AUTOMATONライター陣が選ぶ 「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

はたして2015年にはどのようなビデオゲームが登場するのだろうか。"次世代"の名に恥じないクオリティで楽しませてくれるのだろうか。「AUTOMATONライターが選ぶ2015年 期待の新作ビデオゲーム」では、2015年期待の新作たちを各ライターがピックアップしてゆく。

次世機の登場が大きな出来事であった2014年も終わり、ビデオゲームも新たな年へ突入する。大手だけでなく、中小規模のスタジオも次世代ハードのビデオゲーム開発に着手し始めた。そろそろPS3とXbox 360、Wiiの時代にも別れを告げる時が近づきつつある。はたして2015年にはどのようなビデオゲームが登場するのだろうか。"次世代"の名に恥じないクオリティで楽しませてくれるのだろうか。昨年末のAUTOMATONライターによる「2014年のビデオゲームTOP3・WORST3」に引き続き、「AUTOMATONライターが選ぶ2015年 期待の新作ビデオゲーム」では、2015年期待の新作たちを各ライターがピックアップしてゆく。

 


Shuji Ishimotoの「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

 

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2015年発売の新作には、Frictionalの『SOMA』や『Killing Floor 2』がある。しかし前者は、『Amnesia: A Machine for Pigs』での出来事を引きずらないか心配だ。ここ数年で溢れかえった一人称視点ホラーアドベンチャーに対し、どのような手法をあらためて見せるのか注目したい。後者は今回挙げた『Hotline Miami 2』と同じくらい楽しみなのだが、Steam早期アクセスの採用や開発経験のないコンソール版への着手など、不安要素もある。Turtle Rock Studiosの『Evolve』も絶対にプレイするが、複雑なゲームデザインゆえに、昨年の『Titanfall』と同じくプレイヤー層が定着するかどうかが課題となるだろう。新作『Doom』の発売時期はまだ未定だ。

『Hotline Miami 2: Wrong Number』は、「2014年のこれ1本」にて、最後まで選考に残していた作品だ。同年の期待作には、ひそかに注目する作品として『Routine』を挙げたのだが、こちらは昨年10月から続報がない。気づけば両作とも予定を外れ、2014年中の発売には至らなかった。ビデオゲームに関しては"待ち人来ず"の状況が続いている。しかし年月が流れようとも、両作が筆者の「期待の新作ビデオゲーム」であることに変わりはない。6月に公開されたトレイラーを見て、『Hotline Miami 2』への期待は一層高まっている。バイオレンスの王者、帰還の時は近づきつつある。

 


Koji Fukuyamaの「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

 

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D4』のエピソード3が2015年にプレイできるかどうか、私にはわからない。2014年にもっとも期待するタイトルでもあった『D4』は、『The Vanishing of Ethan Carter』と同じく2014年を代表するアドベンチャーゲームの1つだった。ただ、このゲームは映画『ホビット 竜に奪われた王国』のように最も盛り上がるところで「to be continued」となってしまうゲームなのだ。はやくこの魅力的なコミカル・ハードボイルドの世界に再び足を踏み入れたいものだ。

 


Rokuro Eyamaの「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

 

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昨年のE3での発売ハード変更には驚いたが、そのことで本作への期待が揺らぐようなことはない。2014年発売予定の本作が期待の一本であったことと同様、2015年発売予定の本作もまた期待の一本だ。

 


Tomohiro Noguchiの「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

 

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Bloodborne』にするかさんざん迷ったがこちらで。前作『ペルソナ4』が世に出たのは2008年で、PS2の時代だった。ということは自然と『ペルソナ5』には今後5年ぐらい、つまり「2020年ぐらいまでのJRPGを牽引できるコンテンツになれるかどうか」という期待を思わず寄せてしまうわけだが、個人的には気の利いたPRGに仕上がっていれば何でもよかったりする。ゲームというジャンルでは飛び抜けて「いまどきの日本」をうまく描いているシリーズだけに、何が2015年的なのか、ぜひ体験させてほしい。

 


Hikaru Nomuraの「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

 

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『Sid Meier's Civilization IV』のリードデザイナーSoren Johnson氏が手がける経済RTS。火星開発企業として物資を採掘・売買し、製品を加工・輸出しつつ、ライバル会社を妨害するリアルタイムボードゲーム。氏がブログでゲーム業界経歴をふりかえりつつ心情を吐露したように、自身の復活作として注力している。

不安要素は、ゲームエンジンにStardockが出資したOxide Gamesの『NitrousEngine』を用い、マッチメイキングシステムにStardockが開発中の『Project Tachyon』を用いるところだ。Stardockは過去にクラスベースRTS『DEMIGOD』のマッチメイキングシステムの構築に失敗しており、技術力に課題を抱えているイメージがある。そのイメージを払拭すべく、『Sid Meier's Civilization V』のゲームエンジン開発者をOxide Gamesとして独立させ、Activision Blizzard「Battle.net」の開発者を雇い入れ『Project Tachyon』開発にあてた。本作はSoren Johnsonの復活作だけでなく、Stardockおよび関連会社の命運もかけたものといえる。

さらに述べれば、『Nitrous Engine』は昨年のCESにAMDブースで発表されたStar Swarmのゲームエンジンだ。AMD Mantleの性能テスト用として知られている。それを採用した本作の出来映えは、AMDの命運をも左右するかもしれない。ぜひ注目いただきたい。

 

「Drengin Empire is back!」 2008年『Galactic Civilizations II: Twilight of the Arnor』から実に6年。宇宙ストラテジーの王者が帰ってきた。ファンタジー4X-TBS『Elemental: War of Magic』の大失敗を転機に、ゲーム販売サイトImpulseの売却とSteamのセール販売でつくった資金を投入し再建をはかった新生Stardockのメインタイトルだ。その内容は、世界で一番遊ばれたMODの異名を持つ『Fall from Heaven 2』(『Sid Meier's Civilization IV: Beyond the Sword』に収録)リードデザイナーを務めたDerek Paxton氏を副社長に任命するほか、人員を増加、スタジオ新設、本社改装、有名ストラテジーの開発者と開発提携するなど幅広い。ソフトウェア産業の片手間に社長Brad Wardell氏が趣味でつづけたこれまでの開発体制を改めたことで、先述した「技術力に課題があるStardock」のイメージを払拭できそうだ。

現在ベータテスト中の本作は、ユーザーインタフェースがあいかわらず古くさい。いまだ文章内のリソース表記にアイコンを用いないのは、現代のゲームというよりは時代に取り残されたゲームのように見受けられる。そもそも、データファイルの構造からして、ゲーム内の数値と説明文を別ファイルにしないのは、メンテナンス面でも、ゲーム要素にあげたMOD対応の面でも問題があり、設計の欠陥ではないかと感じる。

それでも、過去のStardockゲームとくらべアートワークはマシになったので、リードデザイナーの「私たちは、私たちが夢みたGalCiv2をつくりたい」(Space Sector誌より)という思惑どおりにはなっているだろう。そして、それこそが「Stardockian」(Stardock信者)が求めたゲームである。

 

Arcen Games初の「純粋な」4X-TBSだ。これは、4X-RTSの手法で遊ぶRPG『AI War』をはじめ、4Xストラテジー要素をくわえて独創的なゲームをつくり続けてきたメーカーの、初の試みである。内部向けプロトタイプの作成が12月とあり、まだ実験段階だが、今回も風変わりなゲームになるのはまちがいない。すでに、ユニットが登場しないと公言している。

演出とUIが弱いメーカーだが、その分、アイデア勝負でオリジナリティあふれるゲームと献身的なサポートを売りにしており、個性的な作品を好むゲーマー向けのゲームとなるだろう。昨年発売された『The Last Federation』は処女作『AI War』以来のヒット作となっており、その売上も評価も、本作開発のはずみになるだろう。

 


Shinji Sawaの「2015年 期待の新作ビデオゲーム」

 

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2015年に発売されるすべての作品に期待している。どれか1つを選ぶのであれば、『Chroma Squad』だろうか。テーブルトークRPGをゲームで再現した『Knights of Pen and Paper』を手がけたBehold Studiosが開発中のシミュレーションである。

プレイヤーは特撮スタジオの経営者として、俳優の雇用と管理、視聴率を上げるためのマーケティングなどに汗を流す。撮影では変身や巨大化、さらには採石場でのバトルなど、お約束シーンたっぷりのタクティカルな戦闘が繰り広げられる。子供のころ、スーパー戦隊シリーズを見て育った私としては、誰の目も気にすることなく再び"ごっこ"で遊べることに嬉しさを感じている。

AUTOMATON JP
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