだ。
こうした説明からもわかるとおり、本作はまさしく「3D版『Factorio』」と表現しても語弊のないゲームに作り上がっている。しかし一方で、3Dになったことでプレイフィールはかなり異なる。本作はビジュアルが美しいこともあり、ラインをさまざまな角度でながめることができる。基本的には施設の上に登ることができ、上からラインや工業化されたエリアを見るだけでも楽しい。また3Dになったことで、自由度が高くなった反面整理しづらくもある。特に高さの概念があるほか、斜面なども存在するので、ラインを築く上では地形には気を配る必要あり。施設を解体しても建築に使用した素材はそのまま返ってくるので、細かい調整がしやすいが、計画的な設置は重要になる。
筆者が個人的に気に入ったのは、快適さへの配慮がなされていたこと。導入の部分では、『Factorio』のキャンペーンには丁寧なチュートリアルが存在するのだが、「学習」としての側面が強め。一方本作では、本編を楽しみながら自然にゲームに入っていけるようなチュートリアル(ミッション)が用意されている。そのほか、何の素材が足りないか、何をどのように生産しているかなど、画面上の情報がわかりやすく、情報を探すという点で苛立つことはなかった。直感的に遊びやすい部分は、非常に好印象。あまりこの手のジャンルを遊ばないユーザーでも、躓かずゲームに没頭できるだろう。
アルファ時点では、工業や生産といったパートに重点が置かれているが、惑星探索もなかなかに楽しい。昼夜の概念が存在しているので、景観が変わっていくほか、作業中上空を巨大な生き物が飛んでいったりと、生態系を感じられる雰囲気も本作の魅力。惑星にはプレイヤーを邪魔する植物や未知の生物がうごめく。探索には緊張感があり戦闘も楽しいので、サバイバル狩りシューターとしての可能性も感じられる。工業パートとうまく融合していけば、さらにゲームとしての奥行きは広がっていくのではないだろうか。
ということで、あらためて『Satisfactory』の特徴をまとめよう。本作は一人称視点での展開されるオープンワールドゲームで、サバイバル要素もあるが、工業要素を特色しており、その工業要素は現時点でも遊びやすく洗練されている。3D『Factorio』という表現はイメージとして近い。資源の採取から加工、工業ラインのやりくりを考えるのは非常に楽しく、筆者もプレイ始めてからずっとゲームに没頭してしまった。現時点で、かなりの時間泥棒ゲームになることを予感させる。惑星は比較的安全で、敵襲なども現時点ではなし。ラインを組んでから、生産を待つだけの時間もあるので、スマートフォンやテレビを見ながらのプレイもしやすい。中毒性は高いが、ゆるく遊べるゲームという印象だ。マルチプレイは未体験だが、作業の分担などをすればさらに楽しめそうだ。なお言語設定には日本語の項目があることから、日本語に対応する可能性が高そうなのも嬉しいところ(現時点では項目があるだけで未実装)。
気になった点として、Epic Gamesストア専売になったことで、スクリーンショットを撮るのが煩雑になったのはもったいなく感じた。ビジュアルがきれいなので、ついつい写真を撮りたくなるからだ。ただクライアント側には撮影機能は用意されてないが、ゲーム内でPキーを押すことでフォトモードを起動し、写真を保存することはできる。また生産ラインが増え続けた時、表示などを処理しきれるのか気になるところ。工業が主な要素なだけに開発元はそうした配慮をしていると思われるが、小規模のラインでも若干カクつくシーンはあった。とはいえ、早期アクセス配信前のタイトルとしては、パフォーマンスは安定している方ではある。また早期アクセスタイトルとして、コンテンツがどれだけ用意されるのかも注視したい点だ。
【UPDATE 2019/3/10 12:00】
フォトモードについて追記。
そんなわけで、ゲームの概要を軽く紹介させていただいた。現時点でもかなり期待が持てるクオリティに仕上がっている。そんな『Satisfactory』は3月19日よりEpic Gamesストアで早期アクセス配信予定。YouTubeなどにもプレイ映像があがっているので、そちらを参考にしてみるのもいいだろう。
※ 中規模のラインを作っている動画配信者も