PSVR向け『メドゥーサと恋人』紹介&攻略ガイド。「VRパートナーアクション」を楽しく進めるためのTIPS
『メドゥーサと恋人』に興味を持っていただき、あるいはご購入ありがとうございます! 開発者の西田(@n_ryota)です。『マクロスVO』や『スマブラX』など、様々なゲームの開発に15年以上携わってきました。 『メドゥーサと恋人』は、PlayStation VR 向けの1~2人のローカルマルチプレイができるVRパートナー(Co-op)アクションゲームです。本作は、比較的初心者も家庭で一緒に遊べるVRゲーム、酔わずに短い時間で遊べるゲーム、ひとりで遊ぶときはテクニカルな遊びを楽しめるゲームとして作りました。
『メドゥーサと恋人』はA級タイトルではなく、珍しいタイプのVRインディーゲームです。PLAYISMより発売しています。そんなタイトルですが、これまで展示会のデモなどで直接、1000人以上の方に体験していただき、たくさんの笑顔と支えがあって、こうしてリリースすることができました。皆様にプレイしていただけるようになったこと、実際に楽しかったという感想をいただけたことをうれしく思います。本当にありがとうございました!
一方、家庭用ゲームでは、展示会とは違い、おひとりずつ直接お話したりサポートができない部分があります。そしてゲーム中の説明は比較的簡素であるため、ゲームシステムへの理解が及ばないユーザーさんもいられるかと感じています。そんな方々のことを考え、AUTOMATONという場をお借りし、この記事を執筆いたしました。今回のコラムが、ゲームを楽しく遊ぶためのガイドとなれば幸いです。
あらためてゲーム紹介
主人公のひとりであるメドゥーサは、見たものを石に変える呪いにかかっていて、自分の意志とは無関係に髪が蛇のように動く、おぞましい姿となってしまいました。メドゥーサはその強力な力で敵を見つめるだけで石へと変えます。遠くにいる敵も、快感を覚えるほどに次々と倒せるメドゥーサですが、不完全なその力はいつまでも続きません。たくさんの敵を石化させるにつれ、呼吸が荒く、意識が朦朧としていきます。彼女は、目をつむって呼吸を整えることで、石化の力を回復できます。
もうひとりの主人公となる恋人のガイオスは、彼女の呪いを解くべく一緒に旅に出ます。メドゥーサの死角となっている後ろの敵を、剣を振って倒したり、彼女が目をつむって回復している間助けたり、前線へと走っていき、敵をひきつけたり……ガイオスは英雄的な奮闘をします。メドゥーサとガイオスは恋人同士ですが、もし見つめあえば、ガイオスが石になる過酷な運命を背負っています。そんな二人になって旅立つのがあなたです。
ふたりの息をあわせる! ローカルマルチプレイ(2人プレイ)
基本の遊び方は、2人で遊ぶローカルマルチプレイです。ひとりがVRヘッドセットをかぶってメドゥーサとなります。もうひとりは、テレビ画面を見ながらガイオスとしてプレイします。現実に横にいる相手に声を掛け合いながら、協力して遊べるのが、ローカルマルチプレイの醍醐味です。比較的シンプルな操作なので、ゲーマーさんでなくても十分遊べます。なかには「夫婦仲がよくなった」なんて声もいただきました。
1つ1つのステージ(Episode)を短く遊べるので、友達が訪れたときなどにもメドゥーサ役、ガイオス役など入れ替えながら、軽く遊んで楽しむのもおすすめの遊び方です。歯ごたえがあるプレイをしてみたい方は、難易度を「チャレンジ」にすると敵が増えたり、制限時間が短くなったりするので、その状態でハイスコアやトロフィ獲得を目指して遊ぶとよいでしょう。
※2人のプレイヤーがそれぞれコントローラーを使うので、コントローラー(DUALSHOCK 4など)が2つ必要です。
テクニカルに遊ぶ! ひとり二役プレイ(1人プレイ)
珍しいタイプの遊び方として、ひとりでメドゥーサとガイオスを操作する、ひとり二役プレイもできます。プレイヤーはVRヘッドセットをかぶり、ひとつのコントローラーで、左手はメドゥーサ、右手はガイオスを操作します。わたしは基本、ひとりで開発していたので、もっぱらこちらのモードで遊んでいました。
それぞれの操作は、二人で遊ぶときとほぼ同じで、シンプルなものです。しかし、ひとりでふたりを操作するのだから、脳の新しい部分を刺激する必要がありますね?うまく動かせると「俺(わたし)ってすごい」という感覚を楽しめます。
キャラクターの切り替えは移動操作で行います。止まった状態から、それぞれのキャラクターを動かすと、そのキャラクターを外から見た視点で操作できます。メドゥーサを動かして止まるとメドゥーサ自身の視点に戻ります。珍しいタイプの操作なので、最初は難易度「やさしい」にして、序盤のエピソードで動きを確かめながらプレイするのがおすすめです。
わからないまま攻略を急ぎすぎると、あとで苦戦するので、余裕がある場面で「ゆっくり落ち着いてひとりを動かし、次にふたりを動かし……」と「慣れてから先に進む」のがコツです。
最初はうまく息をあわせられなかったのが、慣れてくると、やがて見えていなくても背中のむこうで戦っていることがわかるようになったり、絆の深まりを感じられるようになるでしょう。遠距離(メドゥーサ)と近距離(ガイオス)のふたつの武器をひとりで扱う楽しさは、ひとり二役プレイならではの醍醐味です!なお、メドゥーサで移動中にガイオスを同時に動かした場合には、視点が切り替わらないので、そのままの見た目で同時に動かせます。メドゥーサが止まっていて、前方にガイオスが見える状態でガイオスを動かしたときも、視点がかわらないようになっているので、ガイオスで前線の敵を倒しながら、後方からメドゥーサが遠距離の石化攻撃をする、といったプレイができます。
メドゥーサの操作のコツ
メドゥーサは移動するときに三人称視点(外からメドゥーサの姿が見える視点)になり、止まると一人称視点(メドゥーサ自身の視点)になります。
移動
移動したり座ったまま後ろを向きたいときには左スティックで移動しましょう。移動して止まると、そのときキャラクターが向いていた方向のまま、メドゥーサの一人称視点に戻ります。これを実感するために、最初のEpisode 1などで、落ち着いて何度か試すのがおすすめです。椅子に座ってプレイしていても、後ろに移動して、止まれば後ろを向けるので、PlayStation VRのケーブルが体にぐるぐる巻きにならずに済みます。
※ゲームシステムとしては、「三人称視点で位置を固定」することで多くの人が酔いにくく、メドゥーサやまわりの状況が見え、一人称視点に戻ることで、見るだけで敵を倒す体験ができる仕組みになっています。
攻撃
メドゥーサは敵の目を見るだけでロックオンして、石化攻撃ができます。なにもボタンを押す必要はありません。ひとつ大事なことは、「移動中は石化攻撃できない」ということです。敵を見て倒したいときは止まって、敵の目を狙うようにしましょう。敵を全部石化するのではなく、ガイオスと分担するのも、よいコンビネーションです。敵の種類によっては、正面からは倒せない敵もいます。石化できないと思ったら、いろいろな方向から弱点を探ってみましょう。
回復
呼吸が荒くなってくると視界が悪くなり、最後には石化攻撃ができなくなります。ただ待つだけでもゆっくり回復しますが、L2の目をつぶるボタンで回復を早められるので、安全地帯に移動してこまめに回復しましょう。ローカルマルチプレイ(2人プレイ)のときは、目をつむると真っ暗になり外の景色が見えなくなります。ひとり二役(1人プレイ)のときも、基本は同じく見えなくなるのですが、右手でガイオスを操作している間は青い画面で外の景色やガイオスの様子が見えるようになるので、「メドゥーサで敵をロックオン攻撃」→「目をつむって回復」→「回復中にガイオスでまわりの敵を倒す」といったプレイができます。
ガイオスの操作のコツ
移動
ガイオスはスティックで移動できます。常に三人称視点で、ガイオスの姿を外から見る感じです。ローカルマルチプレイのときは、カメラの向きを右スティックで回転させたり、R1でカメラをメドゥーサの方向に向けたりできます。ひとり二役(1人プレイ)のときは、右スティックで移動操作をすることでガイオスの視点になります。メドゥーサの視点に戻したいときはメドゥーサを少し移動し、止まればOKです。ガイオスはメドゥーサより速く移動できます。
攻撃
ガイオスはXボタンで剣を振って攻撃できます。最後の突きは大ダメージなので、そのタイミングで敵に当てると倒しやすくなります。ガイオスはメドゥーサより体力(ライフのハート)も多いので、後ろを向いた敵のそばに走って行ってひきつけたり、先に倒したりなどして、メドゥーサをサポートしましょう。ただし、メドゥーサの方を向いて目が合うと一瞬で石になるのでご注意を!ボス戦などでは、ボスに向かって移動しながら剣をふると、攻撃をあてやすくなるので、試してみてください。敵も攻撃してくるので、いろいろな方向から戦ってみて、倒しやすいところを見つけましょう。
ステージ(Episode)攻略のヒント
ここからは少しネタバレも含む攻略のヒントをお届けします。詰まりそうになったら参考にしてみてください。
Episode 3 ボスの攻略
Episode 3、砂漠ステージのボスは巨大なワームです。砂の中を泳ぐように素早く移動して地上に出て攻撃をしてきます。このボスには正面には目がなく、メドゥーサで攻撃するには側面にある赤い目を狙う必要があります。
ただし、弱点を常に晒してくれるわけではないので、平地におびき出して戦うと、狙いやすくなるでしょう。また、ガイオスによる胴体への攻撃も含めて、弱らせるほど弱点を見せる機会が増えるので、早いうちにダメージを与えるのも効果的です。下の方の目の方が狙えるチャンスが少ないので、弱点を見せたときは、なるべく下の方の目から狙うのがコツです。
Episode4 ボスの攻略
Episode 4では、村の広場にある精霊を宿した巨木が突如として襲ってきます。このボスの攻略はガイオスの剣による攻撃だけでも倒せますが、ダメージを与えていくと、赤い実のような目が数か所出現することに気付くでしょう。この目は後方についているため、ボスの後ろから狙うのがコツです。そういえば、このステージで登場する虫のような敵も正面からは石化できなかったですよね?ガイオスと分担して敵を倒していきましょう。
カルマと愛
Episodeをクリアすると、結果画面でスコアの他に、カルマ、愛という2つの%表示やレベル表示がされます。ストーリーモードではEpisodeごとに、0~100%の結果によって、レベルが上がり、このパラメーターを引き継いで次のEpisodeへ進んでいきます。
※Episode選択では同じ条件で遊ぶために、あらかじめカルマ、愛のパラメーターが固定になります。
カルマは、メドゥーサの呪いの進行度を表すもので、カルマの%が大きいほど呪いが進行、カルマレベルが上がります。呪いが進行したメドゥーサはより”覚醒”し、肌の色などがモンスター的な見た目になり、よりたくさんの石化ができるように力も増し、敵からのダメージにも強くなります。
カルマは、動物や村人、兵士など、「メドゥーサが石化させたくない」と思っている相手を石化したときや、プレイ中に呼吸が荒いシーンが続くほど%が上がります。強くなりたい場合は、とにかく多くの相手をロックオンして、呼吸が荒く無理をしたプレイをするとよいでしょう。最後まで呪いを抑えたい、人間らしくありたい場合はこまめに目をつぶって回復して……もちろん村人を石化させたりもしないようにしましょう。そのかわり、強くならないまま戦うわけなので、メドゥーサとガイオス、息の合ったプレイが必要です。
愛は、ふたりがお互いを気にかけたプレイをしているかどうかを表すパラメーターです。これによってキャラクターが強くなったりすることはありませんが、トロフィー獲得などには影響します。また愛は、メドゥーサの近くでガイオスが敵を倒したり、お互いが相手の方を見たり(背中や横顔でも)、そういった行動をすることで増えていきます。スコアは難易度や敵を倒した数や残り時間によって変動しますが、カルマの%が少なかったり、愛の%が高いとボーナス点が加わります。
開発者からのメッセージ
『メドゥーサと恋人』のそれぞれのエピソードはわりとサクっと遊べますし、全6ステージなので、積みゲーいっぱいあるし……という時間のない方にも、遊んでいただけるとうれしいです。また、ふたりで遊ぶとき、メドゥーサとして、ガイオスとして、と役割を変えて遊んだり、ひとり二役で楽しんだりと、それぞれ違った感覚で遊べます。難易度を変えると敵の数や歯ごたえも変わりますし、ハイスコアを狙う遊びもできます。
そして、恋人のガイオスが石化した瞬間は終わりの瞬間で、とても切ないシーンなのですが、ゲームプレイとしては笑って「なにしてるのー!」と言いあえるシーンでもあります(外国で展示したときも、遊んだ方が爆笑していました)。わたしはひとり二役で操作していて、夢中になると、いまでもたびたびガイオスを石化させてしまって「あ゛あ゛!!」って言っています。せつない物語ではありますが、ぜひ、そんなふうに気軽に遊んでいただけると開発者冥利につきます。
そして、ゲームプレイ後にふと、メドゥーサやガイオスのことに思いを馳せてもらえたら、人と人が見つめあえる日常の幸せや、見つめあえなくても通じる心について感じてもらえたらと思います。あなたの元にいる、メドゥーサとガイオスの旅が、良きものになりますように。
『メドゥーサと恋人』の詳細はこちらから。PS Storeリンクはこちら。
[執筆: Nishida]
[Special Thanks: Shoya Kido]