『カオスゼロナイトメア』をデッキ構築ゲーム好きが“↓ド下心”で遊んでみた結果。「思ってた精神崩壊」と違って頭を抱える、そして巻き込まれる巨大サイクル
今回紹介する『カオスゼロナイトメア』は、基本無料のデッキ構築ローグライク作品として、ガチャやキャラクターの育成など基本無料ゲーム向けにチューニングされた作品となる。

「デッキ構築ローグライク」というジャンルが一大ジャンルとしてゲーマーたちに広まり、さまざまなタイプのジャンル作品がリリースされている昨今。今回紹介する『カオスゼロナイトメア』は、基本無料のデッキ構築ローグライク作品として、ガチャやキャラクターの育成など基本無料ゲーム向けにチューニングされた作品となる。
それを聞いた時、デッキ構築ローグライク好きの筆者は「果たしてそれは面白いのか?」と不躾ながら思ってしまった。筆者の思うデッキ構築ローグライクの魅力は、戦闘の失敗やイベントの失敗などを繰り返して成長する「試行錯誤のサイクル」の面白さ。それがガチャやキャラ育成によって「ガチャで強いキャラを出して素材集めて育てるのが正解」になってしまうのではないかと思ったからだ。
そんな疑念を感じながら、ゲームを調べているとある要素が目に留まった。


どうやら本作は美男美女のキャラクターが戦闘中に精神崩壊するのが魅力のひとつなのだという。精神崩壊を起こすと、美男美女たちは涙を流したり、怒りに狂ったり、乱れた姿を見せたり……。「なるほど。疑念はあるが、基本無料だしやってみよう」そうしてゲームを颯爽とダウンロードし、プレイを開始。今思えば、いや、思わなくても完全なる下心だ。
そんな疑念と下心を抱えた状態で遊び始めた筆者であったが、少しずつゲームの内容が理解されると、抱えていた疑念と下心は完全に崩れ去り、代わりに頭を抱えこんでしまった。なぜなら本作は、筆者が疑念に感じていた要素たちとデッキ構築ローグライクの要素を上手くかけ合わせ、この作品でしか味わえない新たなる体験へと昇華させているからだ。
“精神崩壊”するカオスを探索
『カオスゼロナイトメア』は、『エピックセブン』などを開発してきた韓国のSUPER CREATIVEが手がけ、Smilegateが運営を行う選択が導くカオスループRPGだ。対応プラットフォームはPC/iOS/Andoroid。本作の舞台は、触れると精神異常が起こると言われる物質「カオス」に汚染され、滅亡してしまった宇宙。プレイヤーは巨大な宇宙船「ナイトメア号」の艦長。そして、カオス空間で道を探すことができる特殊能力者「ファースト」として、カオスに汚染された惑星を仲間と共に探索する。
本作のシステムはデッキ構築ローグライクとなっており、3人1組のパーティを結成し、出撃。キャラクターはそれぞれ固有のカードデッキと特殊能力を保有。戦闘では攻撃やシールド付与、バフ・デバフ効果を持つカードなどを使いこなすことによって、敵を倒し先へと進んでいく。

ここまで聞くと、3人のキャラクターのかけ合わせが重要なデッキ構築ゲームといった印象だが、ここからが本作ならではのポイント。本作には「セーブデータ」と呼ばれるシステムが存在する。セーブデータ内にはキャラクターのデッキと装備がセットされており、通常の戦闘は、戦闘前にこのセーブデータを装着することで、戦闘中のステータスとデッキが決まるのだ。
そのセーブデータを作れるモードが本作の魅力のひとつ「カオス具現化」だ。「カオス具現化」では3人1組のパーティでカオスに汚染された惑星を探索。戦闘やイベントなど様々なマスを選択し、ルートを移動。最後に待ち受けるボスと戦うために、装備を手に入れ、デッキを作り上げるのだ。
そして、ルートの最後にいるボスの撃破、もしくはチーム全体のHPが0の状態でダメージを受けた時点で探索は終了。それまでに作ったデッキと装備がセーブデータとなるのだ。ここまでがモードの大まかな流れとなる。

強カードが欲しいならとにかく闘え
内容自体はオーソドックスなデッキ構築ローグライクとなっており、一度でもジャンル作品を遊んだことがあるなら自然と流れを掴むことができるだろう。ただ、このモードが従来のジャンル作品と違うのが、上述した「クリアした際デッキと装備がセーブデータとして保存される」というところにある。そのため、カオス具現化では、装備セットやデッキが整った「強いセーブデータ」を作ることができるかが、本作のカギとなるわけだ。
実際、筆者もカオス具現化に自然と馴染むことができたし、これまでの経験から強いセーブデータの作り方はなんとなくわかっていた。特に強いデッキを作るうえで重要なのは、デッキのコンセプトを形付ける「強カードの入手とアップグレード」だ。これができれば、あとはコンセプトに合わないカードの除去と、コンセプトに合った装備セットを作ればいい。そのために重要なのが本作ならではのシステム「ヒラメキ」だ。

「ヒラメキ」とは、カオス具現化中起こるキャラクター強化要素のひとつ。戦闘中、キャラクターの頭に電球マークが浮かび上がり、カードが光りだす。これがヒラメキである。ヒラメキでは初期デッキにないカードの入手や、カードのアップグレードが起こる。
このヒラメキがとにかく気持ちいい。デッキが強くなった頼もしさに加え、ヒラメキで入手したカードはそのターンAP(コスト)なしで使うことができるため、新たに手に入れたカードの効果を早速試せるのが爽快なのだ。特に、ごくまれに起こる「神ヒラメキ」というカードを大幅強化するヒラメキはその演出も相まってか、高揚感が溢れ出す。これによって戦闘が楽しくなるだけでなく、デッキのコンセプトを形付けるため、重要な要素となっているのだ。

「思ってたんと違う」精神崩壊
筆者はヒラメキの爽快感からか、本作の戦闘に次第に夢中になっていった。しかし、ただ爽快なだけでないのが、本作の戦闘の手厳しいところ。本作においてカオスとは「触れると精神に異常を来すもの」とされている。そのため、カオス具現化では、敵に攻撃される度に「ストレス」が溜まってしまう。キャラクターにはそれぞれストレスゲージが設けられており、そのゲージがマックスになると、精神崩壊を起こしてしまうのだ。

これこそが筆者が本作を始めた理由。精神崩壊を起こすと、美男美女、美ケモノたちの「呆然」や「現実逃避」といった乱れた姿を見ることができる。しかし、実際にその場面に出くわすと、「しまった!」という気持ちが湧き出てしまう。それもそのはず、精神崩壊はチームに強大なデバフを与える非常に厄介な要素となっているのだ。
まず、キャラクターが精神崩壊するとその瞬間、全体の体力が3分の1減ってしまう。その時点でもかなり苦しいが、それに加えて精神崩壊したキャラクターのカードがすべて「崩壊カード」となるのだ。この崩壊カードの存在が厄介で、精神崩壊を解除するためには崩壊カードを使用しなければならない。使える手札が減るだけでなく、戦闘ではカードを使用するたびに敵の攻撃が早まるため、被ダメージリスクを背負うこととなる。1人の精神崩壊によって体力もリソースも一気に困窮してしまうのだ。

さらに崩壊カードを使ったからといって、決してすぐに精神崩壊が治るとは限らない。規定枚数はあるものの、立ち直るかはランダムなため、立ち直らせたいならカードを使い続けないといけない。そして、場合によってはチームにデバフを与えてしまう可能性もあるというのも困りもの。最悪、仲間を攻撃してしまうこともあり、下心を持って始めた筆者も思わず「こんなつもりじゃない……!」と頭を抱えてしまった。筆者の下心が完全に打ち砕かれた瞬間である。
なお、これまで精神崩壊のデメリットを述べてきたが、崩壊状態から立ち直ると強力なエゴスキル(必殺技)を低コストで打てるというメリットも存在する。頭を抱えるほどのピンチから、一気にチャンスに回ることができるというところも、本作ならではの面白さのひとつだ。
いつの間にか取り込まれた「巨大サイクル」
カオス具現化は、多くのデッキ構築ローグライク作品に倣いつつ、本作ならではの要素を入れた本格的なモードとなっている。頭を抱え続けている筆者だが、本モードはしっかり楽しめるローグライク作品だと断言できる。しかし、驚くべきはこの要素がガチャやキャラ育成といった、基本無料ゲーム的要素にも上手に絡まっているということ。そしてその中枢部にいるのがカオス具現化なのである。
カオス具現化で作ったセーブデータは、ストーリーを進める上で行う戦闘任務や、キャラクターの育成素材が手に入るシミュレーションといった通常モードで使うことができるのだが、使えば使うほど「もう少し火力があれば一撃で倒せるな」や、「もうすこしAPを増やせればもっと手札を回せるな」といった欲望が湧き上がってくる。そうなってくるとできることと言えば、ガチャを回して新たなキャラと出会う、もしくは、キャラを育て、そこからカオス具現化で「強いセーブデータ」を作ることだ。

つまり、本作を遊ぶ上で特に重要なのは、流行りのキャラでも大量の素材でもなく、「強いセーブデータ」だ。それを求める為に何度もカオス具現化へと足を運ぶことになるのだ。筆者はデッキ構築ローグライクの魅力は“試行錯誤のサイクル”だと定義したが、カオス具現化が試行錯誤のサイクルが楽しめるモードだとすれば、本作はその先にもカオス具現化を中枢としたサイクルが出来ており、俯瞰してみれば「巨大なサイクル」となっているのだ。
この巨大なサイクルこそが、本作最大の魅力となっていると同時に筆者の頭を悩ますものとなっているのだ。なぜなら、一度このサイクルに取り込まれたら、ひっきりなしに本作を遊んでしまうからである。
そして、サイクルの中枢部となるカオス具現化も、ストーリーを進めるごとにさらに高難易度の惑星へ探索できるようになる。高難易度の惑星は敵の強さもキャラにかかるストレスもより厳しいものとなるが、その代わり「より強いセーブデータ」が手に入りやすくなる。より強いセーブデータを手に入れたら、次は高難易度な戦闘任務をこなしてガチャを引いて強いキャラを出して、そのキャラでセーブデータを作って……。と、筆者は気がついたらこの巨大なサイクルから一切出られなくなってしまった。完全に本作の持つ“カオス”に囚われてしまった瞬間である。

さらに巨大に、さらにカオスに
筆者はデッキ構築ローグライク作品が好きだが、同時に恐ろしさにもつくづく気付かされている。これまで何日もの休日を使い、何回もの朝日を登らせてきたのだろうか。しかし、どの作品にもある程度の終わりはある。ラスボスの撃破、高難易度モードのクリア、スコアボードの更新……。しかし、本作は「毎日遊べるゲーム」として終わりのない旅路を現在も続けている。つまりこの巨大サイクルがずっと続くということ。この事実こそが筆者がもっとも頭を抱えた瞬間だ。頭を抱えながらも、本作をしゃぶり尽くすように楽しむ筆者の姿もあり、それを俯瞰視することでより頭を抱えることになるのだが、そこはあくまで個人差である。
『カオスゼロナイトメア』は紹介した要素以外にも、キャラクターとのコミュニケーションや、街の治安維持などさまざまな要素が用意されており、カオス具現化に行くほどの時間がないときはそういった要素をゆるやかに楽しむことができるのも本作のよいところ。本作は2025年10月に正式サービスが開始され、絶賛盛り上がり中だ。2025年末には2026年のロードマップも発表。今後の展開にも大いに期待できるだろう。
ロードマップによれば、2026年は初旬からさまざまな要素が追加される予定らしい。強敵を倒しながらチャンピオンを目指すモードに、全150階まで実装予定の巨大な塔。4月にはよりハードなローグライクモードの追加……。と、本作の巨大サイクルは、またさらに巨大に、そしてカオスになっていくことが予想できるだろう。
『カオスゼロナイトメア』は、PC/iOS/Android向けに配信中だ。
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