スクウェア・エニックスが発表を進めるプロジェクト「Project CKP」の正体は?

先週末、北米や欧州のスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)は、新規プロジェクト「Project CKP」が進行中であることを明らかにした。このプロジェクトの詳細は、現地時間の4月6日(月)より、3日間にわたってTwitchにて配信されている。

先週末、北米や欧州のスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)は、新規プロジェクト「Project CKP」が進行中であることを明らかにした。このプロジェクトの詳細は、現地時間の4月6日(月)より、3日間にわたってTwitchにて配信されている。ユーザーが投票できる「Interactive Reveal」形式が採用されるなど、かなり大掛かりな発表となっており、スクエニにとって重要なプロジェクトであるとみて間違いないだろう。

北米欧州のスクエニは、Twitter上にて「1つの海外のスタジオ」によるプロジェクトであると断言している。そこで同記事では、あらためて過去のニュースを洗い出し、「Project CKP」がなんのタイトルを示しているのか推測する。

 

Twitchでは、尋問を受ける男性の映像が配信され続けており、ユーザーによる投票も受け付けている。 予定では、3日間にわたり映像は配信され続ける。かなり大規模なプロモーションだ。
Twitchでは、尋問を受ける男性の映像が配信され続けており、ユーザーによる投票も受け付けている。予定では、3日間にわたり映像は配信され続ける。かなり大規模なプロモーションだ。

 


可能性その1: 次世代機向け『Hitman』最新作

 

Twitchの配信ページでは、「Project CKP」の頭文字が「CantKillProgress」であることが明らかにされている。「Can’t Kill Progress」、Progressにはさまざまな意味があり、この文章がどういう意味であるのかは断定できない。1つの可能性として考えられるのは、IO Interactiveが現在開発中の『Hitman』シリーズ最新作だ。本作では、主人公エージェント47が最も暗殺者として輝いていた全盛期を描く予定である。「Can’t Kill Progress」のProgressの意味を、過去から現在まで続いた”過程”と捉えるならば、過去を描く本作とも関連があるようにみえる。

『Hitman: Absolution』に続き登場する『Hitman』最新作だが、その詳細はいまだ明らかにされていない。前作と同じ「Glacier 2 Engine」を使用し、マップはシリーズ最大規模になり、サンドボックスレベルやノンリニアなレベルデザインを目指しているという。開発は発表のあった2014年1月か、それ以前にスタートしているだろう。そろそろあのバーコード付きスキンヘッドが我々の目の前に戻ってきてもいい頃合いだ。また、最新映画「Hitman: Agent 47」が2015年8月に公開予定であり、それと新作ゲームの発表を合わせたプロモーションと考えると、今回の一連の実写映像にも納得がいく。

 

エージェント47の"消せない過去"を描く?
エージェント47の”消せない過去”を描く?

 


可能性その2: 『Thief』最新作

 

すでに公開されているティーザー映像より、黄色いフードを被った男がこちらに手を伸ばすような様子が確認されている。「Project CKP」が『Thief』最新作だという理由は、この”フード”が全てだ。

2014年にリリースされた『Thief』は、シリーズファンに長年待ち望まれた最新作でありながらも、評価は決して高くなかったタイトルだ。「Can’t Kill Progress(過程を消すことはできない)」は、彼ら自身に投げかけられた言葉なのかもしれない……という冗談はさておき、今後も『Thief』シリーズが続くのであれば、前作の発売から1年ほどが経過したいま、新情報が登場してもおかしくはないだろう。

 

ギャレットはまだ盗み足りないのかもしれない
ギャレットはまだ盗み足りないのかもしれない

 


可能性その3: 『Just Cause 3』

 

2014年11月に正式発表され、それ以降大きな動きを見せているオープンワールドシリーズ最新作『Just Cause 3』にも、「Project CKP」の可能性がある。実写映像に登場する黒髪と黒服の男は、CIAエージェントのリコ・ロドリゲスの容貌にそれなりに近く、彼が独裁国家に拷問されているという設定であれば、映像のシチュエーションにも納得がゆく。Avalanche Studiosが開発中の『Just Cause 3』は、PCおよびPS4、Xbox Oneを対象に、2015会計年度Q4にリリース予定。E3やgamescomよりも前に、独自イベントで改めて発表することは、十分に考えられるだろう。

 

実写映像の男性は尋問されているリコ・ロドリゲス?
実写映像の男性は尋問されているリコ・ロドリゲス?

 


可能性その4: 『Deus EX: Universe』

 

「Can’t Kill Progress」。このProgressが、人類の進歩や発展を指すのならば、同プロジェクトは『Deus EX: Universe』であるとみてまず間違いないだろう。『Deus EX』シリーズでは、進化しすぎた人類の破滅や罪が常に描かれており、今回のキーワードはテーマと一致する。

また、「Project CKP」がゲームタイトルではなく、あくまで”プロジェクト”として取り扱われている点も注目したい。開発スタジオのEidos Montrealは、『Deus EX: Human Revolution』に続き、『Deus EX: Universe』に取り組んでいることを2013年10月に公表している。この『Deus EX: Universe』は、シリーズ最新作ではなく、あくまで”プロジェクト”であるとされており、『Deus EX』のユニバースを中心に、ゲームだけでなくさまざまな形態で展開されることが示唆されているのだ。もちろん、ゲームの開発も続いている模様で、2014年12月には『Deus EX: Universe』プロジェクトに使用される最新ゲームエンジン「Dawn Engine」の存在が明らかにされている。

そもそも今回の実写映像やイベントが、ゲーム最新作だけに関連するものであるとは一度も伝えられていない。2012年にはCBS Filmsが『Deus EX: Human Revolution』の映画化権を取得しており、現在も製作が続いていると報じられている。今回の大規模な発表ならば、ゲームや映画を展開する『Deus EX: Universe』プロジェクトが改めて発表されたとしても、なんら不思議ではないだろう。すでに海外では、この手のイベントではお馴染みのユーザーらによる解析も進められており、それらしいイメージが出回っている。

 

人類の"消すことのできない進化"を描く?
人類の”消すことのできない進化”を描く?

 


可能性その5: 我々の知り得ないタイトル

 

もちろん、これらの考えは、スクエニが小出しにした情報に踊らされて考える推測の1つにすぎない。「Project CKP」が全くの想定を超えるもの……例えば、香港人が主役ではない『Sleeping Dogs』や、海外スタジオが開発する『ファイナル・ファンタジー』かもしれない。これだけ大規模にプロモーションが展開されていることを考えれば、有名スタジオが次世代機向けシリーズとして展開する新規IPの可能性もあるだろう。「Project CKP」は、日本時間の4月8日深夜まで進行する見込みだ。スクエニがどのようなプロジェクトを披露してくれるのか、あと2日間ほどを見守ろう。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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