『Pix Hop』はぴょんぴょんとジャンプを繰り返す自機を左右に操作し、ランダムで出現・消失する足場を飛び続け、敵の猛攻をかいくぐるハイテンポのアクションゲームだ。ビートを刻むBGMと、大縄跳びに似たプレイフィールのマッチが心地よい。数多くの実績とスキンでプレイヤーをその気にさせ、時間を忘れてのめり込んでしまうぞ。

002Pix Hop
開発元 BNOOGames
発売日: 2016年9月20日
価格: 無料(10プレイごとに広告表示あり)
プラットフォーム: Android

本作は、トランポリンのように跳び跳ね続けるPix君を操作し、ランダムで変化する足場を踏み外さないよう生き残るゲームだ。足場を踏み外して落ちる。または敵の攻撃判定に接触するとミスになる。コイン(得点アイテム)の連続取得でスコアが増え、スコアに応じて難度があがり足場と敵攻撃が激しくなる。たったこれだけのルールだが、プレイフィールが心地よくなるよう工夫を施し、再挑戦の意欲をかきたてている。

003
心がびょんぴょんする。なお、本稿スクリーンショットの画像右上のアイコンはGoogle Play 録画のもの。

足場の判定の大きさは、自機が少しでも乗ればセーフという“ゆるい”ものとなっている。また、画面端で三角飛びすれば滞空時間が延ばせるので、足場の変化に対処しやすい中央の復帰も楽にできる。咄嗟の判断と決断を信じ、大胆に操作すればなんとかなることが多い。基本的なゲームプレイに関しては、『Super Hexagon』をはじめとする高難度ミニゲームと比べ、肩の力を入れずに済む難易度だといえるだろう。

先述した自機ジャンプは高度が一定で、三角飛び以外のときは一定のリズムで飛び続ける。足場の変化、敵やコインの出現は自機のジャンプにあわせてあり、自機の動きにあわせた判断、決断、操作のリズムが生み出されている。ビートを刻むBGMがこのリズムとマッチし、大縄跳びのように、意識の集中と達成の安堵を味わえる。

004
コイン!危ない!落ちる!これをジャンプするごとに繰り返す。集中の密度が高いだけでなく、ジャンプの一定リズムにあわせて波のように押し寄せる。操作精度よりもタイミングが大事なゲームだ。

しかし、ただ生き残るだけでなく、スコアを狙い出すと、本作は高難度ゲームの本性を露わにする。コインは連続取得すると2枚目から200点、以降は獲得スコアが倍々に増えていき、最高で25600点ボーナスとなる。ひとつでも取りこぼすと倍率はリセットされるため、ハイスコア狙い時の推奨プレイは「コインめがけて突撃」だ。敵や足場への判断は二の次で、コインを取った後のわずかな時間で対処しなければならない。5万点を超えると、敵の攻撃・足場の減少が激しくなり、生き残るだけで十分難しい。コインが容易な位置に出現するよう「祈り」を要する。ただスムーズなリスタートのおかげで、祈りが通じなかった悔しさに心折れる前に次のゲームを始めることができ、プレイフィールに我を忘れてしまうだろう。

しばらくプレイしていると、次の2点に不満を覚えるだろう。コインを落とした後に難度がリセットされることはなく、コイン10個でコンティニューを得てもスコアは伸びない。ハイスコアにプレイヤースキルではなく祈りが強く絡むことに気がつくと、気持ちが醒めてしまうかもしれないが、コインを追い求める興奮が薄れることはない。

こういった状況でも、敵の攻撃判定が消失することを信じて、死をいとわずコインに突撃しなくてはならない。あとコンマ秒早ければ。遅ければ。といった反省をスムーズなリスタートで持ち越すことができ、悔しさがプレイ意欲をかきたてる。
こういった状況でも、敵の攻撃判定が消失することを信じて、死をいとわずコインに突撃しなくてはならない。あとコンマ秒早ければ。遅ければ。といった反省をスムーズなリスタートで持ち越すことができ、悔しさがプレイ意欲をかきたてる。

それに、スコアが伸びなくとも、実績で何かを得ている気にさせてくれる。コイン累計獲得数によるスキンのアンロックも無数にあり、進捗を得ている気にさせてくれる。足場の判定をはじめとする気前の良さと、メリハリがきいたリズムで、気軽にプレイでき夢中になれるのが本作のウリだ。電車を待つ5分、10分の空き時間をつかって「今日もゲームをたっぷり遊んだ!」という実感を得たいなら、本作を試してみてほしい。

自機スキンはうなるほど大量にある。スキンアンロックの条件はコイン獲得をなので、ハイスコア狙いのプレイでどんどんスキンが増えていくぞ。スキンに応じてBGMと足場も変化するので、使ってみてはじめてジョークスキンとわかる小ネタが小気味よい。
自機スキンはうなるほど大量にある。スキンアンロックの条件はコイン獲得をなので、ハイスコア狙いのプレイでどんどんスキンが増えていくぞ。スキンに応じてBGMと足場も変化するので、使ってみてはじめてジョークスキンとわかる小ネタが小気味よい。