超壮大歴史ストラテジー『Europa Universalis V』(EU5)初心者攻略ガイド、外交・戦争編。同盟国の探し方から要塞の落とし方まで解説

本作は非常に多くの要素が存在する大規模ゲーム。プレイを始めたが、なにがなにやら分からないという人もいるだろう。

Paradox Interactiveは『Europa Universalis V』(以下、EU5)を配信中だ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応している。

『EU5』はグランドストラテジーゲームだ。ゲームの開始年となるのは1337年。プレイヤーは世界中の国家から自分の勢力を選び、500年に渡って統治していく。本作は非常に多くの要素が存在する大規模ゲーム。プレイを始めたが、なにがなにやら分からないという人もいるだろう。

そこでこの記事では『EU5』の基本的なシステムを紹介していく。外交・戦争編と題した本稿では、同盟国の見つけ方や戦争のやり方、戦後に起きやすい問題と対処法などについて説明する。建築や階級のコントロールといった要素は別記事である内政編にて取り扱っているので、気になる方はそちらもチェックしてほしい。

なお本作は11月5日のリリースから頻繁にアップデートが実施され、大きめの仕様変更などもおこなわれている。開発元は今後もこまめに調整していくと宣言しており、今後のバージョンアップで一部仕様が変更される可能性がある。本稿の内容はバージョン1.0.7で確認したものだ。

外交には外交官が必要

まずは本作の外交について説明しよう。具体的な外交アクションの前に、本作の「外交官」というリソースについて説明する。本作では原則として、あらゆる外交アクションの実行に外交官が1.0必要だ。外交官は毎月小数点単位で変動し、収支の画面にて外交費に予算を投じることで増加させられる。

外交費は結構高いので、用がないときは削っておくとお財布にやさしい。しかし外交官が1.0以上貯まっていないと外交できない。外交アクションを起こす際は、事前に外交費の予算を上げておく必要があることを覚えておこう。現在の外交官の数と、毎月の変化量は、画面上部のハトのアイコンのところに常時表示されている。

「評価改善」で仲良くなれる

外交をおこなう方法はいくつかあるが、まずマップ画面で目当ての他国を右クリックすればその国と個別の外交をおこなえる。「すべての外交アクションを開く」を選べば、実行可能な外交アクションの一覧が出てくるだろう。非常に多くのコマンドがあるが、いずれのアクションもマウスオーバーすれば具体的な効果の説明が表示される。ここではよく使うコマンドをいくつか解説しよう。

もっともよく使うコマンドは「評価改善」だろう。これは毎月少しずつ、相手国からの評価を上げていくアクションだ。外交関連には信頼度や好感度など、似た響きのステータスがいくつかあり、少し紛らわしい。しかし一般的な意味での国同士の親しさは「評価」となっているため、仲良くなりたい国には評価改善をしておけばよい。

なお評価改善で上げられる評価値は最大で100程度となっており、無際限に上げられるわけではない。また評価の基本値は各国の宗教や文化などで変動し、敵対的な異教の国は基本値がマイナス100以下になっていることが多い。この場合はいくら評価改善をおこなっても焼け石に水である。どんな国とも仲良くなれるわけではないことには留意しよう。

仲良くなれば同盟を結べる

そして外交として分かりやすいのは「同盟の提案」だ。同盟を結べば戦争の際に友軍として呼べるようになる。必ず援軍要請に応じてくれるわけではないので過信は禁物だが、敵から宣戦布告を受ける抑止力にもなる。どこかと同盟しておくと安心だ。とはいえ各国AIは独自の戦略判断をおこなっており、いろんな事情で同盟に応じてくれない国も多い。同盟に応じてくれるを探すときに役に立つのが、左上の外交ウィンドウである。

外交ウィンドウでは一国を対象にするのではなく、近隣のすべての国に対しておこなえる外交アクションのリストを見ることができる。外交ウィンドウから「同盟の提案」を選択するとマップが切り替わり、各国が緑や赤、灰色などの色で塗り分けされた表示になる。緑は同盟を承諾してくれる国、灰色は条件を満たしていないので同盟を結べない国、赤は条件上は可能だが、評価が低いなどの理由で同盟に応じてくれない国となっている。

この画面で各国にマウスオーバーをすると「承諾の理由」という数値が表示される。承諾の理由がプラス1以上なら外交交渉は必ず成功し、0以下だと必ず失敗する。承諾の理由の計算式を完全にコントロールするのは難しいが、分かりやすいプラス要因として、各国の評価値の4分の1が加算される。つまり評価改善を最大までおこなえば、承諾の理由を25ポイントほど上乗せすることが可能だ。画面左のリストは承諾の理由のスコアが高い国順に並んでいるので、そこから同盟できそうな国を探すとよいだろう。

ただし同盟などで他国と外交関係を結ぶと、「外交許容量」というパラメーターを消費する。外交許容量を超えて外交関係を結ぶと、国家にさまざまなペナルティが発生する。現在の外交許容量は外交ウィンドウで確認でき、アクション実行時に消費される外交許容量はコマンドのマウスオーバー画面で表示される。大国相手と外交関係を結ぶと、外交許容量は多く消費される。規定値をオーバーしないように事前に確認しておこう。

開戦事由は「議会」から

もちろん外交画面から宣戦布告をおこなうこともできる。宣戦布告には「開戦事由」が必要というのはParadoxの戦略ゲームの定番システムであり、本作も同様だ。開戦事由はイベントなどで手に入ることもあるが、メインになるのが議会で作る方法だ。

議会は5年ごとに開催でき、開催可能になると画面上部のアイコンにお知らせが出てくる。議題はなんでもいいので、議会で50%の支持を獲得していれば、議会画面より開戦事由の作成をおこなうことができる。ただし議会は自動化していると勝手に進んでしまい、細かい操作ができない。『EU5』の重要な要素なので、できれば議会は手動でおこなうことをオススメする。

なお評価値が+50以上の国に宣戦布告すると、自国の安定度が下がるペナルティがある。こうした場合は宣戦布告の前に「侮辱」をおこない、評価値を下げておくとよい。ちなみに侮辱の際に送れるメッセージは20種類ほど用意されており、自由に選ぶことが可能。「お前の母親はハムスターだ!」などお好みの侮辱で宣戦布告に華を添えよう。

召集軍と正規軍

戦争をおこなうためには軍隊が必要だ。本作の軍には「召集軍」と「正規軍」の二種類が存在する。召集軍は普段は働いている農民たちであり、戦時のみ動員することが可能。左上の軍事ウィンドウから動員ボタンを押すことで召集できる。解散も同じ画面から可能だ。

召集軍は普段はまったく維持費がかからないのが特徴だ。経済的で、お手軽に大軍を動員できる。しかし正規軍に比べると非常に弱い。ゲーム序盤は召集軍が主力になるが、時代が進んだら正規軍を揃えていくことになるだろう。

一方の正規軍は平時でも常に部隊として存在している常備軍である。ユニットの生産と維持、補充には人的資源が必要。量産するためには「武器庫」など関連技術の研究をおこない、各地に軍事施設を建設していく必要がある。強いが、財政負担も相応に高いのが特徴だ。

占領と要塞

戦争では野戦に勝利したり、敵の領土を占領したりして、「戦勝点」を積み重ねていくことになる。占領状態はロケーションごとに判断されるが、州都を落とせば州内の他のロケーションは自動で占領状態になる。そのため州都だけ落としておけばOKだ。ちなみに、マップ上で銀色のアイコンが付いているのが州都である。

また本作の戦争において鍵になるのが要塞だ。要塞はZoCという能力があり、要塞があるところとその周囲のロケーションは、軍隊が通り抜けできない。国境地帯に要塞を敷き詰めておくと、国の内部への敵の侵入を防ぐことができるわけだ。要塞とZoCの状況は専用のマップモードから確認可能だ。

要塞の陥とし方

要塞ももちろん占領できるが、それには年単位の時間がかかる。陥落を早める方法はいくつかあり、まず包囲軍の指揮官の統治能力が高ければ、速度にボーナスが得られる。また外交アクションから対象国に諜報網を築いていると、諜報網の大きさに応じてスピードが上がる。このふたつは簡単なわりに効果が大きいので、包囲戦の際は意識しておくとよいだろう。

さらに効果が大きいのは、包囲軍に砲兵を用意することだ。砲兵と包囲ボーナスの関係は少々複雑だが、筆者が探した限りゲーム内で詳しい説明がない。知りたい人もいると思われるので、次の段落で詳しめに説明しておく。面倒な人は「砲兵が多いほど包囲が速くなる」とだけ覚えて、読み飛ばしてもらって構わない。

砲兵の包囲ボーナスについて

まず砲兵連隊ごとに設定されている弾幕砲撃力から、包囲中の要塞レベルを引く。この値が各ユニットの砲撃値となる。たとえば最初にアンロックされる砲兵ユニット「榴弾砲」の弾幕砲撃力は3で、最初の時代の城の要塞レベルは2だ。3引く2で、砲撃値は1ということになる。そして全連隊の砲撃値を合計し、3で割って小数点を切り捨てた値が、最終的な対要塞ボーナスとなる。ただし砲兵連隊の兵数が減っていると、割合に応じて砲撃値も減少する。

言い換えると、フル充足の砲兵3連隊ごとに対要塞ボーナスが1得られる。そして初期の技術レベルでは、対要塞ボーナスの最大値は5。そのため15連隊の砲兵がいれば、最大量のボーナスが得られることになる。砲兵や要塞関連の技術のアンロックによってこれらの値は変わっていくが、大抵の年代では砲兵の最終的な砲撃値は1になるように調整されているようだ。

和平時は「敵対心」に注意

戦争の終結は、画面上部の戦争アイコンからおこなう。表示されているパーセンテージが高いほど、和平条約で多くの条件を飲ませることが可能だ。ただ100%にならなくても交渉はおこなえるので、戦争中は随時確認しておこう。

和平条約では領地を奪ったり、相手を従属させたり、賠償金を払わせたりと、さまざまな要求を強制することが可能。各条項の詳しい効果についてはマウスオーバーで確認してほしいが、ここで注意してほしいのが「敵対心」という概念である。

和平条約で領地を奪ったりすると、プレイヤーの国家に対する敵対心というものが周辺の国に発生する。この敵対心が50を超えた国はプレイヤー国家に対して「包囲網」を敷き、集団で宣戦布告してくることがあるのだ。小国でも束になれば厄介だし、大国が包囲網に参加すれば非常に危険なのは言うまでもない。

手に負えないような包囲網が形成されないように、和平条約を決定する前に、発生する敵対心の量は確認しておこう。具体的な敵対心の影響は、和平条約画面にてマウスオーバーでチェックすることができる。50を超えている国が多いようなら要注意だ。自国が弱い序盤のうちは、和平条約は要求控えめなぐらいがちょうどいいだろう。

戦争の後始末

本稿の最後に、領土を奪ったあとに起きがちなトラブルと、その対処法について説明しておこう。まずは生まれた敵対心について。各国の敵対心は時間の経過とともに少しずつ薄れるが、「評価改善」をおこなえば急速に解消することができる。次の戦争の予定がしばらくないなら自然解消を待つのもよいが、そうでないなら周りの国の敵対心は解消しておこう。各国が抱いている敵対心の量は、画面下部の外交マップモードの「敵対心」からチェックすることができる。

また戦争で奪ったばかりの土地は、国家に統合されていない土地という扱いになり、ほとんど税収を生まない。他にもさまざまな問題があるが、大体は「内閣」のアクションから対処することができる。まず統合の指示を出して、自国に組み込んでおこう。なお内閣を自動化している場合は、基本的にオートでやってくれるはずだ。

文化の「受容」と「同化」について

また奪った土地に住んでいる、住民の文化についても気にかける必要がある。本作には国家ごとに主要文化が設定されており、異文化の住民は満足度が下がりやすい。いろんなデメリットがあるため、大作をおこなう必要がある。異文化の住民に対処する方法は「受容」か「同化」のふたつだ。

まず受容について説明しよう。受容は画面左上の社会ウィンドウの文化タブより実行可能。特定の文化を受容をできれば住民の不満を抑えられるが、文化の受容には「文化許容量」という枠を消費する。文化許容量の消費量は対象によって異なり、主要文化と近しい文化は受容コストが小さいが、親しくない文化はコストが大きい。異民族が多い土地よりは、自国に近い民族が多い土地を統治する方が簡単ということだ。

また同化については、内閣アクションより実行可能。住民の文化を転向させ、主要民族に変えていくことができる。ロケーション内の住民の過半数が同化ないし受容されていると、いろいろとボーナスがある。受容と同化を駆使して、住民を自国の文化に取り込んでいこう。土地の統合が終わり、住民の受容か同化もすめば、真に自国の領土になったと見なしてよいだろう。

以上で本稿の解説は終了となる。『EU5』には自動化オプションがいろいろと用意されているが、外交と戦争は国家戦略に直接かかわる部分。内政に比べると自動化がなじみにくい分野かもしれない。この記事がプレイの助けとなれば幸いだ。

『Europa Universalis V』はPC(Steam)向けに配信中だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

記事本文: 611

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。