『あつまれ どうぶつの森』の「カブ投資」を1か月間記録してみた。検証してみてわかったこと
『あつまれ どうぶつの森』の発売から5週間が経ち、島の発展が一段落した方も増えてきたのではないだろうか。そんななか、理想の島の景観に近づけていくためには、インフラ整備や区画整理の資金となるベルが必要になる。本作において、ベルを稼ぐ手段は昆虫採集や魚釣りがあるが、もっと手軽に莫大な資金を手に入れたいというユーザーが手を伸ばし始める手段が「カブ」である。
しかしながら、ゲーム内の説明だけでは全貌が不透明で、現実の株のイメージも相まって億劫に感じているユーザーもいることだろう。そこで本稿では、カブで実際にどれだけ儲けられるのか、そしてカブ価はどういった推移をしていくのか、約1か月間の検証結果を伝えるとともに、カブ価の推移パターンや便利ツールについても紹介していきたい。
『あつまれ どうぶつの森』のカブは、施設となる「タヌキ商店」を建設することで、毎週日曜の午前中に島を訪れるようになるキャラクター「ウリ」から購入することができる。カブは100ベル前後の買値がランダムに設定され、10カブ単位で購入可能。その後、現実の株のように月曜から土曜の間、毎日午前・午後のタイミングでカブ価が変動していく。その変動するカブ価をタヌキ商店でこまめにチェックし、買値よりも売値が高いときに売却すれば儲けられるという仕組みになっている。
カブにおける注意点は、自身の島が次の日曜になった時点でカブが腐ってしまうこと。カブが腐ってしまった場合、何カブまとまっていようと1塊の売値が100ベルに固定されてしまう。そのため、売値が買値よりいくら安かろうと、土曜の夜までには売却して損切りしておく必要がある。
今回の検証は、50万ベルを元手に全てカブへ投資し、毎日午前・午後にタヌキ商店で売値をチェック。チェックした売値をもとに、推移を予測して売却。売却後の売値も参考データとして確認する。そして次週も手持ちのベルを全てカブに投資して、同様の手順を踏んでいくという内容だ。なお、検証には3月20日0時にスタートした島を用意。検証期間は3月22日(日)から4月25日(土)までの5週間とした。
あつ森のカブ価をメモするためのアプリ「カブベル」をリリースしました!
iOSはSafariから、AndroidはChromeからホーム画面に追加するといい感じに動きます🎉🎉https://t.co/lEIxYCxc2f pic.twitter.com/p0C3RLOnwQ
— Pittan (@pittanko_pta) April 5, 2020
なお、本検証ではPittan氏が作成したツール「カブベル」を使用させていただいた。PCやスマートフォン、タブレットのWebブラウザ上で動作し、1週間のカブ価を入力していくことでカブ価の推移がグラフ化される。売値の流れが視覚的に把握でき、損益計算も確認できるため、一度利用してみてほしい。
それでは、実際の検証内容を1週間ずつみていきたい。1週目のカブの買値は100ベル。元手の50万ベルで5000カブを購入した。売値は月曜午前の売値79ベルから少しずつ下がっていき、水曜の午後時点で62ベルとなる。出だしは下降の一途をたどったものの、木曜の午前に一転し、売値は95ベルに上昇。その後、金曜午前には130ベルになり、午後の売値が141ベルになったところで売却。資産は70万5000ベル、20万5000ベルの利益と幸先の良いスタートとなった。その後売値は下落していき、終値は68ベルに落ち着いた。
本作のカブの推移は、前作同様4パターンに分かれる傾向にあるようだ。1週目のパターンは、下がり続ける売値が変調(売値の上昇)した時点を1期として、4期目(上昇時の1日半後)でピークを迎える「4期型」と称されるもの。たとえば、水曜午後まで下がり続けた売値が木曜午前に上昇した場合、その3区分後となる金曜午後にもっとも売値が上昇する。4期型では、買値の最大2倍まで売値が高騰する。また、木曜午後までに変調する傾向が多くみられるようだ。
2週目の買値は99ベル、資金で7120カブを購入。月曜午前の売値は47ベルと低め。火曜午後には37ベルまで落ち込むも、水曜午前に135ベルまで急上昇。その後、木曜午前には149ベルまで上がり、午後の売値が155ベルになったところで売却。資産は110万3720ベル、39万8720ベルの利益となった。その後売値は下落し、終値は60ベルとなる。1週目同様、4期型のパターンに当てはまる推移となった。
中間地点となる3週目。買値101ベルで10920カブを購入。月曜午前の売値は89ベル。火曜午前に122ベル、午後には177ベルと上昇の兆し。そして、水曜午前に買値の5倍以上となる562ベルの売値となった。このタイミングで迷わず売却し、503万4120ベルの大幅な利益を得て、資産は613万7840ベルとなった。その後売値は急降下し、終値は60ベルへ。
3週目のパターンは、下がり続ける売値が変調した時点を1期として、3期目(上昇時の1日後)でピークを迎える「3期型」と称されるもの。たとえば、水曜午後まで下がり続けた売値が木曜午前に上昇した場合、その2区分後となる金曜午前にもっとも売値が上昇する。4期型と同様に、木曜午後までに変調する傾向が多くみられる。3期型がいわゆる当たりの推移となるもので、売値のピーク時には買値の2倍から6倍まで売値が高騰する。4期型の傾向もふまえたうえで、木曜午後までに下がり続けていた売値に変調が見られた場合は、4期目まで様子を見るのが賢明かもしれない。3期目で買値の2倍以上の売値を示した時、または4期目で売値が高騰した時は売り時といえるだろう。
後半戦となる4週目の買値は103ベル、蓄えた資金で59590個ものカブを購入。これほどの個数になると購入にも時間がかかる。ウリとタヌキ商店の入口を行き来し、カブを置いていく。商店の周りには置ききれなくなり、見通しが良い浜辺に置き始めたのだが、終盤には埋め尽くされてしまった。最終的な購入時間は40分ほど。
購入を終えた月曜午前の売値は131ベルと高め。その後100ベル、126ベル、109ベルと上下したため、リスクを考慮してこのタイミングで売却。資産は649万5380ベル、35万7540ベルの利益となった。その後も売値は上下し、終値はもっとも高い142ベルへ。
4週目のパターンは、売値が上下し続ける「波型」と称されるもの。波型における売値のピークは買値の最大約1.5倍と、大幅な高騰は期待できない。売値の波が複数回見られた場合は波型を疑い、買値より売値が上回ったタイミングで早期に売却するのもいいだろう。なお、月曜午前にカブ価が値上がりしている場合は波型の可能性が高くなる傾向にあるようだ。
いよいよ最終週となる5週目。買値110ベルで59040カブを購入。月曜午前の売値は73ベル、午後には69ベルまで下がる。火曜の午前・午後の売値については、とあるイベントでたぬき商店が閉まっていたため未確認。水曜午前は56ベルまで下がっており、午後には51ベルまで落ち込むが、木曜午前に109ベルまで上昇。その後も上昇し続け、金曜午後に183ベルになったタイミングで売却。5週目は4期型の推移パターンに当てはまった形だろう。その後売値は下落し、終値は83ベルとなった。5週目の結果は、430万9920ベルの利益を得て、資産は1080万5300ベルとなった。
今回の検証は、結果として運よくプラスになる形に収まり、合計資産は元手の20倍以上となる1080万5300ベルとなった。しかしながら、利益を損なう場面も見受けられ、タイミングを見誤れば大きな損失となるカブ投資の難しさを思い知る結果になったともいえるだろう。
ちなみに本検証では見られなかったが、売値が少しずつ下がり続け、売値が一向に上昇しない「ジリ貧型」と呼ばれるパターンが存在する。いわゆるはずれの推移となるものだ。木曜午後までに売値が上昇しなかった場合は、このパターンの可能性が極めて高くなる。
・月曜午前のカブ価が値上がりしている場合は「波型」の可能性大。高値の間に売り抜くのもアリ
・木曜午後までに売値の上昇がなければ「ジリ貧型」の可能性が極めて高まる
・下がりつづけていた売値に変調が見られた場合は「ジリ貧型」を否定。「3期型」「4期型」とみて、変調時点を1期として4期目 まで様子を見る
・変調後の3期目で買値の2倍以上の売値に暴騰した時、または3期目で暴騰はなかったものの、4期目で売値が高騰した時が売り時といえる
4つのパターンを考慮したうえで、カブ価の上昇を察知してパターンを判断することがカブ投資の勝敗を決するといえるだろう。なお、パターン判別のさらなる材料となる始値の特徴や計算式なども検証が進められているようだ。興味のある方は自身で調べてみてほしい。
このように、損失が確定するパターンが見受けられながらも、大幅な利益を生む可能性を秘めているハイリスク・ハイリターンな印象のカブ。本検証のような全投資はせずとも、投資額を考慮したうえで、本作を楽しむ1つの要素として計画的な投資に興じてみてほしい。
ちなみにカブで大幅に儲けると、島に遊びに行ったフレンドの住民が「あのコ、持ってたカブに高いねだんがついたみたい!」と噂話をして、こっそり儲けたつもりがフレンドにバレてしまうこともあるようだ。くれぐれもカブのご利用は計画的に。