『エルデンリング』パリィ使い方講座~実践・基礎編。快感戦技「パリィ」のコツとおすすめ盾、有効なボスなど

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『エルデンリング』発売から約1か月が経った。もうクリアしたプレイヤーも、遊び始めたばかりの方もいることだろう。本稿では、狭間の地での冒険をまだまだ楽しむ褪せ人たちに、「パリィ」の魅力と使い方について、前後編の2回に分けてお伝えしたい。今回は「実践・基礎編」と銘打ち、前編をお届けする。なお、本稿にはボスの名前や映像および戦技名も含まれるため、閲覧の際にはご注意されたい。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGだ。本作の軸となるのは、広大なオープンフィールド「狭間の地」での冒険。一方で、同スタジオ過去作の戦闘システムなども継承しつつ、霊体召喚などの新要素も盛り込んでいる。そんな中、同スタジオ過去作にも存在したものの、『エルデンリング』にてやや目立たなくなった要素がある。敵の攻撃を弾いて隙を作り出す技、「パリィ」だ。

パリィとは何か


パリィは『ダークソウル』シリーズでお馴染みの要素である。敵の攻撃を見切り、攻撃を受ける瞬間に捌いて「致命の一撃」攻撃が可能な隙を作り出す技術だ。使いこなすのは難しいものの、熟達すれば強敵との1対1の対戦で有効に働く技でもある。敵の攻撃を逆手に取り、致命的な反撃を加える快感はたまらないものだ。

しかしながら、『エルデンリング』においてはやや影が薄くなったといわざるを得ない。パリィ以外の強力な戦技が充実しているほか、本作ではパリィを活かしづらい強敵が多数登場するからだ。また、致命ダメージも同スタジオ過去作より控えめな傾向があり、ハイリスク・ハイリターン戦法であるパリィの、リターンが低減している感も否めない。では、パリィは本作にてまったく価値を失ってしまったのだろうか?筆者の見解は、否である。パリィの快感は健在であり、一部ボスに対しては依然として切り札として機能しうる性能をもっている。パリィを使いこなして快感を楽しむコツについて、まず結論からお伝えしたい。

バックラーで張り付き、敵の手を見てえぐりこむ


パリィは、発動する盾や武器によってモーションが変化する。たとえば、中盾などはそのまま横に薙ぎ払う仕草、パリングダガーやバックラーはいったん眼前に盾を突き出してから払う仕草となる。そしてモーションの違いによって、パリィ可能な判定の長さや、ボタン入力からのパリィ発生のタイムラグも変わるのだ。つまり、装備によってパリィのしやすさが変わってくるわけだ。

そして、序盤から手に入る装備のなかでもっとも優秀なパリィ性能を誇っているといえるのが小盾「バックラー」だ。カット率など盾としての性能は頼りないものの、「バックラーパリィ」との名を冠した特別なパリィ戦技をもっている。また、バックラーは素性「盗賊」の初期装備であるほか、ストームヴィル城のNPCゴストークからも購入可能だ。もちろん、ほかの小盾やパリングダガーなどの装備を用いてのパリィも可能だ。優秀とてバックラーの使用を強いるものではなく、好みの道具を手に馴染ませるのが一番だ。本作にはパリィの派生戦技も多く登場する。そうした戦技は有用なものの、序盤には手に入らない場合もある。そのため前編である本稿では、ゲーム序盤から採用できるバックラーパリィ戦術とパリィの基礎を軸に解説していく。

実際にパリィをするにあたっては、敵にできるだけ接近した方が成功しやすい。敵のもつ武器を弾くイメージではなく、敵の手を凝視して「攻撃の出始め」にその手にパリィを叩きつけるイメージでおこなうとよいだろう。つまり、バックラーを装備して敵に張り付き、敵の手元の動きを見て叩き込むのがコツとなる。こうした結論に達した理由および、その背景にある本作のメカニズムついては後編にて詳しくお伝えする。派生戦技の性能などについても、後編に譲ることとする。

パリィ上達のための基礎

パリィは敵の攻撃を受け流す「防御技」とのイメージがあるかもしれない。しかし、実際には、敵の攻撃中の隙を突いて体勢を崩させる「攻撃技」である。実際のメカニズムとしても、パリィは不可視の「パリィ判定」を一時的に発生させて、敵の「被パリィ判定」にヒットさせる仕組みになっていると考えられるのだ。一瞬のタイミングを合わせる必要のあるパリィでは、判定発生タイミングの把握は重要だ。しかし、不可視ゆえにパリィ判定の発生タイミングはなかなか掴みづらい。敵との戦闘で、身体で覚えてもいいものの、筆者としては「壁パリィ練習法」でタイミングを掴むことをおすすめしたい。

壁パリィ練習法は、文字通り壁をパリィしてタイミングを掴む方法である。壁に対してパリィを発動すると、武器種や壁の材質にもよるものの火花や埃のようなヒットエフェクトが出る。筆者検証の結果、このエフェクトはパリィ判定の発動とほぼ同時と考えて良さそうである。つまり、壁にパリィを叩きつけることでわかりやすくパリィ判定発生タイミングを確認できるわけだ。また、接敵時にはパリィ判定発生の瞬間にスタミナも微量消費するため、こちらを目安にするのも可能だ。ただ、モーションから目を離さずにパリィ発生を確認できる壁パリィの方がタイミングは掴みやすいだろう。

*実際に壁パリィをしている様子、スタミナの減少とヒットエフェクトが確認できる


パリィ or ノットパリィ

次に大切なのが、パリィできる攻撃とできない攻撃を把握することだ。悲しいかな、パリィは万能ではない。見分け方としては、「武器を用いた攻撃はだいたいパリィできる」と考えてよい。しかし、武器による攻撃でもジャンプからの攻撃や特殊モーション、超大型ボスの武器攻撃などはパリィ不可な場合がほとんど。武器攻撃以外では、当然ながら炎はパリィできないし、投射物や魔法も(一部戦技によるパリィを除き)パリィできない。動物の攻撃なども同様だ。筆者が野生動物などにケチョンケチョンにされつつ確かめた、「パリィ不可」リストは以下の通り。

・魔術や祈祷およびそれにより形成される武器・飛び道具(専用戦技が必要)
・ジャンプ攻撃や掴み攻撃
・ムチおよび、鎖についたハンマーを振り回す攻撃など
・超大型ボスの武器攻撃
・エビ・カニ・クマ・タコ・陸ほやなどの動物全般や飛行敵の攻撃
・トロールや乙女人形、一部ボスなど大型の敵

ボスであれなんであれ、武器の柄を手に握っての攻撃は基本的にパリィできると考えて差し支えない。筆者も全敵キャラの全モーションを検証したわけではないため、自分の手で確かめるのが確実だろう。しかし、特筆したい例外として、ストームヴィル城に出現する鳥による攻撃がある。奴らは足に刃を装着しているため、その刃による攻撃であればパリィが可能なのだ。鳥に煮え湯を飲まされた方は、弾かれて地面に無様に落ちる様子を見てほしい。この“してやった感”も、パリィの魅力のひとつだろう。また、騎乗タイプの敵の落馬も狙える。手っ取り早く落馬させる実用性もありつつ、気持ちいい使い方のひとつだ。


憎きあいつにパリィで挑め

ここまでパリィについて語っておいて大変恐縮ながら、パリィが有効に働く強敵は限られる。できるかどうかと、有効かどうかは別だ。また、パリィ不可能な強敵も複数存在するほか、敵の集団など複数戦ではさらにリスクが上昇する。特にゲーム後半に入るほどその傾向は顕著だ。しかし、パリィで敵の攻撃を捌き倒すプレイでは、独特の癖になる達成感が味わえるのも確かだ。そして、とある強敵についてはパリィがとりわけ有効に作用する。強い敵としてしばしば話題にのぼり、登場シーンも多い「坩堝の騎士」だ。

坩堝の騎士は武器タイプなどが違うバリエーションが存在する。しかし、いずれも大部分のモーションがパリィ可能だ。盾攻撃・地面踏み・掴み・尻尾攻撃・滑空・蹴り・タックルと、パリィ不可攻撃も一通り揃えており攻撃が苛烈なのは否めない。しかしながら、よく観察するとそれぞれのモーションは意外なほど素直なのだ。特に大剣タイプは振りが遅めであり、しっかり攻撃を見てパリィを決められる余裕もある。慣れれば意外なほどパリィが取れるほか、比較的見分けやすいパリィ不可攻撃もほどよく織り交ぜてくるため、1対1で戦える場合にはパリィの練習相手としても適格と思われる。このため、筆者は個人的に同ボスを「坩堝先生」と呼んでいる。もちろん、普通の雑魚敵などで練習してもいいものの、AIの関係か攻撃を渋る敵も多い。そうした面では、攻撃ペースが一定した坩堝先生のスパルタ教育は、より練習に向いているかもしれない。

*坩堝先生によるレッスンの様子


また、坩堝の騎士は普通に戦えば、まったく怯まない上にわかりやすい大きな隙も少ない強敵である。その緩まぬ攻撃の手をほぼすべて攻撃のチャンスに転換できると考えると、パリィで挑む意味は十二分にあるといえるだろう。ほかにも、ハンマーの振りがわかりやすい墓守闘士(鎖をもっての攻撃はパリィ不可)や、奇怪なモーションながら武器攻撃のタイミングが一定の還樹の番犬(回転・魔法・浮遊攻撃はパリィ不可)など、パリィを利用すると与し易いボスは意外と多い。パリィに熟達すれば、戦術の選択肢のひとつとして有利に働く場面もあるだろう。また、パリィ運用の際には短剣類など、致命ダメージの高い武器を用いるか、サブ武器として用いるとより効果を高められる。

ただし、複数ボス戦などでのパリィ運用には工夫や運も必要になってくる。2体の攻撃を同時に見切るのは至難の業であるため、逃げ続けながら確実にパリィできる攻撃を仕留めていくような立ち回りも必要になる。一方で、敵の種類と運によっては2体を交互にパリィするようなリズムが発生する時もあり、気持ちよさはひとしおだ。リスクと引き換えの快楽である。また、身も蓋もない話ではあるものの、パリィでどうしても勝てない際は別の戦術に切り替えてしまうのも、パリィを長く愛するコツだろう。筆者は本稿の執筆のための検証にあたり、パリィと自分の腕前にちょっぴり失望しそうになった。燃え尽きる前に切り替えよう。

パリィは楽しい


多彩な戦技に負けず劣らず、パリィも独特の快感を届けてくれる。しかし、本作の魅力のひとつは、プレイヤーがそれぞれの戦術を組み立てて戦いに取り組める点だ。パリィに限らず、褪せ人各々が自分で納得できる技でもって、敵に挑み勝つのが一番である。すでにパリィを愛用している方にも、パリィを使っていなかった方にも、本稿がお役に立てれば幸いである。

本稿では、パリィの基礎と実践について伝える前編として「実践・基礎編」をお贈りした。次回の後編は「応用・技術編」として、「黄金パリィ」「トープスの力場」「嵐の壁」などのパリィ系戦技や、バックラー以外の装備のパリィ性能、そして『エルデンリング』のパリィメカニズムについて解説していく予定だ。

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