『マリオカート』新作がオープンワールドになる可能性。私が20秒の予告映像を”搾りカスも残らないぐらい眺めた結果”見えてきた新仕様考察

Nintendo Switch 2紹介映像に、『マリオカート』新作の映像が登場。20秒にも満たない映像だが、その後も何度も見返し、考察してみた。

昨日1月17日、任天堂よりNintendo Switchの後継機種であるNintendo Switch 2が発表され、ゲーマーはお祭り騒ぎとなった。発表された映像を見る限り、かなり素直な進化を遂げたという印象だが、まだまだ情報は少ない。それよりも筆者は、その中に映っていた「マリオカート」新作と思われる映像に釘付けになった。明らかに、今までと何か違う構造のコースをマリオたちが走っている。まだ根拠はなかったが、「やはり最新作はオープンワールドになるのだろうか?」と率直に思った。


20秒にも満たない映像だが、その後も何度も見返してみた。血眼になって観ている中で、私の中の「最新作はオープンワールドになる」という予想は強いものになっていった。本稿ではそう考えるに至った根拠を話す。

最新作はオープンワールドになるか

最新作である『マリオカート8 デラックス』はいまだに国内外の年間ゲーム売上の上位にのぼるほど売れ続けており、その勢いはとどまるところを知らない。ゲームとしてもシリーズの集大成と言える内容で、「マリオカート」の完成形と言える仕上がりになっている。

そのため、「マリオカート」の次回作が出るとすれば、従来と同じアプローチにはしないだろうと思っていた。完成形がすでにあり、かつそれを多くのユーザーがすでに手に取っているのだ。(「Forza Horizon」シリーズのような)オープンワールド化といった変革をするのではないかというのは、長らく無難な予想だった。

新作が本当にオープンワールドになるかもしれないと思った根拠は、映像の中に主に2つある。一つは、ルート外にある「別のコース」と思われる道路の存在。もう一つは、広すぎる「ダートエリア」の存在だ。

映像の終盤、荒野の大通りを引きで映す場面にて、大通りを横切る砂利道が長く続いている様子が見える。十字路において、砂利道へのルートは塞がれており、通ることはできなさそうだ。しかし、よく目を凝らすと、その砂利道の先には「マリオカート」のコースのスタート地点でよく観られるような横断幕が立っているのがわかる。この大通りを通るコースとは別に、あの砂利道を通る別のコースが存在しているように感じられる。

マリオたちよりも後方にそびえ立つ崖のような地形も別のコースかもしれない。かなり傾斜のついた道路であり、おそらく『マリオカート8』でもおなじみの反重力地帯だと思われる。

次に、広すぎるダートエリアについてだ。ダートエリアと記載しているが、映像に映るものが本当にダートエリアかは分からないため、便宜上そう呼んでいる。「マリオカート」シリーズでは、道路から外れた場所にある草地や砂地は大きくスピードが落ちるダートエリアとなっており、時には「ダッシュキノコ」でショートカットをするといったテクニックも活きる場所となっている。

『マリオカート8 デラックス』(2017)

基本的に、「マリオカート」のコースは、一番内側に道路があり、その外側にダートエリア、その外側にコースの限界を示す段差や壁があるという構造だ。しかし、この映像でみられるコースのダートには、明らかに限界がない。道路の外側には、どこまでも続く荒野が広がっているのだ。仮に本作がオープンワールドで、レース中でない時にここを自由に走れるのだとしたら、ここは減速するダート地帯ではない可能性が高いだろう。

そうなってくると、荒野に点在している背の低い「台形」の岩の数々にも役割があるように思える。

「マリオカート」といえば、傾斜を飛び出し「ジャンプアクション」を決めて加速するというシステムはおなじみのものだ。基本的にコースは一方通行であるため、直角三角形のような形状のジャンプ台がシリーズでは多く見られた。しかし、オープンワールドを自由に走れる状態である場合、プレイヤーがどの方向に走っているかは限定できない。だからといって、ひたすらに平坦な荒野を走らせるのは当然退屈だろう。

台形は、直角三角形と違い、どの方向からでもジャンプアクションができる形状だ。実際に、『マリオカート8デラックス』でも、どの方向に走るか限定されないモードである「バトルモード」のステージには台形のジャンプ台が多く見られる。荒野に置いてあっても不自然でなく、かつどの方向からでもジャンプアクションが決められそうなものとして台形の岩が採用されたのではないだろうか。

以上が筆者が「マリオカート」最新作がオープンワールドになると考えている根拠である。そして、本作がオープンワールドであると仮定するならば、もう一つ面白い考察が浮かんでくる。それは、本作に「コースエディット機能」がある可能性だ。

コースエディット機能の影…?

映像の冒頭、マリオたちがくぐるゲートには「Mario Bros. Circuit」と書かれている。引きで見ると、このサーキットの道路は左に位置するガソリンスタンドを回り込むように続いていることがわかる。しかし、道路を遮るように、進行方向を右へ促す電子看板が置かれている。マリオたちの今回のレースは、「Mario Bros. Circuit」のゲートを通った直後にサーキットを出るコースになっているのだ。

そして、先ほどルート外のコースの例として挙げた反重力地帯の崖だが、道路が8の字に交差するような形状になっているように見える。そして、この地形の形状はレースのスタート地点の地面に書かれたマークと似たものになっている。マークには「Mario Bros. Circuit」と書かれており、8の字の中には点線が書かれていることから、道路を表していると予想できる。つまり、地面に書かれているマークは、スタート地点後方に見える反重力地帯を含めた、本来の「Mario Bros. Circuit」のコースの形状を表しているということだ。

しかし、映像では本来の「Mario Bros. Circuit」のコースを走ることはなく、ゲートをくぐった直後にすぐにルートを大きく外れる。奥には、荒野の大通りを遮るような大きな「SHINE SPRITE」の電飾看板があり、そこを曲がりながら大通りに出て、まっすぐ進んでいく。

この特異なルート構成は、オープンワールドのフィールドの中から、自由なルートを選んでコースを作り出せるようなコースエディット機能によるものなのではないかと考えている。オブジェクトを自由に配置してコースを作れるといった機能まであるかは分からないが、大通りのど真ん中に置かれた湾曲した「SHINE SPRITE」看板は、コース作成者がコースのカーブを表すために置いたオブジェクトなのかもしれない。もしくは、作成機能はなく、既存のフィールドに様々なルートのコースが用意されているというだけかもしれないが、いずれにせよ、これならルート外にコースが見えた理由に説明がつく。

『マリオカート8 デラックス』(2017)

この説には弱点もある。ルート外にコースが見えるのは、周回でルートが変わるためという可能性もあるのだ。これは『マリオカート8 デラックス コース追加パス』のコースにてたまに見られたギミックで、1周目に通っていた道路が2週目では塞がれており、別ルートに行くことを促されるというものである。

とはいえ、その場合でもダートエリアが広すぎる理由は不明だ。今まではこういった広い荒野や平原が描かれる場合でも、かならずダートエリアの外には段差があり、進行不能を示していた。仮にオープンワールドでないのであれば、単にこのコースがとても広い空間とルート変更を持っているということになるだろう。ダート外に段差や壁がなくとも、道路から離れ過ぎたら「ジュゲム」が回収すればいいという判断の可能性もある。

24人対戦とキャラスキン

映像を観ている中で、目視で確認できたプレイアブルキャラクターたちを挙げよう。まずは我らが「マリオ」、「ルイージ」、そして「ピーチ」、「クッパ」、「ヨッシー」、「キノピオ」、「デイジー」、「ロゼッタ」、「ドンキーコング」、「ワリオ」。ここまでは大きく映っていたのですぐに確認できた。背景に小さく走っていたキャラクターたちも見ていくと、このほかに「ワルイージ」、「ポリーン」、「ベビィマリオ」、「ベビィルイージ」、「ベビィピーチ」、「ベビィデイジー」、「キングテレサ」と思われる影も確認できた。

そうするとすでに18キャラクターが同一のレースに参加していることになるのだが、「マリオカート」シリーズはこれまで12人までのレースが最大だったので、上限が増えたと考えていいだろう。さきほどの「Mario Bros. Circuit」を上空から見ると、カートの待機線が24個敷かれているため、24人対戦に変わったのかもしれない。

「ピーチ」に注目すると、少し違和感がある。今回のピーチはバイクに乗っているにもかかわらずライダースーツを着ておらず、ドレスのままになっているのだ。過去作では、バイクに乗る場合彼女は必ずライダースーツを着ていた。ライダースーツは撤廃されたとも考えられるが、近年の任天堂はマリオ映画の効果を意識しており、映画でも印象的だったライダースーツ姿のピーチをあえて撤廃する理由は薄いようにも思う。

対照的に、「ドンキーコング」は「スーパードンキーコング」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」などでおなじみのものとは異なり、映画版のデザインに準拠したものに変更されている。しかし、直近で『ドンキーコング リターンズHD』が出たばかりなため、ユーザー視点にはかなりギャップがあるように思う。

そのため、筆者は本作にキャラスキン機能があると予想している。ピーチにはドレス姿とライダースーツ姿のほか、まだ見ぬ衣装も用意されており、今回バイクで走っていたのはドレス姿のスキンを適用したピーチなのではないかということだ。ドレス姿でバイクに乗れるようになり、逆にライダースーツ姿でカートに乗ることもできるようになったのではないか。ドンキーコングも同様に、映画風のスキンと「スーパードンキーコング」風スキンが用意されているということではないかと考えている(そうであってほしい)。

筆者の予想をまとめよう。「マリオカート」最新作は、広大なフィールドからなるオープンワールドのレースゲームであり、既存のサーキットが各地に点在しているだけでなく、サーキットや道路を横断する多様なルートのコースが楽しめるようなゲームになっている。フィールドを自由に走行できるモードと、サーキットや様々なコースを走るレースモードを行き来する、「Forza Horizon」シリーズのような体験が期待できる。また、今回は24人でのレースが可能となっており、各キャラクターには任意のスキンも適用できる。

もちろん、要素はそれだけにとどまらないだろう。これ以外にも「マリオカート」シリーズならではのさまざまな遊びがあることに期待したい。もしくは、この安易な予想とは全く違うものを用意していてほしいとも思う。

お茶缶
お茶缶

任天堂タイトル中心に、けど色々手を出すゲーム好きな人。ベストゲームは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。

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